ネットサービス

Googleの広告チームが売上アップのために「Google検索結果の改悪を要請していた」との主張


Googleの独占禁止法違反を審理する裁判が2023年9月から始まっており、1998年のMicrosoft訴訟以来の大型訴訟とされている今回の裁判では、GoogleがiPhoneのデフォルト検索エンジンになるために支払った金額が明かされてAppleが抗議したり、重要な証言の大半が非公開となる異例の措置がとられていると指摘されたりと、さまざまな問題が法廷の内外を騒がせています。新たに、裁判資料として公開されたGoogleの内部メールが「売り上げノルマ達成のためにユーザー体験を悪化させる議論を示唆している」との意見が出て、SNSで盛り上がりを見ています。

問題の裁判資料は、あるXユーザーが2023年9月28日にポストした画像です。「広告チームが今年の目標を達成するために、検索結果の悪化を懇願している」とのキャプション付きで投稿された画像には、Googleの広告事業を率いるヴァイスプレジデント兼ゼネラルマネージャーのジェリー・ディシュラー氏が、製品管理担当ヴァイスプレジデントであるアニル・サバルワル氏に宛てた2019年のメールが掲載されています。


このポストは、記事作成時点で約51万回以上表示され、2700件近くの「いいね」が寄せられるなど注目を集めています。


メールの中でディシュラー氏は、検索数の不足により収益が2四半期連続でノルマ未達となっており、Chromeからの検索数を増やすことが急務だと訴えました。なお、トリミングされている部分などを含めたオリジナルの裁判資料は(PDFファイル)このリンクから見ることができます。

ディシュラー氏は検索結果を悪化させることには直接言及していませんが、「新しいタブで検索ボックス・アイコン・フィードの間の縦スペースを増やして検索をより目立たせることは可能でしょうか?」といった形で改善策についての意見を求めており、こうした提案が検索エクスペリエンスの悪化を望んでいることを示唆していると、あるXユーザーは指摘しました。


また、このポストを取り上げたソーシャルニュースサイト・Hacker Newsのスレッドでは、ディシュラー氏が言及した「ロールバック」も話題に上がりました。このロールバックが何を指しているのかは判然としていませんが、あるユーザーはスレッドに「私が有名な大手インターネット会社で働いていたとき、サイトが使いやすくなって広告の誤クリックが減ったという理由で、機能がロールバックされたことがあります」と書き込んで、Chromeのレイアウトの改善を元に戻すことを意味している可能性があるとの見方を示しました。

一方、元のポストに対しては「検索結果の悪化を要求している部分はどこにあるんでしょうか?未知のローンチが気に入らないため、その撤回を望んでいるように読めますが、そのローンチが何であったかは明らかではありませんし、ロールバックが行われた形跡もありません」と疑問を呈するリポストが寄せられているほか、Hacker Newsでも「このメールは『より悪い検索結果を求めている』のではなく、当時のGoogle Chromeの変更により検索量が減少したことを踏まえて、より多く検索されることを求めるものです」と指摘されており、Googleの広告チームが本当に検索結果の悪化を求めていたのかについては記事作成時点では不明となっています。

この記事のタイトルとURLをコピーする

・関連記事
Googleの独禁法違反訴訟は異例の「非公開裁判」になっているとの指摘 - GIGAZINE

「GoogleがiPhoneのデフォルト検索エンジンになるために支払った金額」が独禁法訴訟で言及されてAppleの弁護士が抗議 - GIGAZINE

司法省対Google訴訟を担当した裁判官が「Firefoxがウェブブラウザなのか検索エンジンなのか」さえ知らなかったとの指摘 - GIGAZINE

Googleが検索エンジン市場において独占禁止法に違反しているかどうかを巡る裁判がスタート - GIGAZINE

Googleは独占禁止法違反を隠すために「市場シェア」「囲い込み」「ネットワーク効果」などの発言を禁止するよう教育していた - GIGAZINE

in ネットサービス, Posted by log1l_ks

You can read the machine translated English article here.