レビュー

邪竜討伐のための最強師団編成を目指してドワーフ戦士を集めるボードゲーム「ニダヴェリア」プレイレポート


邪竜ファフニールの討伐を目指し、王命に従って、国内のドワーフ戦士の中から選りすぐりのメンバーをかき集めて最強のドワーフ師団を作り上げていくボードゲーム「ニダヴェリア」完全日本語版が、2020年9月4日(金)に発売されます。どんな師団を作れるのか、実際にゲームをプレイしてみました。

ニダヴェリア:すごろくやのボードゲーム
https://sugorokuya.jp/p/nidavellir/

◆開封~準備
箱の外観はこんな感じ。ロゴの上に描かれているのが復活を遂げ、ドワーフ王国への復讐を狙う邪竜ファフニール。プレイヤーはドワーフ王国議会の一員で、戦闘指揮官のエルヴァランドとなり、各自、勇敢なドワーフたちを集めます。


内容物はこんな感じで、日本語版・英語版の説明書とコイン、カード、ボード、カード立て、得点メモなどが入っています。コンポーネント整理用の小袋も用意されています。


基本的にコイン類は台紙から外すだけで使えますが、「王国の宝物庫」だけは6つのパーツの組立式となっています。


組み立てた宝物庫とコイン。コインの額面は5~25で、5・6・8・10・12・13・14が2枚、7・9・11が3枚、15~25は1枚となっています。


宝物庫に並べるとこんな感じ。2~3人でのプレイ時は3枚ある7・9・11も2枚に減らします。


ゲームの中心となるドワーフカード(左5列)と王家の施しカード(右端列)には裏側が宝石1つの「世代1」と宝石2つの「世代2」があります。ドワーフはさらに、左から「剣士」「狩人」「鉱夫」「鍛冶職人」「探検家」の5種類に分かれています。これらのカードは、世代別にしっかりシャッフルして、2つの山札を作ります。


なお、これらのカードの中には右下に「5」と書かれたものがあります。これは5人プレイ時に使用するカードなので、2~4人でのプレイ時は抜いておきます。


名有りのドワーフが描かれているのは英雄カード。各クラスに対応する2名ずつの英雄がいます。


また、クラスに属さない中立の英雄も11名存在します。


英雄カードは3つのカード立てに並べておきます。なお、並べ方は特に決まっていませんが、合計21枚あるので、7枚ずつ並べるとバランスが良くなります。また、カード左側の階級章部分は見えるようにしておきます。


5枚の栄誉カードもカード立てに並べ、その近くに「3のスペシャルコイン」「価値6の特別な宝石」「マスター鍛冶職人カード」を置いておきます。


並べるとこんな感じ。説明書では、宝物庫の左右にカード立てを2つずつ置くように指示がありますが、「栄誉」と「英雄」は取得のタイミングが異なるので、「英雄」の3つのカード立てはまとめておいた方が確認がしやすい印象でした。


プレイエリアの中央に「笑うゴブリン亭」「踊るドラゴン亭」「天馬楼」の3つの看板ボードと宝石交換マーカーを置きます。このとき、看板ボードとマーカーの間はカード1列分空けておきます。


また、各エルヴァランドの手元に個人ボードと初期コイン5枚(0・2・3・4・5)を用意します。


宝石は1から5まであります。エルヴァランドが5人のときは5個とも使用しますが、4人のときは1を除去、3人のときは1・2を除去、2人のときは1・2・3を除去します。エルヴァランドの数に合わせたら、宝石をしっかりとシャッフルしてランダムに1人1個配布します。


これでゲームを始める準備は完了です。


◆ゲームプレイ
まずは、スカウト対象となるドワーフが酒場へ入店します。世代1の山札からカードをめくり、酒場の看板ボードの下にエルヴァランドの数に等しい枚数、今回は4人プレイなので4枚ずつ、合計3カ所に置きます。


合計12人のドワーフが出てきました。


エルヴァランドは手持ちの5枚のコインのうち、3枚を酒場での入札に使用し、入札に使用しなかった2枚を巾着にセットします。


全員の入札が終わったら、「笑うゴブリン亭」から順に入札処理を行います。全員が当該酒場のコインを公開し、より高額な入札を行ったエルヴァランドから好きなドワーフを自分の師団に加えます。このターンではエルヴァランドAが0、Bが4、Cが3、Dが2を入札したので、B→C→D→Aの順です。


