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HuaweiやZTEなど中国メーカー5社の通信機器の販売を「国家安全保障へのリスク」を理由にアメリカ連邦通信委員会が禁止、イギリス政府も制限へ


アメリカの通信や電波の規制を行う組織・連邦通信委員会(FCC)が「国家の安全保障上の懸念」から、HuaweiやZTEなどといった中国メーカー製品の販売と輸入を禁止する規則を採用したと、2022年11月25日に発表しました。また、イギリス政府も中国製の監視カメラの採用を制限する勧告を発表しています。

FCC Bans Authorizations for Devices That Pose National Security Threat | Federal Communications Commission
https://www.fcc.gov/document/fcc-bans-authorizations-devices-pose-national-security-threat

Written statements - Written questions, answers and statements - UK Parliament
https://questions-statements.parliament.uk/written-statements/detail/2022-11-24/hcws386

US Bans Huawei, ZTE Telecom Equipment on Data-Security Risk - Bloomberg
https://www.bloomberg.com/news/articles/2022-11-25/fcc-bans-huawei-zte-telecom-equipment-from-sale-in-us-lawwfpb3

UK bans Chinese cameras from government buildings – POLITICO
https://www.politico.eu/article/uk-bans-chinese-cameras-from-government-buildings/

FCCが発表した規則は、2021年11月11日にバイデン大統領が署名した「Secure Equipment Act of 2021」の施行に基づきます。販売・輸入が禁止されるメーカーはHuawei、ZTE、HikvisionHyteraDahuaの5つ。FCCは「新規則により、該当する機器はFCCによる認可が認められず、また該当する機器をサプライヤーの適合宣言プロセスで認可したり、機器認可の免除を認める規則に基づいて輸入または販売したりすることも明確に認められません」としています。

これらのメーカーの製品は、これまでは政府の公的資金を導入することが認められていませんでした。つまり、政府機関が購入することはできないものの、民間企業が自身の資金で購入する分には問題がありませんでした。しかし、今回の措置によってFCCによる認可プロセスそのものが行われなくなるため、該当する5社の製品をアメリカ国内で販売すること自体ができなくなります。


FCCのジェシカ・ローゼンウォーセル議長は「FCCは信頼できない通信機器が国内で使用できないようにすることで、国家安全保障の保護に努めており、今回の決定もその活動の一環です」と述べました。

また、FCCのメンバーであるブレンダン・カー氏はTwitterで「FCCの歴史の中で初めて、国家安全保障上の懸念に基づいて新しい機器の認可を禁止することが全会一致で決議されました」と述べています。カー氏は2021年3月に、国内の販売代理店に対してHuaweiの製品を取り扱わないように強く求めていました


Hikvisionはアメリカ経済紙のBloombergに対して、「我が社のセキュリティ製品はアメリカにセキュリティ上の脅威を与えるものではなく、FCCの決定は技術的または法的に正当化されるものではありません。今回の規制により、アメリカの中小企業や自宅、企業で財産を保護する方法がより危険でコストのかかるものとなります」とコメントしました。Huawei・ZTE・Hytera・Dahuaはコメントを出していません。

中国の通信機器メーカーに対する一連の規制は「中国メーカーのスマートフォンがユーザーのデータを中国に送信しているのではないか」という疑惑から始まっています。

Android搭載スマホがユーザーデータを密かに中国へ送信していることが発覚 - GIGAZINE

by Tsahi Levent-Levi

「Huaweiなどの中国メーカー製スマートフォンを使うべきではない」とFBI・CIA・NSAなど諜報機関の長官が警告し、アメリカ国内でHuaweiやZTEの製品に対する目が厳しくなる中で、Huawei創業者の娘で最高財務責任者(CFO)を務めていた孟晩舟氏がイランへの禁輸措置に違反したとして逮捕されました。この事件は、Huaweiをはじめとする中国メーカーへの不信感をアメリカ国内で大きくあおりました。その後、GoogleMicrosoftIntelといったアメリカの主要なテック企業がHuaweiとの取引を停止したと発表。その後、Huawei・ZTE・Hikvision・Hytera・Dahuaの5社に対して、公的資金投入を禁止する措置が発効されました。

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by Kārlis Dambrāns

FCCがHuaweiなど中国通信機器メーカーの製品の認可を禁止する措置を取る可能性はすでに2022年10月時点で報じられていました。

アメリカでHuaweiおよびZTEの通信機器を新規販売することが禁止される可能性 - GIGAZINE


HuaweiやZTEなどといった中国の通信機器メーカーに対する懸念は、アメリカだけではなくイギリスでも強まっています。イギリスはロンドン市内だけで監視カメラが94万台以上設置されている監視カメラ大国で、採用されている監視カメラの多くがHikvisionとDahuaの製品だとのこと。

イギリス内閣府のオリバー・ダウデン大臣は「イギリスに対する脅威と、中国製の監視機器システムの性能と接続性の向上に照らし合せて、結論として追加の管理が必要であるという話に至りました」と11月24日に発表し、中国製の監視機器を各部門のコアネットワークから切断し、アップグレードを待たずに取り外して交換するように勧告しています。

Hikvisionはアメリカの政治系ニュースメディア・Politicoに対して「我が社を国家安全保障に対する脅威と見なすのはまったくの誤りです。私たちはイギリス政府と協力して、会社や事業に関する誤解を明らかにし、彼らの懸念に対処してきました」と述べ、イギリス政府に決議を再検討するように求めています。

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in メモ,   ハードウェア, Posted by log1i_yk

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