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Facebookは広告ボイコットにもかかわらず大きく増益、ただし好成績は長続きせず大きな反動があるとの見方も

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Facebookが2020年10月29日に、2020年の第3四半期(7~9月)の業績を報告しました。Facebookによると、2020年第3四半期の収益は前年同期比で22%増加するなど非常に好調な業績を収めましたが、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響による一時的な効果であることから、2021年は厳しい揺り戻しに直面すると見られています。

Facebook - Facebook Reports Third Quarter 2020 Results
https://investor.fb.com/investor-news/press-release-details/2020/Facebook-Reports-Third-Quarter-2020-Results/default.aspx

Facebook Q3 earnings: Revenue grows 22%, but its pandemic user bounce fades Pandemic user growth fades - CNN
https://edition.cnn.com/2020/10/29/tech/facebook-earnings/index.html

Facebook anticipates tougher 2021 even as pandemic boosts ad revenue | Reuters
https://www.reuters.com/article/us-facebook-results-idUSKBN27E3DL

Facebook weathers ad boycott and messy election season to report massive growth - The Verge
https://www.theverge.com/2020/10/29/21540820/facebook-q3-2020-earnings-ad-boycott-2020-election-growth-revenue

Facebookが10月29日に発表した2020年第3四半期の決算概要が以下。今期の売上は214.7億ドル(約2兆2453億円)で、前年同期比で22%の増加を記録しました。その結果、純利益は前年比29%増の78.5億ドル(約8209億9617万円)となりました。Facebookはかねてから、「多数の企業による広告ボイコットにもかかわらず収益を増加させている」と指摘されており、今回の決算によりそのことが改めて裏付けされたことになります。


またFacebookは、2020年9月におけるSNSのデイリーアクティブユーザー数(DAU)が平均18.2億人、9月末時点での月間アクティブユーザー数(MAU)が27.4億人に達し、いずれも前年比で12%増加したことを報告しています。

Facebookは報告の中で、「2020年第4四半期の広告収入は、ホリデーシーズンの影響による堅調な広告需要にけん引されることで、今回の報告の成長率を上回ると予想しています。さらに、Oculus Quest 2の受注状況が良好であることから、その他の収益にも恩恵があると考えています」と述べて、来期も引き続き好調な業績になるとの見通しを示しました。

好成績を示した今回の決算報告について、ロイター通信は「Facebookの売上が22%増の成長を遂げたのは、『前年同期比12%増』というアナリストの予想を上回るものでした」と指摘。また、CNNは「世界的に見て、Facebookは業績とユーザー数の成長の両面で、バラ色の未来図を描いています」とコメントしました。

一方、2021年の業績については厳しい反動があるとの見通しもあります。Facebookは「2021年に向けて、当社は引き続き大きな不確実性に直面しています。パンデミックの影響で、オフラインからオンラインへの移行が加速しており、広告需要の伸びはその結果であると考えています。オンラインコマースが当社の最大の広告分野であることを考慮すると、この流れが変化した場合、2021年の広告収入の成長には逆風が吹く可能性があります」と述べました。

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また、2021年にはiOS 14のプライバシーポリシー改訂による広告収入の激減や規制強化による逆風も予想されているとのことです。

Facebookの将来的な成長について、IT系ニュースサイトThe Vergeは「Facebookにとっての頭痛の種はアメリカでの成長です。今四半期は前四半期に比べ、アメリカのDAUが1億9800万人から1億9600万人に減少しました」と指摘。Facebookも報告書の中で、2020年第4四半期も北米でのユーザー数が横ばいもしくは減少する傾向が続くと認めています。

市場調査eMarketerの主席アナリストであるDebra Aho Williamson氏は、ロイター通信の取材に対し「コンテンツにモデレーションの問題を抱えているにもかかわらず、幅広い消費者にリーチしようとしているFacebookの姿勢は広告主にとって頼りになりますが、2021年には潮目が変わる可能性があります。今後は、より多くの広告主がFacebookへの依存度を厳しく見直し、Facebookがブランドにとって安全な環境かを自問自答することが期待されています」と述べました。

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