アート

どう見ても合成写真にしか見えない日本の写真コンテスト特選作品は一体どのように撮影されたのか


2022年に実施された第39回「日本の自然」写真コンテストの特選作品「隔たり」が、実写なのに合成写真にしか見えない写真として注目を集めています。

第39回「日本の自然」写真コンテスト | 全日本写真連盟
https://www.photo-asahi.com/contest/1/878/result/1049/74894.htm

「日本の自然」特選作「隔たり」 SNSで世界に拡散 | 全日本写真連盟
https://www.photo-asahi.com/honbu/info/1896/

話題の写真「隔たり」は以下のもの。撮影者は全日本写真連盟埼玉県本部彩西支部副支部長の大野健一さん。画像左側には青い水面(みなも)が写り、右側にはオレンジ色の水面が写っています。青色とオレンジ色の境界線はほとんど直線で、境界線をまたぐようにシラサギが写っているため、実写と言われても合成写真に見えてしまいます。


選評では「どう撮ったのか、すぐには理解できない面白さがある」と評されています。

インパクトが強い不思議な写真。どう撮ったのか、すぐには理解できない面白さがある。無風の状態ゆえに撮れた1枚だ。わずかな違いで写真が大きく変わることを教えてくれる。人工物が入り込むと自然の撮影は難しいが、この場合は良い脇役になって写真を引き立てている。


「隔たり」が大きな話題となった後、コンテストを主催した全日本写真連盟は大野さんから提供された「答え合わせの写真」を公開しました。


以下が「答え合わせの写真」です。「隔たり」に写っている石と同じ形状の石が写っていることから、「隔たり」はこの場所で撮影されたと判断できます。


「隔たり」に写っている部分を赤枠で囲むとこんな感じ。この写真では水面は灰色ですが、壁がある部分を境に水面の色が変化していることが分かります。どうやら、晴天時に太陽の光が当たることで左側の水面は青色になり、右側の水面は壁の色が反射してオレンジ色になるということのようです。


しかし、仕組みを頭に入れた状態で再度「隔たり」を見ても、水面の色があまりにもクッキリ分かれていることや中央のシラサギの位置などが影響してすんなりとは理解できません。「どう撮ったのか、すぐには理解できない面白さがある」として特選に選出されるのも納得の出来栄えです。

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in アート, Posted by log1o_hf

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