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太陽光発電よりはるかに安価で環境にも優しい小型の水力発電システム「RHT」とは一体どういったものなのか?


水力発電プロバイダーのNatel Energyが電力網開発のSymbion Powerとパートナーシップを結び、コンゴ民主共和国全土に小型の環境に優しい水力発電システムである「復元水力タービン(RHT:Restoration Hydro Turbine)」を配備する計画を発表しました。このRHTの仕組みに、科学系YouTubeチャンネルのZirothが迫っています。

Genius Micro Hydro Turbine Is Far Cheaper Than Solar - YouTube


Natel EnergyがSymbion Powerとパートナーシップを結び、コンゴ民主共和国に配備予定の小型水力発電システムの「RHT」がコレ。安価で持続可能でありながら、魚類が安全に通過できるという利点も持ち合わせており、コンゴのような後発開発途上国にとってはありがたい発電システムとなっています。


Natel Energyによると、RHTは送電網につながれていない太陽光発電システムよりもはるかに安価に設備を整えることができるそうです。


水力発電の魅力は汚染物質を排出することなくクリーンで再生可能なエネルギーを出力できるという点にあります。しかし、水力発電用の大規模なダムなどは正しく管理されていない場合、野生動物にとって有害となり得ます。


タービンを用いた水力発電システムを河川に設置した場合、タービンを通過した水が水循環により高所に戻ってくることで、無限ともいえるサイクルでクリーンな電力を供給することが可能となります。


しかし、河川にタービンを設置すると魚に悪影響をおよぼす可能性があるため、魚がタービンに入らないよう工夫する必要があるそうです。また、河川用のタービンは水頭が低くなるよう設計しなければいけないという制限があります。


水頭とは、メートルやフィートといった長さで表される、流体中のある地点での圧力です。例えば、コップに水を張った状態を想像してみてください。コップの上には水の重みがあるため、コップの底の圧力は上の圧力よりも高くなります。


つまり、水頭10メートルの水車があるとするなら、入口部分には10メートルの水柱があるのと同じ圧力がかかっているということになるわけです。


そこでNatel Energyが開発したのがRHTです。このタービンはブレード部分に厚みがあり、特別な傾斜を持っているため、魚が安全に通過できるようになっています。これにより魚の侵入を防ぐための金網が不要となり、コスト削減につながるというわけ。


Natel EnergyのRHTにおける魚の生存率は99%以上となっており、これだけコンパクトなタービンとしては非常に高い数値となっているとのこと。


なお、RHTのタービンの直径は0.5~2.5メートル程度と非常にコンパクト。そのため、RHTは水頭を低く設置するのにも適しています。


Natel Energy製のRHTを普及させるために、Natel EnergyとSymbion Powerはアフリカで電力投資ベンチャーの「My Hydro」を設立。My Hydroはコンゴの33の候補地にRHTを設置する予定です。


なお、Natel Energy製のRHTはすでに2020年9月にモンロー水力発電施設において水頭5メートル、300kWのタービンを用いて大規模な実証実験が行われており、オーストラリアでもタービン直径60cm・水頭2メートルのRHTが実用化に成功しています。


コンゴに設置されるRHTの最大出力は4.5MWで、タービンの出力は1年平均すると最大出力の25~75%程度になるため、平均出力を50%と仮定すると1年間の発電量は20GWh程度になる見込みです。これだけの発電量があればアメリカの一般家庭2000軒分、アフリカ農村部の一般家庭なら4万軒分の電力を賄うことが可能。なお、コンゴのRHTを設置する地域の一般家庭の電力需要はさらに低いため、より多くの家庭に電力を供給することができるものと考えられているそうです。


コンゴは世界の水力発電施設の約13%を所有しているにもかかわらず、人口のわずか10%しか電力を利用できていません。そのため、My HydroのRHT設置プロジェクトは同国にとって「非常に重要な意味を持つ」そうです。


また、Natel Energy製RHTの生涯エネルギーコストは「送電網につながれていない太陽光発電システム」(Off - Grid Solar)と比べるとかなり安価です。なお、RHTのコストは水頭の大きさや設置場所により異なってくるものの、平均的な生涯エネルギーコストはわずか4~6c/kWhと発表されおり、これは大規模太陽光発電システムと同等です。


水力タービンが24時間365日発電を続けることができることを考えると、大規模なエネルギー貯蔵システムが必要ない分、さらにコスト削減を実現可能とのこと。

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in 動画, Posted by logu_ii

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