サイエンス

睡眠時の最適な室温は高齢者の場合20度~25度でこれ以外だと睡眠効率が低下すると判明


睡眠の質を向上させるための要素の1つが、睡眠時の寝室の温度です。約1万1000件の睡眠データをもとにした調査により、高齢者にとって最高の睡眠をもたらすのは室温が20度から25度の範囲であることがわかりました。

Nighttime ambient temperature and sleep in community-dwelling older adults - ScienceDirect
https://doi.org/10.1016/j.scitotenv.2023.165623


Optimal Sleep Temperature: 68-77°F Ideal for Adults - Neuroscience News
https://neurosciencenews.com/optimal-sleep-temperature-23840/


マーカス老化研究所の研究者らは、ウェアラブル睡眠モニターと環境センサーを使用して、潜在的な交絡因子と共変量を制御しながら、参加者の自宅で長期間にわたり睡眠時間と睡眠効率、寝返り頻度などを評価しました。参加したのは高齢者50人、収集したデータは約1万1000夜分に上ります。

その結果、睡眠時の周辺温度が20度から25度の範囲のとき、最も効率的で安らかな睡眠になることが明らかになりました。


周辺温度が25度から30度に上昇した場合、睡眠効率は5%から10%低下したとのこと。なお、関連性は非線形で、参加者間で大きな変動があったそうです。

研究を主導したアミール・バニアサディ氏は結果について「この研究結果は、過程の温度環境を最適化することで高齢者の睡眠の質が向上する可能性と、個人のニーズや状況に応じた個別温度調整の重要性を強調しています」と述べました。

また、バニアサディ氏は「この研究は高齢者、特に社会経済的地位の低い高齢者における睡眠の質に対する気候変動の潜在的な影響を明らかにし、全国の都市で夜間の気温が上昇するにつれて、彼らの適応能力を高めることを支持するものです」と語っています。

今後、バニアサディ氏らは低所得の高齢者の睡眠に対する気候変動の潜在的な影響に焦点を当て、彼らの環境を最適化するための介入策を開発することで、研究を継続していく予定だとのことです。

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in サイエンス, Posted by logc_nt

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