サイエンス

ワクチン接種を完了した人は新型コロナへの感染リスクが半減するとの研究結果、他者への感染リスクを低める可能性も


イギリスで約10万人を対象に行われたPCR検査の結果から、ワクチン接種を完了した人はワクチンを接種していない人に比べ、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)に感染するリスクが50%~60%減少したことが明らかになりました。インペリアル・カレッジ・ロンドンがプレプリントとして発表しました。

Spiral: REACT-1 round 13 final report: exponential growth, high prevalence of SARS-CoV-2 and vaccine effectiveness associated with Delta variant in England during May to July 2021
https://spiral.imperial.ac.uk/handle/10044/1/90800

Coronavirus infections three times lower in double vaccinated people - REACT | Imperial News | Imperial College London
https://www.imperial.ac.uk/news/227713/coronavirus-infections-three-times-lower-double/

インペリアル・カレッジ・ロンドンのポール・エリオット氏らは調査会社のIpsos MORIと協力し、2021年6月24日から2021年7月12日までに行われた9万8233人を対象とするPCR検査の結果を分析しました。対象者のうち527人が新型コロナウイルスについて陽性と診断され、全体の有病率は0.63%でした。さらに陽性と診断された対象者のうち、研究所で正式に検査を行った254人は、すべてデルタ株に感染していました。

さらに、対象者全員を「ワクチン未接種者」と「ワクチン接種完了者」に分けて分析したところ、ワクチン未接種者は有病率が1.21%と、ワクチン接種完了者の0.40%と比較して3倍高かったとのこと。さらに、エリオット氏らは「2021年5月20日から2021年6月7日までに10万8911人を対象に行ったPCR検査のデータなども含めて分析した結果、ワクチン接種完了者はワクチン未接種者に比べ、無症状性感染を含む新型コロナウイルスへの感染リスクが50%~60%減少した」と推定しました。


また、ワクチン接種完了者は平均して検出されるウイルス量が少ないことから、エリオット氏らは「ワクチン接種完了者はワクチン未接種者に比べ、他の人にウイルスを感染させにくい可能性がある」と述べました。

ワクチン接種完了者でもデルタ株への感染が確認されたことから、研究に携わったスティーブン・ライリー氏は「私たちは、ワクチン接種を完了した人がどれほどの感染性を持っているのかをより良く理解する必要があります。今回の調査は、今後数カ月の状況をより正確に予測するのに役立ちます」と述べました。


新型コロナウイルスに100%有効なワクチンは存在せず、ワクチン接種を完了した人でもSARS-CoV-2に感染するリスクがあることから、アメリカ疾病予防管理センター(CDC)はワクチン接種を完了した人向けのガイダンスを作成し、引き続き感染予防対策を行うよう呼びかけています。

ワクチン接種を完了した人でもコロナに感染する「ブレークスルー感染」とは? - GIGAZINE

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in サイエンス, Posted by log1p_kr

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