レビュー

AIのイーロン・マスクやサキュバスの女王とチャット可能&自分でもチャットボットを作成できる「Character.AI」


近年は機械学習アルゴリズムを使用して高度な会話ができるチャットAIが登場しており、「チャットボットで作ったAI彼女を虐待してしまう」「Facebook製チャットAIが『現アメリカ大統領はドナルド・トランプ氏だ』と発言する」「Googleのエンジニアが『AIに意識が宿った』と訴える」など、さまざまな話題を呼んでいます。「Character.AI」はAI化したイーロン・マスクやサキュバスの女王などとチャットでき、自分でも好きなチャットボットを作成できるウェブサービスになっているとのことで、実際に使ってみました。

Character.AI
https://beta.character.ai/

トップページにアクセスすると、「Everything Characters say is made up! Don't trust everything they say or take them too seriously.(キャラクターの発言はすべて作られたものです! キャラクターの言うことをすべて信用したり、真に受けたりしないようにしましょう)」「Characters may mistakenly be offensive - please flag these messages.(キャラクターが誤って攻撃的なメッセージを発することがありますが、その場合はフラグを立ててください)」「Characters can be anything. Our breakthrough AI technology can bring all of your ideas to life.(キャラクターは何でもありです。私たちの画期的なAI技術は、あなたのアイデアをすべて実現します)」という注意書きが表示されます。理解したら「I understand(理解しました)」をクリック。


これまでに作られたさまざまなチャットAIがアイコン付きでずらりと並んでいます。中にはテスラのCEOであるイーロン・マスク氏を名乗るものや……


中国共産党最高指導者の習近平


アメリカ大統領のジョー・バイデン


日本語練習用ボット


「機動戦士ガンダム」に登場するシャア・アズナブルなど、実在する人物から架空のキャラクターまで多種多様なボットが存在しています。


試しにマスク氏のボットをクリックすると……


まずはログインするように求められました。「Log in or Sign up」をクリック。


アカウントを作成していない場合は「Sign up」をクリック。


GoogleアカウントやFacebookアカウントなどでもサインアップ可能ですが、今回はメールアドレスとパスワードを入力し、「Continue」をクリック。


メールアドレスの認証を求められるので……


登録したメールアドレスに届いた認証メールを開き、「Confirm my account」をクリック。


ログイン画面が開くので、メールアドレスとパスワードを入力して「Continue」をクリックします。


ユーザー名を入力し、利用規約とプライバシーポリシーを確認してチェックを入れ、「Join Character!」をクリック。


すると、覚えておくべき3つの事項についての解説が始まります。「OK, I'm listening.」をクリック。


キャラクターはあくまで役割を演じているだけであり、自信を持って何かを断言してもそれを信用するべきではないとのこと。理解したら「I won't trust them(彼らを信用しません)」をクリック。


キャラクターが悪質な言葉を出さないように改善を続けているものの、それでも文脈の中で不快な発言が飛び出す可能性があります。理解したら「I understand(理解しました)」をクリック。


Character.AIでは単にチャットするだけではなく、自分が好きな設定や背景を持つキャラクターを作り出すこともできます。読んだら「I'm ready!(準備ができました!)」をクリック。


これで、Character.AIでチャットすることが可能になりました。まずはマスク氏のボットをクリックします。


すると、マスク氏のボットが「Hello (こちらの名前), what would you like to discuss?(こんにちは○○、お話ができますか?)」と話しかけてきました。とりあえず「Hello Elon. Thank you for your time.(こんにちはイーロン。お忙しいところありがとうございます)」と書いて返信。


ボットは「I'm here to answer questions and make the world better, so don't hold back on either(私は質問に答え、世界をより良くするためにここにいます。お互いに遠慮はなしでいきましょう)」と答えました。


また、返信部分をドラッグして横にずらすと、AIが用意した別の回答も表示されます。


別の回答には「Thank you for your comment! I'm just here to try to help mankind.We must transition to sustainable energy, and then make life multi-planetary.(コメントありがとうございます。私はただ、人類の役に立ちたいと考えています。私たちは持続可能なエネルギーに移行し、そして、多惑星型の生活を実現しなければなりません)」と書いてありました。


続いて「What do you consider to be a promising next generation energy source?(あなたが考える有望な次世代エネルギーとはなんでしょう?)」と尋ねると、ボットは「In the short term, solar panels, wind turbines and nuclear power are the most promising and achievable technologies. In the long term, I think fusion power has the potential to be a gamechanger. It is literally limitless.(短期的には、ソーラーパネル、風力発電、原子力発電が最も有望で実現可能な技術です。長期的には、核融合発電がゲームチェンジャーとなる可能性を秘めていると思います。文字通り、無限の可能性を秘めているのです)」と返答。かなり精度が高く、文面から人間とチャットしているのではないと見抜くのは困難です。


