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フランスの税務当局がAIを使用して2万面以上の「税金逃れをしたプール」を空から発見


フランスの税務当局がGoogleおよびCapgeminiと提携して作成したシステムにより、本来税務上の申告手続きが必要な水泳用プールのうち、無申告だったプール2万356面を発見したことを明らかにしました。税務当局はプールの所有者に督促状を送付しました。

French tax officials use AI to spot 20,000 undeclared pools | France | The Guardian
https://www.theguardian.com/world/2022/aug/29/french-tax-officials-use-ai-to-spot-20000-undeclared-pools

France Used Google AI to Snuff Out Undeclared Swimming Pools
https://gizmodo.com/ai-taxes-france-swimming-pools-1849470533

フランスにおいて水泳用プールは固定資産にあたり、所有者は完成後90日以内に税務署に申告する必要があります。一般的な30平方メートルのプールの場合、年間約200ユーロ(約2万8000円)の固定資産税がかかるとのこと。しかし、これらはあくまで自己申告に委ねられているため、税金逃れをしているプールがよくあるそうです。


そのような状況のなか、フランス税務当局の技術チームは航空写真を通じて全国のプールを識別できるシステムを作成しました。当局によると、AIを用いて発見したプールの画像を税務当局が保有する登記情報と照合することで、無申告のプールを発見できるとのこと。

2021年から行われたテストで2万面以上のプールが発見されており、すでに合計1000万ユーロ(約13億8000万円)の追徴が発生しているとのことです。

しかし、システムはまだ正確ではなく、見つけたものがプールなのかテラスなのかを100%判別することはできないそうです。2022年4月時点ではシステムの許容誤差が30%であることが明らかにされていました。この時点ではソーラーパネルをプールと見間違えてしまったことに加え、木の下や建物の陰に隠れたプールを発見できないことが分かっていました。


しかしながら、新型コロナウイルス感染症によるパンデミックでフランスのプライベートプール建設が急増し、その数は世界第2位となる320万面に達したことも報告されています。このように増加しつつあるプールから未徴収の税金を回収するため、税務当局はこのシステムを全国的に展開する予定をしているとのこと。これにより、2023年に民間のプールから得られる税収は、今回の追徴額の4倍に当たる4000万ユーロ(約55億円)に達すると見込まれています。

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in ソフトウェア, Posted by log1p_kr

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