かつてメジャーで横行した「Apple Watchを使ったサイン盗み」の方法とは？

実際、Apple Watchを使ったサイン盗みが2017年に問題となっており、ボストン・レッドソックスがApple Watchを使ったサイン盗みを行ったとして、ニューヨーク・ヤンキースが証拠映像をコミッショナーに提出。ヤンキースは「レッドソックスはスタッフにテレビで試合を観戦させ、そこで得たサインに関する情報をApple Watchを介してベンチのコーチにメッセージとして送信することでサイン盗みを行っていた」と指摘しています。

メジャーリーグでApple Watchを使った「サイン盗み」が発覚 - GIGAZINE

MLBのコミッショナーズオフィスはレッドソックスによるApple Watchを使ったサイン盗みが実際に行われたと断定し、同球団に罰金を科しました。その後、アリゾナ・ダイヤモンドバックスのコーチもベンチでApple Watchを着用していたため、MLBコミッショナーズオフィスに聞き取り調査を受けています。

実際にどのようにしてApple Watchを用いてサイン盗みが行われたのかをまとめたのが以下の図。

二塁に走者がいる場合、捕手は二塁走者にサインを盗み見される危険があるため、サインの内容を偽装します。

試合中、レッドソックスはフィールド上に配置されているセンターカメラのリプレイ映像を確認することで、捕手のサインと投手の投げた球種を照合し、二塁走者がいる時のサイン内容を分析します。

外部の映像分析班はサインの分析結果をベンチにいるコーチ陣に送信。コーチ陣はApple Watchでサインの分析結果を知ります。

サインの分析結果はベンチのコーチからハンドサインで二塁走者へ伝達され……

さらに二塁走者が打者にサインで伝えることで、投手が次にどの球種を投げるかをあらかじめ理解できるようになるわけ。MLBの一流バッターにとって、次に投げられる球種が明らかになっているというのは大きなアドバンテージになることは明らかです。