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ビットコインを裏で牛耳る謎のイタリア人とは一体どんな人物なのか?


暗号資産のビットコインは、2021年2月16日に初めて5万ドル(約530万円)の大台に乗り史上最高値を更新するなど、近年著しく価格が上昇しています。そんなビットコインにまつわる不正や不祥事でたびたび名前が上がるジャンカルロ・デバシーニ氏という人物について、金融ビジネスを専門とするイタリア人ジャーナリストであるニコラ・ボルツィ氏が解説しています。

Bitfinex, the Italian network behind the boss that makes Bitcoin tremble | by Nicola Borzi | Feb, 2021 | Medium
https://nicolaborzi.medium.com/the-lawless-rollercoaster-of-bitcoin-enriches-few-investors-while-many-often-lose-everything-f9b4789444c2

テキサス大学オースティン校の経済学教授であるジョン・グリフィン氏らは2019年に、「2017年にビットコインが急騰した際、暗号資産取引所のBitfinexでビットコインの価格操作が行われていた」と告発する論文を発表。ビットコインの価格が乱高下するのに伴い、ドルとペッグされた暗号資産であるテザーが不自然な形でBitfinexに流入していたことを指摘しました。このBitfinexの最高財務責任者(CFO)が、デバシーニ氏です。

ビットコインの価格操作に仮想通貨・テザーが利用されたという指摘 - GIGAZINE


ボルツィ氏によると、デバシーニ氏は1964年4月30日にイタリアのトリノで生まれ、1990年ミラノ大学で医学博士の学位を取得した後、形成外科医になったとのこと。その後、1992年に医師を辞めたデバシーニ氏は、中国からコンピューターの部品を輸入する企業などを相次いで起業しては次々と廃業させました。なお、この時デバシーニ氏が設立したPoint G Srlという企業は、1996年にMicrosoftから「海賊版を売った」として起訴され1億イタリアリラ(記事作成時点の価値に換算すると5万ユーロ/約647万円)の支払いを命じられているほか、日本の電機メーカー・東芝も2007年にデバシーニ氏の会社を特許侵害で訴えています

その後デバシーニ氏は2014年に、他の経営者らと共同でイギリス領ヴァージン諸島にテザーを扱うTether社を設立。翌年の2015年には、イタリアの酒類メーカーの後継者であるというRodolfo Fracassi氏らとともにBitfinexの親会社であるDigFinexを設立しました。


その後、Bitfinexは2016年ごろから多くの問題を抱えるようになります。2016年8月2日には、Bitfinexから11万9756ビットコインが盗まれているのが発覚。11万9756ビットコインは、当時のレートで約65億円ほどですが、2021年2月のレートにすると約5714億円に相当します。

また2018年にも、BitfinexとTether社が決済サービス・Crypto Capitalの損失補填に7億ドル(約740億円)相当のテザーを使っていたとして司法当局に起訴されています。この訴訟は、2021年2月に入り「Bitfinexらが約19億円の罰金を支払う」という形で決着しました。

Bitfinexとテザーが約19億円の罰金を支払いニューヨーク州司法長官と和解 - GIGAZINE


この他にも、デバシーニ氏は2017年12月にルクセンブルクで暗号資産ファンド運営会社・Bluebit Capital Partnersを設立しているほか、Bitfinexが2019年に暗号資産のLEOを立ち上げるなど、デバシーニ氏はさまざまな形で暗号資産に関与しています。

ボルツィ氏は、デバシーニ氏・Bitfinex・Tether社らに取材を申し込みましたが、返答は得られませんでした。

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in メモ, Posted by log1l_ks

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