ハードウェア

Armが自動運転システム向けのプロセッサ「Cortex-A78AE」「Mali-G78AE」「Mali-C71AE」を発表


半導体メーカーのArmが、新規プロセッサIP(半導体設計資産)として、CPUの「Cortex-A78AE」、GPUの「Mali-G78AE」、画像処理プロセッサ(ISP)の「Mali-C71AE」を発表しました。いずれも自動運転車および自律型産業システムに対応したプロセッサになっているとのことです。

New Arm technologies enable safety-capable computing solutions – Arm
https://www.arm.com/company/news/2020/09/new-arm-technologies-enable-safety-capable-computing-solutions


Arm Announces Cortex-A78AE, Mali-G78AE and Mali-C71AE Autonomous System IPs
https://www.anandtech.com/show/16114/arm-announces-cortexa78ae-malig78ae-and-malic71ae-autonomous-system-ips

Arm unveils new chips for advanced driver assistance systems | VentureBeat
https://venturebeat.com/2020/09/29/arm-unveils-new-chips-for-advanced-driver-assistance-systems/

Cortex-A78AE
Cortex-A78AEは、2020年5月に発表された5G対応の次世代スマートフォン向けCPU「Cortex-A78」と同じマイクロアーキテクチャに基づいて設計されたCPUです。

Armが5G対応の次世代スマホ向けCPU「Cortex-A78」やGPU「Mali-G78」などを発表 - GIGAZINE


末尾のAEはAutomotive Enhanced(自動車向け強化型)という意味で、Cortex-A78AEは2018年に発表されたCortex-A76AEの後継モデルとなります。Armによれば、Cortex-A78AEはCortex-A76AEに比べてパフォーマンスが30%向上しているとのこと。また、セキュリティやプライバシー機能も強化されているそうです。


また、Cortex-A78AEは自動車用のISO 26262機能安全をサポートしており、新しく追加されたハイブリッドモードによって冗長性を確保した上で自動車安全水準(ASIL)のB段階やD段階に対応可能となっています。


Mali-G78AE
Mali-G78AEもまた、2020年5月に発表されたMali-G78コアに基づいて設計されたGPUです。Armとしては初めてとなる安全設計に対応したGPUで、安全重視の自律動作型システムに必要とされる演算機能や、表現力豊かなユーザー体験を実現するとのこと。


Mali-G78AEは、シェーダーコアを1コアから24コアまで拡張できる上に、GPUをパーティション分割できます。ワークロードを分離するために最大4つの専用パーティションがあり、個別のメモリインターフェイスを使用して、パーティションごとに電源のオン・オフを切り替えたりリセットしたりが可能です。また、専用のハードウェア仮想化も含まれているため、複数の仮想マシン間で個々のパーティションを仮想化することが可能。さらに、ロックステップ、内蔵セルフテスト、インターフェイスパリティ、アイソレーションチェック、リードオンリーメモリ保護などの安全機能を備えています。


Mali-C71AE
自動運転車などの自律動作型システムには、カメラを使った画像処理による周辺環境の認識が求められます。Mali-C71AEはASILのB段階に対応しており、最大4台のリアルタイムカメラ、あるいは最大16台のバッファカメラの映像を処理することが可能です。


また、Mali-C71AEは毎秒最大1.2ギガピクセルのスループットを達成しており、人間の視力を上回る最大24ストップの超ワイドダイナミックレンジ(UWDR)にも対応しています。


なお、今回発表されたプロセッサ3種についての詳細は、2020年10月6日から8日にかけてArmが主催するエンジニア向けイベント「Arm DevSummit」で解説されるとのことです。

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in ハードウェア, Posted by log1i_yk

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