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「恋人殺し」の罪は女性の方が重いという指摘


「殺人」と聞いて、大量殺人無差別殺人テロリズムなどを思い浮かべる人も多いかもしれませんが、殺人の8割以上は「顔見知りの犯行」です。その中でも特に大きく報じられやすい恋人殺し・配偶者殺しなどの「パートナー殺し」の罪は、アメリカでは女性のほうが刑期が長い傾向があります。

Are women punished more harshly for killing an intimate partner? | US crime | The Guardian
https://www.theguardian.com/news/datablog/2019/jan/12/intimate-partner-violence-gender-gap-cyntoia-brown


避妊・中絶の権利や男女平等な労働環境などを求める権利団体Woman's Marchやアメリカ自由人権協会は、パートナー殺しによって男性が受ける判決は平均して懲役2~6年である一方、女性が受ける判決は平均で「懲役15年」という、殺人事件にまつわる男女不平等について指摘を行っています。

“The national average sentence for men who kill their female partners is 2-6 years in prison. In contrast, women who...

Women's Marchさんの投稿 2018年7月28日土曜日


この指摘の根拠となっているのは、National Coalition Against Domestic Violence(ドメスティックバイオレンスに反する国内連合)という団体が発表した調査結果です。この発表は「1989年」に発表されたため、いまや事情が異なっている可能性がありますが、近年アメリカにおいて女性が投獄される割合は男性を上回るペースで増加を続けている点は事実。2018年時点で、世界人口に占めるアメリカの割合はわずか4%でしたが、女性の収容人数だけみれば世界の33%を占めるという異常な状況が生じています。

The Guardianの女性記者であるモナ・チャラビー氏は、女性は殺人などの「男性的だと考えられる犯罪」を犯した場合には、より厳しい罰則を科せられるという結果も示唆されていると指摘し、こうした男女差別的な要素が女性の投獄割合に影響を与えていると主張。量刑における男女格差の研究が待たれるとしています。

チャラビー氏は記事末尾で男性によるパートナー殺しと非パートナー(他人)殺しの差についても触れており、アイルランドにおいては現パートナーや元パートナーに対する過失致死は、非パートナー殺しに対する過失致死よりも平均2.8年も量刑が短い点を指摘。「親密なパートナーに対する暴力は寛大に扱われるようです」と締めくくっています。

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in メモ, Posted by darkhorse_log

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