4を入札したエルヴァランドBは狩人を師団に加えました。ほかのエルヴァランドは、残った3人から師団に加えるドワーフを選ぶことになります。


0を入札した場合も、順番が後ろの方になるだけで、落札自体は可能です。なお、0の場合は巾着内のコインを表向きにして、2枚のうち価値の高い方を捨てます。代わりに、王家の宝物庫から2枚の合計値と同価値のコインをもらい、巾着内のコインを裏向きに戻します。下記の場合、「4」と「5」なので、「5」を捨て、「9」を得ます。なお、初期コインはコイン交換で捨てる対象になった場合、ゲーム内から取り除かれます。


複数のエルヴァランドが同じ額の入札を行うことがあります。この場合は、価値の高い宝石を持っているエルヴァランドから落札します。


各自の落札が終わり、コイン交換も終了したら、宝石交換を行います。重複人数が2人の場合は交互交換、3人の場合は最大値と最小値の交換、4人の場合はまず最大値と最小値を交換したのち残る2人も交換を行います。


ドワーフはクラスごとに横に並べ、同じクラスのドワーフが加わったときは階級章が見えるようにしてずらして上に重ねていきます。


酒場にはドワーフのほか、「王家の施し」が出てくることがあります。


「王家の施し」は獲得するとただちに「コインの昇格」が行えます。これは、手元のコイン5枚のうち1枚に対してカードに描かれている「+○」を適用できるもので、対象は「すでに落札に使用したコイン」「『王家の施し』を落札したコイン」「入札公開前のコイン」「巾着のコイン」のいずれでも可。裏向きになっているコインの場合、入れ替えた後は裏向きに置きます。


エルヴァランドBが5つのクラスのドワーフすべてを揃えました。これで「クラスセット」達成として、英雄を徴兵できます。


エルヴァランドBは「トリックスター ユルド」を徴兵しました。ユルドは中立の英雄なので、個人ボードの左側・司令部に配置します。効果はやや複雑なので後述します。


エルヴァランドDが徴兵した「商魂たくましい グリッド」はわかりやすく、ただちに手持ちコインのうち1枚を「+7」昇格させられます。また、師団の最終評価にあたる「総合勇敢評価値」に7点が加わります。


コインの交換や昇格により、宝物庫のコインはどんどん入れ替わります。交換・昇格時に目当ての価値のコインがない場合は1つ上の価値のコインを得られます。もしもらえるはずだった値より高い値のコインがない場合は、1つ値が低いコインを受け取ります。宝物庫の状況は公開情報なので、あえてコインが存在しないところを狙って交換・昇格を行い、1つ上の価値のコインを狙うテクニックもあります。


エルヴァランドCは狩人が2人いる状態でクラスセットを達成。さらに階級章を増やすべく狩人の英雄・「食らいついたら離さない アラル」を徴兵しました。


他のエルヴァランドが英雄を徴兵する中、なかなかクラスセットを達成できなかったエルヴァランドAもようやく英雄を徴兵。選んだのは鍛冶職人の英雄・「暴君 ボンフール」。3つの階級章を持ちますが、代わりに、鍛冶職人以外のいずれかのクラスにいる最後(一番上)のドワーフを師団から廃棄します。さらば、戦士のドワーフ……。なお、新たな英雄を徴兵するためには、クラスセットの数が英雄の数を上回る必要があるので、エルヴァランドAは2列目のクラスセットを達成しなければ次の英雄を徴兵できません。


「商魂たくましい グリッド」を徴兵するなどしてコインの交換・昇格の進行が早いエルヴァランドDが、宝物庫最高値である25のコインを入手しました。25は1枚しかないので、これでエルヴァランドDは必勝のコインを手に入れたことになります。


そうこうしていると世代1の山札が尽きました。これで世代1は終わりで、王による部隊評価が行われます。


部隊評価では、エルヴァランド各自のそれぞれのクラスの階級章の数を比較し、単独で当該クラスの階級章を一番多く持つエルヴァランドに、対応する「栄誉」が与えられます。

戦士の階級章を4つ集めて単独最多となったエルヴァランドDは栄誉・「王の手」を獲得。コイン1枚をただちに「+5」できます。


狩人最多はエルヴァランドCの4枚。栄誉・「狩りのマスター」の効果で、価値0のコインを価値3のスペシャルコインに交換できます。0のコインは交換・昇格できず、入札時に必ず最低値になりますが、このスペシャルコインであれば0と2のコインを上回ることができます。


鉱夫については、複数のエルヴァランドが2枚で並びました。しかし、ここでエルヴァランドBの徴兵したユルドが役立ちます。ユルドは、世代1最終入札の直後、部隊評価が行われる前に、自分の師団の好きなクラスに配置できます。つまり、あと1枚階級章があれば栄誉を得られるというクラスに配置可能。エルヴァランドBはユルドを鉱夫クラスに配置したことで最多の鉱夫を抱えるエルヴァランドとなり、栄誉・「宝物の守り人」で、価値6の特別な宝石を獲得。


