サイエンス

アメリカ疾病予防管理センター(CDC)の会合で新型コロナのクラスター発生、181人が陽性で回答者の70%はマスク非着用もワクチンの効果で入院患者はゼロ


2023年5月に新型コロナウイルス感染症の位置付けが日本では「5類感染症」へ移行し、世界保健機関(WHO)は緊急事態宣言を終了しました。しかし新型コロナウイルスの脅威は依然として残っており、沖縄では医療提供に影響がでるほどの感染拡大が報告されています。そんな中、アメリカの感染症対策の本丸ともいえるアメリカ疾病予防管理センター(CDC)の会合で新型コロナウイルス感染症のクラスターが発生したことが明らかになりました。

Update on Rapid Assessment of SARS-CoV-2 Transmission at 2023 EIS Conference | CDC Online Newsroom | CDC
https://www.cdc.gov/media/releases/2023/s0526-eis.html


CDCは2023年4月24日~27日にかけてジョージア州のホテルで感染症対策の専門家を養成する「Epidemic Intelligence Service(EIS)」の会合を実施しました。この会合には約1800人の参加者が集い、「プレゼンテーション」「1対1および小グループでの採用イベント」などが実施されました。

会合の会期末である2023年4月27日に数名の参加者から「新型コロナウイルスの陽性反応が出た」という報告が寄せらたことを受けて、会合の主催者らは参加者に対して感染の可能性を通達し、感染拡大を抑えるための措置を講じたとのこと。その後、CDCはジョージア州の公衆衛生局と協力して迅速評価チームを立ち上げ、会合参加者の感染状況を追跡しました。


迅速評価チームが2023年5月5日~12日にかけて感染状況に関するアンケート調査を実施した結果、会合参加者の80%以上に相当する1443人から回答を得られました。アンケートの集計結果は以下の通り。

・181人(13%)の回答者が新型コロナウイルスの陽性反応を報告
・陽性反応を報告した回答者のうち52%がこれまでで初めての感染だと報告
・1435人(99.4%)の回答者が新型コロナウイルスワクチンを少なくとも1回接種していた
・陽性反応を報告した回答者のうち49人(27%)が抗ウイルス薬を投与されていた
・回答者の70%がマスクを着用していなかった(会合は感染者の少ない時期に実施され、マスクの着用が推奨されていなかった)
・入院患者は0人だった

CDCはアンケート調査の結果を受けて「ほぼすべての回答者が新型コロナウイルスワクチンを接種しており、陽性を報告した回答者181人のうち入院した人は1人もいませんでした。この結果は新型コロナウイルス感染症による重篤な症状や死亡から人々を守るためにワクチン接種がいかに重要かを示しています」と述べ、新型コロナウイルスワクチン接種の重要性を強調しています。

なお、日本では2023年5月から「65歳以上の高齢者」「5~64歳の基礎疾患を有する人々」「医療従事者および高齢者施設の従事者」を対象とした「令和5年春開始接種」が始まっています。「令和5年春開始接種」に関する詳細は以下のリンク先で確認できます。

〔追加接種〕令和5年春開始接種についてのお知らせ|厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/vaccine_spring2023.html

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in サイエンス, Posted by log1o_hf

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