フォートナイトの開発元のEpic Gamesが全従業員の16％に当たる830人の従業員を解雇することを発表

by Sergiy Galyonkin

人気オンラインゲーム「フォートナイト」などを展開するEpic Gamesが、現地時間2023年9月29日に全従業員の約16％に当たる約830人の従業員を解雇することや、2022年に買収したオンライン音楽プラットフォーム「Bandcamp」を売却すること、Epic Games傘下のSuperAwesomeをスピンオフさせることを発表しました。

Layoffs at Epic - Epic Games
https://www.epicgames.com/site/en-US/news/layoffs-at-epic

Songtradr acquires Bandcamp
https://www.songtradr.com/blog/posts/songtradr-bandcamp-acquisition

Epic Games Is Cutting About 900 Jobs, or 16% of Staff - Bloomberg
https://www.bloomberg.com/news/articles/2023-09-28/epic-games-is-cutting-about-900-jobs-or-16-of-staff#xj4y7vzkg

Report: Epic Games Cutting 900 Jobs, 16 Percent Of Its Workforce
https://kotaku.com/epic-games-store-fortnite-unreal-engine-layoffs-1850882501

Epic Gamesのティム・スウィーニーCEOは2023年9月29日に従業員に対し「Epic Gamesの全従業員の約16％に当たる約830人を解雇するとともに、Bandcampを売却し、SuperAwesomeの事業の大部分をスピンオフします」と発表しました。

発表の中でスウィーニー氏は「ここしばらく、Epic Gamesは収入を大幅に上回るコストをかけて将来への投資を行っていました。また、フォートナイトの人気が従来のバトルロイヤルモードよりも利益率の低いクリエイティブモードに移行したことで、収益モデルが変化してきました」と報告。また「私は長い間、従業員の解雇を行わずとも乗り切ることができると楽観視していましたが、振り返ってみると非現実的だったことが分かります」と述べ、「Epic Gamesの財政安定のためには人員削減が唯一の方法だという結論に達しました」と語っています。

同時にスウィーニー氏は、オンライン音楽プラットフォームのBandcampを音楽ライセンスプラットフォームのSongtradrに売却することを発表。海外メディアのRocknerdによると、SongtradrがBandcampを買収することで、これまでBandcampに楽曲を投稿してきたユーザーが、Songtradr経由でEpic Gamesをはじめとする他のゲーム制作会社などに自身の楽曲を売り込むことができるようになるとのこと。

また、Songtradrは、Bandcampを従来通りのアーティスト中心の収益配分を行う音楽プラットフォームとして運営していくことや、アーティストがフォートナイトなどの作品に自身の楽曲をライセンスできるようにする仕組みを構築するよう、Epic Gamesと共同で取り組んでいく事を報告しています。

さらに、Epic Gamesは傘下のSuperAwesomeをケイト・オーロリンCEOの下で独立させることを発表しました。SuperAwesomeは、未成年者がEpic Gamesが配信するゲームをプレイする際に、保護者による確認および同意を求めるプラットフォーム「Kids Web Services(KWS)」を提供していました。今回Epic Gamesから独立するのはSuperAwesomeの広告事業のみで、KWSはそのままEpic Gamesの一部として残ることになります。

今回Epic Gamesでの従業員削減の対象となった約830人のうち、およそ3分の2が主要製品の開発チーム以外の従業員でした。また、Bandcampの売却とSuperAwesomeの独立に伴う退職者の数は約250人とのこと。スウィーニー氏は「Epic Gamesでは今回の従業員削減に伴って一時的にリソース不足に陥ります。そのため、今後計画スケジュール通りにリリースできない製品も出るでしょうが、Epic Gamesがメタバース市場におけるトップ企業になる能力を維持するためには、このようなスケジュールのトレードオフも問題ありません」と述べています。