メモ

「解約は申込と同じくらい簡単にすべき」としてクリック一発でサブスク解約できる「Click to Cancel」の義務化をFTCが目指している、解約を複雑にする企業には罰則も


連邦取引委員会(FTC)は、サブスクリプションサービスの解約は申込みと同じくらい簡単であるべきだとして、クリックするだけでサービスの解約を可能にする「Click to Cancel」を義務化する規則条項を提案しました。提案された規則条項には消費者への返金も盛り込まれており、民事罰を伴って施行されるとのことです。

Federal Trade Commission Proposes Rule Provision Making it Easier for Consumers to “Click to Cancel” Recurring Subscriptions and Memberships | Federal Trade Commission
https://www.ftc.gov/news-events/news/press-releases/2023/03/federal-trade-commission-proposes-rule-provision-making-it-easier-consumers-click-cancel-recurring


“Click-to-cancel” rule would penalize companies that make you cancel by phone | Ars Technica
https://arstechnica.com/tech-policy/2023/03/click-to-cancel-rule-would-penalize-companies-that-make-you-cancel-by-phone/


今回FTCが発表した規則条項案は、FTCが1973年に制定したネガティブオプション規制の見直しにあたるもので、サブスクリプションやジムの会員権など、継続的に支払う必要があるケースでの問題に対応するためのものです。FTCは「化粧品から新聞、ジムのメンバーシップに至るまで、不要なサブスクリプションの支払いをキャンセルするための終わりなき闘争から消費者を救うのに大いに役立ちます」と述べています。


今回発表された規則条項案は以下の3つがポイントとなっています。

・シンプルな解約方法
消費者が望んだ時にサブスクリプション契約を簡単に終わらせられない場合、サブスクリプション契約は消費者がもう望まない製品の代金を請求し続けるための手段でしかなくなります。この問題に対処するため、本規則案では販売者に対して、少なくともサブスクリプションの購読を開始した時と同じくらい簡単に解約できるようにするこをと求めています。例えば、オンラインでの登録が可能であれば、同じウェブサイト上で同じステップ数で解約できるようにしなければなりません。

・サービスの追加をする前に尋ねる
この規則条項案では、消費者がサブスクリプションをキャンセルしようとした時に、販売者がサービスの追加や変更を提案することが認められています。ただし、そのような提案をする前に、販売者は消費者に「その提案を聞きたいかどうか」を尋ねることが義務付けられます。もちろん消費者が「いいえ」を選んだ場合は、ただちに解約手続きを進めなければなりません。

・リマインダーと確認
販売者は、物理的な商品以外を含むネガティブオプションプログラムに登録されている消費者に対し、自動更新される前に毎年リマインダーを提供することが義務付けられます。

特に「シンプルな解約方法」については、「Click to Cancel」規定というものが設けられています。規則条項案には「販売者は少なくともサービス登録に使用したのと同じウェブサイトあるいはウェブアプリ上でアクセス可能なキャンセルシステムを提供する必要がある」という規制のほか、「ユーザーが電話番号を使って登録できるようにした場合、少なくとも電話番号を提供し、その番号へのすべての電話が通常の営業時間内に応答可能になるようにしなければならない」「定期課金を開始するために使われるものと少なくとも同じくらいシンプルなメカニズムであるという要件を満たすため、解約にかかる電話代が入会にかかる電話代よりも高くなってはならない」といった要項も付け足されています。


つまり今回の規則条項案では、クリック一発でサブスクリプションなどに契約できるようにするのであれば、解約も同様にクリック一発でできるようにすることが企業側に義務付けられているというわけです。

さらに、提案された規則は民事罰を伴って施行されるとのことで、解約を複雑にする企業には罰金などが設けられ、徴収された罰金は被害を受けた消費者に返金する仕組みになるとのこと。


FTCのリナ・カーン委員長は「一部の企業が消費者を騙し、不要になったりそもそも契約していなかったりする定期購読の料金を支払わせるケースがあまりにも多くあります。この規則条項は、定期購読を申し込むのと同じくらい簡単に、定期購読をキャンセルできるように会社へ要求するものです。この規則条項で消費者は時間とお金を節約でき、定期購読で人をだましていた企業は厳しい罰則の対象となるでしょう」と述べています。

一方で、規則条項案の公開に唯一反対したクリスティン・ウィルソン委員は「潜在的な責任のために、消費者が好むネガティブオプションのプランの採用を思いとどまらせる可能性がある」と述べています。

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in メモ, Posted by log1i_yk

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