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連邦取引委員会がAmazonを独占禁止法違反で訴える予定であることが判明


Bloombergの調査により、Amazonマーケットプレイスでの販売手数料をめぐる反トラスト法)違反の疑いで、連邦取引委員会(FTC)がAmazonに対して「大規模な訴訟」を起こす準備をしていることが分かりました。

Amazon Major FTC Antitrust Case Expected in Coming Weeks - Bloomberg
https://www.bloomberg.com/news/articles/2023-06-29/amazon-major-ftc-antitrust-case-expected-in-coming-weeks


FTC prepares “the big one,” a major lawsuit targeting Amazon’s core business | Ars Technica
https://arstechnica.com/tech-policy/2023/06/ftc-prepares-the-big-one-a-major-lawsuit-targeting-amazons-core-business/

Bloombergが調査した資料と事情に詳しい3人の関係者によると、FTCの主な主張は「Amazonが自身の権力を利用して、自社のサービスを利用する販売者を有利に扱い、そうでない販売者には不利益を与えている」というものです。

Amazonというプラットフォームに商品を出品したり、顧客として商品を購入したりできる「Amazonマーケットプレイス」というサービスはAmazonにとって事業の中心ともいえる大きなサービスに成長しています。Amazonマーケットプレイスに参入する販売者はAmazonという巨大な市場で商品を販売することができるようになるものの、商品の販売手数料や商品の保管手数料、場合によっては輸送にかかる手数料など、Amazonマーケットプレイスを利用するにあたり数多くの手数料をAmazonに支払う必要があります。


Bloombergによると、具体的な情報は不明ながら、FTCは「Amazonマーケットプレイスを利用しない販売者にAmazonが不利益を与えている証拠」を集めており、消費者がワンクリックで商品をカートに追加できるシステム「今すぐ購入」に使われる「販売者を選択するアルゴリズム」を調査しているとのこと。

FTCがAmazonに対してかけている疑惑は、以前イギリス競争・市場庁欧州委員会がAmazonに対して実施した大規模な調査と重なるとBloombergは指摘。この両機関は、Amazonが自社サービスを利用する販売者を優位に立たせ、「今すぐ購入」のオプションに表示される販売者として優先的に割り当てていたのではないかという疑惑などを基に調査を進めていました。

Amazonが新たに反競争的慣行の疑いでイギリス競争・市場庁の調査を受ける - GIGAZINE


より早い段階で調査を行っていた欧州委員会に対し、Amazonは「今すぐ購入」のシステムに手を加えるなどの制限を課すという案を提示してひとまず合意に至ったことが報じられていますが、Bloombergは「FTCのリナ・カーン委員長はそのような妥協案には乗らないだろう」と指摘。というのも、カーン氏は法科大学院生時代にAmazonに対する厳しい批判論稿を執筆した人物として知られる、いわばAmazonの「天敵」ともいえる存在であり、2022年に行われた上院委員会でも「FTCは妥協案を強くはねのけるだろう」との見方を示して反対の姿勢を明らかにしているためです。

関係者は「FTCの調査官とカーン氏は数ヶ月前から訴状に磨きをかけており、提訴先などの重要な詳細を詰めている段階」と語っているとのこと。Bloombergが調査したところによると、FTCは少なくとも2019年からこの件に関する調査を行っており、非常に長い時間をかけて訴訟準備を進めていることがうかがえるとのことです。

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in ネットサービス, Posted by log1p_kr

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