メモ

ChatGPTにWordPressプラグインを要求したら数日かかる作業を5分で完了させたという報告


チャットAI「ChatGPT」は2023年2月には月間1億ユーザーに到達したほど急速に成長しており、Googleのコーディング職の試験にパスしたり、裁判官が判決文を作成する際に使用されたりと、さまざまな事例でその精度の高さが報告されています。アメリカのテクノロジーと国家安全保障政策に携わる政策顧問でコンピュータ科学者のデビッド・ゲワーツ氏は新たに「ChatGPTがWordPressプラグインを5分で作成した」と報告しており、「魅力的で素晴らしく、恐ろしいものです」とコメントしています。

So... this... https://t.co/mzBYpCJay5

— David Gewirtz (@DavidGewirtz)


I asked ChatGPT to write a WordPress plugin I needed. It did, in less than 5 minutes | ZDNET
https://www.zdnet.com/article/i-asked-chatgpt-to-write-a-wordpress-plugin-i-needed-it-did-in-less-than-5-minutes/

OpenAIが開発したチャットボット「ChatGPT」は、人間からの質問に対して非常に自然に受け答えできるため、宿題のサポートや試験の練習といった活用の他、専門家でも論文の要旨がChatGPTの書いたものだと見分けることができなかったり、大学生レベルの自由記述試験経営学修士課程(MBA)の最終試験ロースクールの試験で合格点を獲得したりするなど、精度の高さが度々話題になります。また、そのような質疑応答だけではなく、AIを活用して小説を書いている作家がいたり、ChatGPTが研究論文の著書に名を連ねていたりと、クリエイティブな働きも見せています。

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コンピュータ科学者のゲワーツ氏は、ゲワーツ氏の妻がWordPressベースのeコマースサイトを所持しており、毎月「Facebookの顧客グループから、ランダムな名前を選出する」という作業を有料の外部ツールを使って苦労していたことから、WordPressプラグインを作ってサイト内にインストールすることで、簡単に同じ作業を行えるのではと考えました。しかし、WordPressのプラグインを独自に作成するためには、単純なプラグインでも、ユーザーインターフェース要素やロジックコードの作成に数日かかるため、多忙であったゲワーツ氏には取り組むのが難しかったとのこと。

そこで、テキストベースでの自然な会話が可能なだけでなくコーディングも非常に得意としており、コーディングQ&Aサイトで一時的に禁止されたり、Googleのコーディング職の試験を受けると年収2400万円のレベル3エンジニアとして合格するとも報告されたChatGPTをゲワーツ氏は実験的に使用してみました。

ゲワーツ氏はまず、基本的なプロンプト(命令文)をChatGPTに入力することで、求める回答のために正しい質問ができるかを調査すると共に、ChatGPTが目的に関してうまく機能するかどうかを確認しました。ゲワーツ氏が「行のリストを貼り付けることができるテキスト入力フィールドと、クリックしたらリスト内の行をランダム化し、結果を2番目のテキスト入力フィールドに表示するボタンを提供する、PHP8互換のWordPressプラグインを作成」と入力したところ、以下の画像のようなコードが生成されました。このコードを拡張子「.php」のファイルにコピーし、正しいルート名のフォルダーに配置して圧縮し、妻の運用するサーバーにアップロードしたところ、実際に機能したそうです。


ゲワーツ氏はさらに、妻の要望に従って「ランダム選出に用いるルーレットで、同じ名前は固まらない」という条件や「空白行を無しにする」という命令を追加したり、入力フィールドと出力フィールドの行数を表示したりと、追加の作業を行いました。結果として、ゲワーツ氏は「ハッカーがサイトを破壊する可能性のあるデータを入力することを防ぐサニタイズを行えなかったり、要約行の位置が指定からずれていたりといった点はありましたが、全体的にコードの品質はきれいでした」と評価しています。一方で、今回ChatGPTに作らせたのはあくまでかなり単純なプラグインであることや、運用していく際に重要な「コードのメンテナンス」はChatGPTが苦手としていることなど、留意すべき点についても強調しています。

ゲワーツ氏がChatGPTを用いてプラグインを作成したことをツイートした際に、「AIが悪意のある情報をプラグインに埋め込む可能性がある」「本当に優れたコードなのか?」という懸念点がコメントされましたが、ゲワーツ氏はそれに対し「信頼できる人の精査が必要なのは人間に依頼する場合も同様です。また、コードは常に最高である必要はなく、十分なクオリティがあれば問題ありません。私が精査した限りでは、ChatGPTのコードは問題なく、十分に優れていました」と述べています。

また、「ChatGPTが十分なコーディングを行えるなら、人間の仕事を奪うかもしれない」という懸念に対しては、「ほぼ間違いなくそうなります」とゲワーツ氏は答えています。ゲワーツ氏自身も、自分がChatGPTに作らせたプラグインの優秀さに驚いており、「クライアントが優秀なプログラマーや卓越したライターのコードや文章を求めている限りは、AIが仕事を奪うまでには時間がかかります。しかし、生産性だけを求めるならばその限りではなく、私はその点を心配しています」と語っています。

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in Posted by log1e_dh

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