価値6の特別な宝石は現在所有する宝石の上に重ねます。この宝石の効果で、入札が重なっても優先的に落札できるほか、宝石交換の対象から除外されます。


戦士が出て行って次のクラスセット達成は遠ざかったものの、鍛冶職人の階級章が7つ集まったエルヴァランドAは栄誉・「王の偉大な武具職人」と階級章を2つ持つマスター鍛冶職人カードを獲得。


残念ながら探検家については単独最多が不在だったため、栄誉・「王国の先駆者」は誰にも与えられませんでした。効果は、世代2の山札から3枚を引いて内容を確認し、1枚を手元に残し、2枚は山札に戻してシャッフルするというもの。ドワーフを師団に加えてクラスセットを達成した場合は英雄を徴兵できます。また、王家の施しであれば、即座にコインの昇格を行えます。誰も獲得しなかった場合、世代2の1番上のカードをゲームから取り除きます。取り除くので、効果は適用されません。


世代2でもどんどんとドワーフの徴兵が進み、エルヴァランドDが2列目のクラスセットを達成。英雄・「大富豪 アストリッド」を徴兵しました。アストリッドは総合勇敢評価値に所有する最大コインの価値を加えてくれるので、価値25のコインを持つエルヴァランドDが師団に絶対に加えたい英雄でした。


鍛冶職人を集めまくっているエルヴァランドAもなんとか2列目のクラスセットを達成。鍛冶職人の英雄・「鋼の拳 エーギル」を徴兵しました。


世代2の山札も尽きたらゲームは終了し、総合勇敢評価値の計算に入ります。

なお、エルヴァランドBは世代1の部隊評価時にユルドを鉱夫のクラスに配置しましたが、評価値計算前に、別のクラスに再配置することが可能です。今回はその後も鉱夫が増えたため、鉱夫クラスからの移動はなしでした。


総合勇敢評価値の計算方法は説明書に記載がありますが、iOS向け・Android向けアプリがあるので、それを使えば計算ミスを避けられます。

「Nidavellir」をApp Storeで
https://apps.apple.com/jp/app/nidavellir/id1482083978

ニダヴェリア - Google Play のアプリ
https://play.google.com/store/apps/details?id=com.grrregames.nidavellir

今回はAndroid版を利用して計算を行いました。アプリの起動画面で、プレイした人数を選択。今回だと「エルヴァランド4人」をタップ。


プレイヤー名はそのままでもOKなので「スタート」をタップ。


上部タブでクラスを選んで、そのエルヴァランドが持っているドワーフ・英雄・コインを選択します。この作業を、右上でプレイヤーを切り替えて4人分行います。


順調に進めば、すべてのカードがブラックアウトします。


ただし、獲得していない英雄カードと、一部の英雄カードの効果でゲームから排除されたドワーフは残ります。


コイン選択はこんな感じ。全員分の入力が終わったら右下に「合計」ボタンがでるので、タップ。


評価値の計算結果が表示されます。各クラス・英雄・コインでそれぞれ何点獲得したかもわかるので、どこがうまくいかなかったのかもわかります。それぞれ、集中して集めることになったエルヴァランドA(P_01)の鍛冶職人、エルヴァランドB(P_02)の鉱夫、エルヴァランドC(P_03)の狩人はそれぞれいい感じの得点源となりましたが、P_04(エルヴァランドD)は戦士の数が最多だったので、自分のコインのうち最高価値の値(25)が加算されたこともあり、2位に10点差をつけての勝利となりました。


何度か遊んでみましたが、特定の英雄・特定のクラスが強すぎるということはなく、プレイごとにそれぞれに異なる傾向の師団を編成したエルヴァランドが勝利しました。ゲームプレイ時間は、ルールを探りつつの初回こそ1時間近くかかったものの、慣れてくると目安の45分どころか30分台で計算終了まで到達できるようになりました。だかといってゲーム内容が軽すぎるわけではなく、どういった師団にしていくか、どの英雄を徴兵するかを考え、うまく入札するのは非常に面白く、それゆえにサクサクと何周もプレイしてしまったという感じです。入札はエルヴァランド同士の駆け引きになるものの、相手の動きを直接妨害するようなカードはないという点も気軽に遊びやすいポイントかも。

なお、邪竜ファフニールを倒すための師団を作るのが目的のゲームですが、できあがった師団がファフニールに勝てたかどうかは、定かではありません。

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in レビュー,   ゲーム, Posted by logc_nt

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