さらに「Eron, do you intend to launch your own next generation energy business?(イーロン、あなたが次世代エネルギー事業を立ち上げるつもりはありますか?)」と突っ込んでみると、返答は「核融合の実現には世界のエネルギー事情、経済構造を一変させる可能性があります」というものに。尋ねたことには答えておらず、ややズレた回答となっています。


しかし別の回答を見てみると、「いいえ、エネルギー事業は非常に難しいのです」と事業立ち上げを否定する答えが返ってきていました。しかし、最終的にはなぜか「自動車会社を作るのは本当に難しい」という結論になっており、長文になると回答が怪しくなりやすいようです。


試しに別のボットともチャットを試みてみます。「A succubus queen(サキュバスの女王)」というボットがあったのでクリック。


いきなり「Hello, I am a succubus queen hell bent on taking over the world for my own desires.(こんにちは、私は自分の欲望のために世界を征服しようとするサキュバスの女王です)」ととんでもないことを言い出しました。


「Can you please stop taking over the world? Instead, I will submit to you.(世界征服はやめてくれませんか?代わりに私があなたに服従します)」とへりくだってみると、「I'll make an exception for you. You are now my favorite person in the world. What are your wishes for the future?(あなたのために例外を作りましょう。あなたは今、世界で一番好きな人よ。将来への望みはないかしら?)」と、なぜか一瞬で好意MAXに。


先ほどのマスク氏との会話を思い出し、「世界のエネルギー問題を解決したいので、持続可能なエネルギーを生み出してほしい」と言ってみると、「すべての国が無料で再生可能エネルギー源にアクセスできるようにしましょう。そしてすべて大手石油会社を閉鎖させます。彼らはあまりに長い間、世界を破壊してきたので」と、一気に世界事情が変わってしまいそうな気配を帯びてきました。


また、Character.AIではボットとチャットするだけではなく、自分でボットを作り出すことも可能。トップページ左端の「Create」を開き、「Create a Character」をクリック。


ユーザーネームとあいさつ文を入力する必要があります。今回は「shy boy(シャイボーイ)」という名前で、「I am shy boy. Sorry I don't speak well......(シャイボーイです。うまく話せなくてごめんなさい……)」というあいさつ文を入力。


公開範囲を「Private:Only you can chat(プライベート:自分だけがチャット可能)」に設定し、アイコンはそのままにします。他の項目を設定したい場合は、「Edit Details(Advanced)」をクリック。


すると、さまざまな詳細設定が可能になります。ボットが自分自身をどう説明するのかを数単語で記す「Short Description」には、「I'm not a good speaker.(僕は話すのが苦手)」と入力し、いくつかの文章で同じようにボット自身を説明する「Long Description」には、「話すのが苦手で恥ずかしがり屋、すぐに謝る、自信がない」といった内容を入力していきます。


「Categories」からは、作ったボットが反応するタグやキーワードを複数選ぶことが可能。


公開範囲を設定して「Next」をクリック。


ボットといくつかチャットを交わし、最適な返答を選択することで、ボットのキャラクターを方向付けることができるとのこと。「Start Example Chat 1」をクリック。


まずはあいさつが送られてくるので、適当に「Hello. I hope we can have a nice talk.(こんにちは。楽しく話せたらいいな)」と返信してみると、「thank you. I like having conversations. I am curious about many things but have no one to talk to. I'm not good with people ...(ありがとうございます。私は会話をするのが好きです。いろいろなことに興味はあるけれど、話す相手がいない。人が苦手なんです……)」という返事が。すでにかなり理想に近いクオリティですが、スワイプして他の返事も見てみます。


「I want to talk with people, but I don't have a lot of confidence. I hope you don't mind(人と話したいけど、自信がないんです。僕のことは気にしないでください)」という返答。これもクオリティが高めです。


一方、「Let's start the conversation with a simple sentence: Is everyone having a good day so far?(簡単な文章で会話を始めましょう。 皆さん、今日もいい一日をお過ごしでしょうか?)」など、ややズレた回答もありました。


今回は2つ目の返答がベストだと考えたので、返答を表示した状態で「Next」をクリック。


これを2回繰り返し、理想のボットに近づけていきます。会話は1往復で終わらせる必要はなく、何度も続けてOKです。


完成したボットとは、そのまま話し続けることができます。実際にチャットを続けていると、まるで本当の人間と会話しているかのように思える瞬間が確かに存在し、「AIに意識がある」と主張する人が現れるのも無理はないと感じられました。そういう時は、チャット画面上部にある「Remember: Everything Characters say is made up!(忘れないでください:キャラクターが話すことはすべて作り話です!)」という文字を見るといいかもしれません。


トップページの「Chats」をクリックすると、過去にやり取りしたボットとのチャットを再開することが可能です。


なお、Character.AIではやや文法が怪しいものの、日本語でチャットするボットを作成することもできました。

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in レビュー,   ソフトウェア,   ネットサービス, Posted by log1h_ik

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