メモ

「次期マイニング大国」で電力不足が深刻化、事業継続不可能というマイニング業者も


2021年9月に中国の中央銀行にあたる中国人民銀行が決定した「暗号資産の関連サービスの全面禁止」を受け、中国の隣国であるカザフスタンにマイニング業者が事業を移転しています。しかし、マイニングによってカザフスタンは類を見ないほどの電力不足に陥っており、事業移転してきたマイニング業者の中から廃業を余儀なくされる業者も出始めています。

Crypto miners in Kazakhstan face bitter winter of power cuts | Financial Times
https://www.ft.com/content/086b7ec7-f71a-4214-bfa0-5644852056f3

Cryptocurrency miners grapple with major energy crunch in Kazakhstan - The Verge
https://www.theverge.com/2021/11/27/22805033/kazakhstan-cryptocurrency-miners-suffer-energy-shortages

Crypto Miner Xive Shuts Down South Kazakhstan Mine Due to Electricity Woes
https://www.coindesk.com/business/2021/11/24/crypto-miner-xive-shuts-down-south-kazakhstan-mine-due-to-electricity-woes/

Kazakhstan turns to nuclear power, as it is 'already feeling first signs of electricity shortage' - AMBCrypto
https://ambcrypto.com/kazakhstan-turns-to-nuclear-power-as-it-is-already-feeling-first-signs-of-electricity-shortage/

2021年9月24日、中国人民銀行は「暗号資産は法定通貨と同じ法的地位を持たない」「暗号資産に関する事業活動は違法な金融活動である」「インターネットを通じて国内居住者にサービスを提供する海外の暗号資産取引所も違法となる」という声明を発表し、金融機関や決済機関にも暗号資産に関わるサービスの提供を禁じました。これを受けて暗号資産取引所大手のHuobi Globalは中国本土において新規ユーザー登録を停止し、既存アカウントを段階的に廃止するという方針を発表。同じく暗号資産取引所大手のBinanceも中国本土における新規ユーザー登録や取引事業を全面停止しました。

中国最大級の暗号資産取引所が中国本土から次々と撤退へ、暗号資産取引の完全違法化で - GIGAZINE


11月16日には「暗号資産のマイニングに関わる国営企業の電力価格を上げる」という発表もあり、中国はマイニング事業者に対する締め付けを強化しています。そんなマイニング事業者の新たな受け皿となっているのが、中国の隣国であるカザフスタンです。ケンブリッジ大学のマイニング消費電力マップによると、カザフスタンはマイニング事業においてアメリカに次ぐ第2の大国と化しているとのこと。

しかし、そんなカザフスタンで電力不足が深刻化しています。カザフスタンの電力需要は例年1~2%という成長率でしたが、2021年は11月の時点ですでに約8%という成長率に達しており、中国から流入したとみられる8万7000台以上の出力特化型マイニングリグが電力需要を押し上げていると推定されています。


この電力不足の影響はすでに表面化しており、2021年10月15日にはカザフスタンで主要とされる石炭発電所3基が停止。1000メガワット以上に相当する発電が行われなくなりました。

この停電に対し、カザフスタンの電力関連事業を自然独占するカザフスタン電力網運営会社(KEGOC)は、公認マイニング業者50社に対して「電力割り当てを制限する」と告知しただけでなく、公認事業者の2倍の規模に達するとみられる非公認マイニング業者に対して取り締まりを行うと発表しました。


カザフスタン政府は2022年から公認業者と非公認業者を区別し、公認業者に対しては1kWhに対して1テンゲ(カザフスタンの通貨、約0.26円)を課す一方、非公認業者は電力を制限する見込み。2021年11月の時点ですでにXiveというマイニング業者が電力不足から廃業を余儀なくされており、同社の共同創業者がマイニングリグをトラックで運び出す様子と、マイニングリグが全て運び出されて廃墟となった元マイニング工場の様子を映したムービーを投稿しています。

Little sad to shut down our mining farm in south KZ. Last container is ready to be sent. So much work, people, hopes are ruined. Country risk played out pic.twitter.com/J8ZMg6GeUI

— Didar (@didar_bekbau)


カザフスタンは11月16日にロシアから電力を購入するという契約を締結しており、2021年の冬をロシア産電力で乗り切る見通しです。一方、エネルギーインフラを他国に頼る姿勢には批判も多く、KEGOCは停電によって損傷した発電所や送電線の保守作業を行うと発表していますが、「石炭が豊富な北部から電力不足が続く南部への送電網が弱い」といった構造問題をカザフスタン政府が覆い隠そうとしているという批判が報じられています。

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in メモ, Posted by darkhorse_log

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