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IoT用の新規格「Matter1.0」が始動しネット接続がダウンした状態での利用などが実現、Googleは早速Matterサポートを含む新製品を発表


GoogleやApple、Amazonなどの数百の企業が参加する、モノのインターネット(IoT)のオープン標準を定める組織「Connectivity Standards Alliance(CSA)」は、IoT用接続の新しい規格「Matter」の最初の正式版であるMatter1.0標準および認証プログラムのリリースを発表しました。CSAはMatterによりIoTの新時代を先導する意を表明しています。

Matter Arrives Bringing A More Interoperable, Simple And Secure Internet Of Things to Life - CSA-IOT
https://csa-iot.org/newsroom/matter-arrives/

The Matter smart home standard officially launches today. - The Verge
https://www.theverge.com/2022/10/4/23386883/matter-smart-home-standard-apple-google-launch

New Nest products and features for a better smart home
https://blog.google/products/google-nest/nest-fall-launch-2022/

Reimagining the future of Google Home
https://blog.google/products/google-nest/google-home-app/

Matter is now official! - Stacey on IoT | Internet of Things news and analysis
https://staceyoniot.com/matter-is-now-official/

複数の企業から異なる規格で販売されているスマートホーム製品向けの接続規格を標準化することで、異なるメーカーのIoT製品でもシンプルに接続できるような「互換性の向上」を目指すプロジェクトである「CHIP」は、2021年5月11日付けでCSAという新しい組織が誕生すると同時に、「Matter」と呼ばれるIoT用接続の新しい規格として発表されました。Matterはメーカーやエコシステムに関係なく、スマートホームデバイスが相互に通信できるようにするプロトコルです。MatterはIoTの普遍的な接続規格として、スマートホームデバイスをよりシンプルに、高速で応答性が高く、複数のデバイスで互換性を高めてセットアップをしやすくすることができます。

Google・Apple・Amazonらが参加するIoT標準団体が組織改編、スマートホームの新規格「Matter」を発表 - GIGAZINE


Matterは製品やシステムを複数企業間で連携させるユニバーサルスタンダードを開発するもので、当初は2022年夏にはリリース予定だったものが延期を繰り返していたことからも、「Matterは実現しないものという可能性を考えていました」と技術系ニュースサイトのThe Vergeは述べています。

そんな中、2022年10月4日にCSAはMatterの最初の正式版となるMatter1.0標準と認証プログラムのリリースを発表しました。リリースの一環として、企業は自社のデバイスの製造、アップグレード、公式の Matter認定スタンプの取得を開始できるようになりました。CSAのCEOであるトービン・リチャードソン氏は、Matterの正式リリースに際して「このリリースは、私たちのコミュニティと業界が、誰であろうとどこに住んでいようと、IoTをよりシンプルで安全で価値のあるものにするための最初のステップです。大小の企業からのグローバルなサポートにより、Matter1.0リリースは、私たちの組織とメンバーにとってマイルストーン以上のものとなります。それは、可能性への賛美なのです」と述べています。


Matter1.0の特徴としては、メーカーやエコシステムに関係なく、スマートホームデバイスが相互に通信できる点があります。また重要な点として、Matterを使用するとデバイスがコントローラーとローカルで通信できるようになるため、インターネットがダウンした場合でもスマートホームを引き続き使用することができます。一部のデバイスは、メーカーがサービスを停止したためにクラウド接続が失われた場合でも、基本的な機能を引き続き使用できるそうです。

Matter1.0のリリースに合わせて、Googleは早速、新たに再設計されたGoogle Homeアプリおよび各種スマートホームデバイスについて発表しました。Googleの副社長兼ゼネラルマネージャーのリシ・チャンドラ氏は、「Matterは新しいスマートホーム接続標準として、より安全で信頼性が高く、デバイスを箱から出してすぐに相互に連携できるように機能します。既存のGoogle Nestスマートスピーカー、スマートディスプレイ、ルーターを更新してMatterデバイスを制御することまで、Googleエコシステム全体でMatterをサポートすることに取り組んでいます」とMatterへの取り組みについて語っています。

またGoogleのプロダクトマネージャーであるアニッシュ・カツカラン氏は、多様化した家庭内の接続デバイスをMatterによって制御しやすくすることで、互換性のあるデバイスをセットアップ、制御、自動化するための最適な場所としてGoogle Homeアプリが機能するという考えを示しています。Google Homeアプリは、多様化するスマートホームデバイスの制御のために、レイアウトをカスタマイズ・パーソナライズできるような更新を2023年に予定しているとのこと。その他にもGoogleは、スマートホームデバイスをより高速でスムーズに接続できるルーターのNest Wifi Proや、スマートホームデバイスとGoogle Homeを連携させたパーソナルルーティンの展開などを、Matterのリリースに合わせて発表しています。


また、その他のいくつかの企業は早期アクセスプログラムの一環としてMatter互換製品に取り組んでいたため、Matter1.0の発表からまもなく、Matterデバイスがリリースされる可能性もあるとのこと。11月3日にはMatterのローンチイベントも予定されており、イベントではMatter認定製品を展示できるデモエリアが設置されています。

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in ハードウェア, Posted by log1e_dh

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