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「Amazonプライム・ビデオのユーザーはコンテンツを実際に購入しているわけではない」とAmazonが主張


Amazonの定額制動画配信サービスであるAmazonプライム・ビデオでは、サービス加入者であれば大量のコンテンツを自由に視聴できるほか、一部の番組や映画をレンタルまたは購入することも可能です。このAmazonプライム・ビデオのサービスについて、Amazonが「ユーザーはAmazonプライム・ビデオのコンテンツを実際に購入しているわけではない」と主張したと、海外メディアのHollywood Reporterなどが報じています。

Amazon Argues Users Don't Actually Own Purchased Prime Video Content | Hollywood Reporter
https://www.hollywoodreporter.com/thr-esq/amazon-argues-users-dont-actually-own-purchased-prime-video-content

Amazon says users don't own content bought on Prime Video | AppleInsider
https://appleinsider.com/articles/20/10/28/amazon-says-users-dont-own-content-bought-on-prime-video

Amazon argues Prime Video customers don't own purchased content | Fox Business
https://www.foxbusiness.com/technology/amazon-argues-prime-video-customers-dont-own-purchased-content


事の発端となったのは2020年4月、カリフォルニア州に住むAmanda Caudel氏がカリフォルニア州の地方裁判所に提起した訴訟でした。Caudel氏は、「消費者がプライム・ビデオを通じて購入したコンテンツへのアクセスを、Amazonが任意の時点で終了させる権利を密かに留保している」として、Amazonを不正競争と虚偽広告で訴えています。

Caudel氏は訴訟の中で、プライム・ビデオのコンテンツはレンタル価格が平均5.99ドル(約630円)なのに対し、購入の場合は平均14.99ドル(約1570円)である点を指摘。あえて購入時の価格を大幅に引き上げることで、消費者に「プライム・ビデオで購入を行うと当該コンテンツを所有できる」という錯覚を与えている一方、Amazonはコンテンツへのアクセスを停止する権利を有していると主張しています。

Amazonはこの訴えに対し、2020年10月26日にCaudel氏の訴えの却下を求める申し立てを提出しました。AmazonによるとCaudel氏は合計で36本のタイトルをプライム・ビデオで購入しており、そのうち13本は2020年4月の訴訟を行った後に購入しているとのこと。いずれのタイトルも依然として視聴可能であるため、Caudel氏は何の被害も受けておらず、訴訟の原告となる立場にないとAmazonは説明しました。


また、Amazonは消費者がプライム・ビデオを通じて購入したコンテンツにアクセスできなくなる可能性があることを隠しておらず、利用規約で明確に記していると反論しています。

Amazonプライム・ビデオの利用規約をチェックすると、「購入コンテンツは、原則として、お客様による本サービスからの提供形態に従ったダウンロードやストリーミング再生が継続的に可能です。但し、コンテンツ提供者による使用許諾制限やその他の理由により、これらの再生ができなくなる場合があります。購入コンテンツのダウンロードやストリーミング再生ができなくなったとしても、アマゾンはお客様に対して責任を負わないものとします。」との文言が確認できます。


Amazonの弁護人であるDavid Biderman氏は、「ここで最も関連性の高い契約であるプライム・ビデオの利用規約は、Amazonプライム・ビデオでデジタルコンテンツを購入するたびに消費者に提示されます。これらの利用規約は購入者がビデオコンテンツを視聴するための限定的なライセンスのみを取得し、ライセンス制限やその他の理由により購入したコンテンツが利用できなくなる可能性があると明示的に規定しています」と述べました。

また、実際にCaudel氏を含む消費者が利用規約を読んだかどうかは問題ではなく、利用規約に同意した時点で記された内容に同意したことになるとAmazonは指摘。「オンライン消費者取引における加盟店の利用規約は、消費者が利用規約についての合理的な通知を受け取った場合に有効かつ強制力を有します」と、Biderman氏は主張しています。


加えてBiderman氏は、「原告はAmazonプライム・ビデオから購入したデジタルコンテンツへのアクセスが失われる可能性を知っていれば、そのコンテンツを『購入しなかった』と繰り返し訴えていますが、2020年4月24日から2020年9月6日にかけて13回もコンテンツを購入しています」と述べ、Caudel氏の主張には問題があると指摘しました。

Caudel氏の弁護士を務めるMichael Reese氏は、「ユーザーが実際には購入したコンテンツを所有していない」とするAmazonの主張は消費者に対する侮辱であり、Amazonが消費者を誤解させていることを強調していると主張。今後もAmazonと争う姿勢を見せました。

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in ネットサービス, Posted by log1h_ik

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