ゲーム

「週3時間以上のオンラインゲームを禁止」する規則が登場、ゲームが許されるのは1日1時間×3日のみ


ゲームをプレイすることと暴力的であることには関連性がないことが研究で示されていますが、いまだに「ゲームは人間に悪影響をおよぼす」というステレオタイプを抱く人は多く、実際にゲームを規制する動きを見せる国や自治体も多くあります。日本でも香川県でゲーム依存症対策に特化した条例として、1日のゲーム時間を平日は60分、休日は90分に制限するゲーム規制条例が施行されているのですが、中国では新たに「子どもの1週間のオンラインゲームのプレイ時間を3時間までに制限する規則」が登場しています。

国家新闻出版署-要闻信息-国家新闻出版署下发 《关于进一步严格管理 切实防止未成年人沉迷网络游戏的通知》
http://www.nppa.gov.cn/nppa/contents/719/98785.shtml

China to ban kids from playing online games for more than three hours per week
https://www.cnbc.com/2021/08/30/china-to-ban-kids-from-playing-online-games-for-more-than-three-hours-per-week.html

中国政府統括の行政機関のひとつであるNational Press and Publication Administrationが、2021年8月30日(月)に「18歳未満の子どもおよび10代の若者は、週に3時間までしかオンラインゲームをプレイできない」とする新しい規則を発表しました。

近年、中国ではゲームへの規制が強化され続けており、2019年4月には「血」「死体」「麻雀」「ポーカー」「ポルノ」などの表現が禁止され……

中国の新しいビデオゲーム規則では「血」「死体」「麻雀」「ポーカー」「ポルノ」が禁止される - GIGAZINE


2020年8月には実名を入力しなければゲームをプレイすることができなくなる「実名検証システム」の運用がスタート。

実名を入力しないとゲームができない「実名検証システム」が2020年9月から中国でスタート - GIGAZINE


さらに2021年7月には、中国当局による厳しい規制にさらされ続けてきた中国最大のゲーム企業であるテンセントが、自主的に「親の名前などを使って実名検証システムから逃れようとする子ども」を厳しく取り締まるために、「顔認証システムを用いたゲームプレイ時間の制限機能」を実装しています。

大手ゲーム会社のテンセントが未成年ユーザーに対して「顔認証によるゲームプレイ時間の制限」を実施すると発表 - GIGAZINE


こういったゲーム規制の新たな動きとして発表されたのが、今回の週3時間以上のオンラインゲームを禁止するという規則。この規則では、18歳未満の若者は週末と法定休日の3日間、1日1時間(20時から21時まで)だけゲームをプレイすることが許可されることとなります。なお、National Press and Publication Administrationは「子どもの身体的および精神的な健康を保護するための方法として規則を提案しました」と、今回の規則について説明しました。

この規則は未成年向けにオンラインゲームサービスを提供する企業に適用され、指定された時間外に未成年ユーザーにサービスを提供することが禁じられます。これまで中国では、2019年に施行された規則により、18歳未満の若者は1日90分のゲームのプレイが許可されていたのですが、新しい規則により若者のゲーム時間はさらに削減されることとなります。

アジアゲーム市場の調査・分析を行うNiko Partnersのシニアアナリストであるダニエル・アフマド氏は、「現在、中国では1億1000万人を超える未成年者がゲームをプレイしています。しかし、新しい規則によりプレイヤー数は減少し、18歳未満のプレイヤーがゲームに費やす時間とお金は大幅に削減されることとなるでしょう」と指摘。しかし、同時に「ただし、時間の制限が支出の減少やゲーム会社の収益に重大な影響を与えるとは思えません。なぜなら、2019年の規則が登場してからの2年間で、未成年者の支出が大きく変わるということはなかったためです。つまり、未成年者の支出はすでに低水準であり、全体への影響は軽微なものになると予想しています」と、新しい規則がゲーム業界に与える影響を分析しています。


実際、テンセントも2021年第2四半期におけるゲーム部門の総売上のうち、わずか2.6%が16歳未満の若者由来の売上であることを明らかにしており、中国による規制が同社の売上におよぼす影響は軽微であると主張しています。

ただし、今回の新しいゲーム規則が発表されたのち、テンセントやNetEaseといった中国ゲーム企業の株価は一時値下がりしています。

この記事のタイトルとURLをコピーする

・関連記事
中国の新しいビデオゲーム規則では「血」「死体」「麻雀」「ポーカー」「ポルノ」が禁止される - GIGAZINE

実名を入力しないとゲームができない「実名検証システム」が2020年9月から中国でスタート - GIGAZINE

大手ゲーム会社のテンセントが未成年ユーザーに対して「顔認証によるゲームプレイ時間の制限」を実施すると発表 - GIGAZINE

「ゲームをプレイすること」と「暴力的であること」に関連はないという研究結果が発表される - GIGAZINE

ゲームが銃乱射事件の一因となっているとトランプ大統領らが非難 - GIGAZINE

暴力的なゲームの規制を主張するトランプ大統領陣営の主張の数々 - GIGAZINE

in ゲーム, Posted by logu_ii

You can read the machine translated English article here.