ネットサービス

MicrosoftがBingのチャットAIに広告を掲載予定と発表


Microsoftは2023年2月に検索エンジンのBingにチャットAIを実装しました。このチャットAIはOpenAIの大規模言語モデル「GPT-4」を採用しており、Windows 11のタスクバーSkypeといったツールにも統合されつつあります。そんなBingのチャットAIに、広告を実装予定であるとMicrosoftが発表しました。

Driving more traffic and value to publishers from the new Bing | Bing Search Blog
https://blogs.bing.com/search/march_2023/Driving-more-traffic-and-value-to-publishers-from-the-new-Bing


Microsoft’s Bing chatbot is getting more ads - The Verge
https://www.theverge.com/2023/3/29/23662476/microsoft-bing-chatbot-ads-revenue-sharing

MicrosoftがAIを統合した新しいBingとEdgeを発表して以来、検索を超えてAIを用いてユーザーを手助けするツールが市場に広まりつつあります。チャットAI統合版のBingが登場して以来、Bingのユーザー数は急増しており、3月には1日当たりのアクティブユーザー数が1億人を超えたことも明らかになりました。この新規ユーザーのうち、3分の1はBingを初めて使用するユーザーであり、「これは全く新しいビジネス機会である」とMicrosoftは指摘しています。

MicrosoftがChatGPTのアップグレード版AIを統合した新しい検索エンジンBingとブラウザEdgeを発表 - GIGAZINE


インターネット上では、パブリッシャーが優れたコンテンツを作成し、一般ユーザーがそのコンテンツを消費し、そのユーザーに対してターゲットを絞った高品質な広告を提供します。このダイナミクスが上手く機能すると、パブリッシャーは広告を通じてコンテンツの対価をユーザーから受け取り、ユーザーはコンテンツに無料でアクセスすることが可能となります。

検索エンジンはユーザーが自分の好みのコンテンツを見つけるのに役立ってきましたが、新しいBingのチャットAIにより、ユーザーの検索ニーズが大きく変化しつつあるとMicrosoft。ユーザーに無料でコンテンツを提供し続けるには、この新しい検索体験に沿った広告体験を構築することが重要であるとMicrosoftは考えているわけです。

Microsoftの目標は、新しい検索体験を通じてインターネット上に存在する個々のウェブサイトのトラフィックを増やすこと。これがMicrosoftの最大の目標であり、このために新しいBingやEdgeからウェブサイトにどれだけトラフィックを送れているかを測定しているとのこと。そして、Microsoftはパブリッシャーの収益を増やすことも計画しており、このためにBingに新機能を追加したり、新しい広告を構築したりすることが計画されています。


チャットAIはまだ市場に出てきたばかりですが、新しいBingのデータに基づくと、チャットAI目当てのユーザーが急増しており、そのユーザー層もかなり多岐にわたるそうです。そこで、MicrosoftはAIがチャットで提示した回答のソースになったウェブサイトのリンクを挿入することで、パブリッシャーへのトラフィックを促進しています。

さらに、7500を超えるMicrosoft Start(Microsoft運営のニュースフィードサービス)のパートナーブランドを含むパブリッシャー向けの追加機能も検討しているそうです。Microsoftは一部のパートナーブランドとアイデアの検討を行っており、パートナーにとって意味のあるトラフィックと収益をもたらすためのフィードバックを受けているとのこと。

Microsoftがパブリッシャーと検討しているアイデアの事例が以下。

パブリッシャーからのリンクにカーソルを合わせると、そのパブリッシャーからのより多くのリンクが表示される拡張ホバーエクスペリエンスが計画されています。これにより、ユーザーのエンゲージを増やすことが可能となり、その結果、パブリッシャーのウェブサイトへのトラフィックを増やすことができるようにあります。


この機能は記事作成時点で既に実装されています。


Microsoft StartのライセンスコンテンツをチャットAIの回答の横に配置することで、パートナーブランドと広告収入を共有することも計画されています。これはMicrosoft Startのコンテンツに対するエンゲージメント促進にもつながると目されます。また、チャットエクスペリエンスに広告を配置し、チャットの反応に貢献したパートナーブランドと広告収入を共有することも検討されている模様。

これらのアイデアはまだ構想段階に過ぎませんが、パートナー企業からは肯定的なフィードバックが寄せられているそうです。

この記事のタイトルとURLをコピーする

・関連記事
MicrosoftがChatGPTのアップグレード版AIを統合した新しい検索エンジンBingとブラウザEdgeを発表 - GIGAZINE

Microsoft BingのAIチャットには「ゲームモード」「友だちモード」など隠し機能が搭載されていると判明 - GIGAZINE

MicrosoftがBing AIに課した制限の緩和へ、会話の「トーン」を選べる新機能も - GIGAZINE

話題の「BingのチャットAI」をWindows 11のタスクバーに統合するとMicrosoftが発表、誇張しすぎではないかとの指摘も - GIGAZINE

SkypeにチャットAI搭載版Bingが統合されて色々質問可能になったので「GIGAZINEの歌」を作ってもらった - GIGAZINE

Bingの1日当たりのアクティブユーザー数が1億人を超えたとMicrosoftが発表 - GIGAZINE

人気急増のBingが利用しているAIは「GPT-4」だったとMicrosoftが明かす - GIGAZINE

in ネットサービス, Posted by logu_ii

You can read the machine translated English article here.