メモ

Amazonは組合参加に「反対」するよう促す手紙を労働者に送っている


アメリカのアラバマ州で、Amazonの倉庫労働者が組合に参加するかどうかを決める郵便投票が開始されました。この投票に際して、Amazonは反対票を投じるよう誘導するようなリーフレットを従業員に配布しているほか、職場付近に投票用の郵便ポストまで設置していると報じられています。

Amazon Sends ‘Vote NO’ Instructions to Unionizing Employees, Tells Them to Use New Mailbox
https://www.vice.com/en/article/3anw9k/amazon-sends-vote-no-instructions-to-unionizing-employees-tells-them-to-use-new-mailbox

Mailbox stirs controversy in Amazon union vote - al.com
https://www.al.com/business/2021/02/mailbox-stirs-controversy-in-amazon-union-vote.html

Amazon-Owned Twitch Bans Amazon’s Union-Busting Ads
https://www.vice.com/en/article/dy8qza/amazon-owned-twitch-bans-amazons-union-busting-ads

アメリカのIT系ニュースメディア・Motherboardが入手した、Amazonがアラバマ州の倉庫労働者に配布しているリーフレットが以下。小売業界の労働組合であるRetail, Wholesale and Department Store Union(RWDSU)への参加の是非を問う郵便投票の用紙に、「反対(Vote NO)」と書いてポストに投かんする方法が、イラストで分かりやすく解説されています。


また、アラバマ州ベッセマーにあるAmazonのフルフィルメントセンターには、仮設テントと郵便受けが設置されています。

by Alabama Local News

Amazonはリーフレットとともに、「投票が開始されました!アメリカ合衆国郵便公社(USPS)が、メインエントランスのすぐ外に郵便受けを設置しているので、簡単、安全、便利に郵便投票ができます。今すぐ投票しましょう!投票は3月1日まで!」というテキストメッセージを従業員に送信しました。なお、郵便投票の締め切りは3月29日であって、3月1日ではありません。

ベッセマーのフルフィルメントセンターで働いているジェニファー・ベイツ氏は、Motherboardの取材に対し「経営者たちは、あの郵便受けで投票するよう言ってきました。私は、『どれだけの人が郵便受けを使ったか』をAmazonが監視しているような気がしてなりません。また同僚の中には、『あの郵便受けのせいで決断を急がされている』と感じている人もいます」と話しました。

リーフレットには投票方法の他にも、「組合はより良い雇用条件や賃上げを保証しません」「組合費は毎月給料から徴収されます」といった反対票を投じる理由が列記されているとのこと。確かに、組合は特定の労働条件を保証することはできませんが、アメリカで労働組合に加入している労働者は、同業の非組合員に比べて平均11%多い給料を得ている上に、アラバマ州では、組合員の同意なしに天引きで組合費を徴収することは法律で禁止されているため、Amazonの主張は誤解を招くものだとMotherboardは指摘しています。


アマゾンの広報担当者であるヘザー・ノックス氏は、「USPSは最近、労働者の利便性を考慮してフルフィルメントセンターの敷地内に郵便受けを設けました」と述べて、郵便受けはAmazonではなくUSPSが設置したものだと強調しました。一方、Motherboardの取材に応えた別の倉庫労働者であるデリック・メドロック氏は「あれが組合選挙に関するものではないとしたら、一体なぜ今までなかったんでしょうね」と話しています。

労働問題を研究しているサンフランシスコ州立大学のジョン・ローガン教授は、「郵便受けは反組合戦術の一環だと考えています。職場に郵便受けを置くこと自体は、伝統的な組合つぶしの戦略ではありませんが、新型コロナウイルス感染症の影響で組合選挙が郵便投票で行われるようになりました」と述べました。

Amazonは他にも、傘下のライブストリーミング配信プラットフォームであるTwitchで、反組合的なCMを流していました。その映像が以下。ムービーの中では、労働者らが口々に「私は組合への参加に反対票を投じます」「組合なんて要りません。私たちは、会費を払わなくてもやっていけます」と話しています。


Twitchの広報担当者は、「Twitchは政治広告を許可していないので、このような広告を当社のサービスで配信することを許すべきではありませんでした。我々はこの広告を削除し、将来的にも同様のコンテンツが流れないようにします。このことを通報してくれたコミュニティには感謝しています」と述べて、親会社のCMに公然と反対しました。

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in メモ, Posted by log1l_ks

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