レビュー

watchOS 10搭載・S9チップ採用のApple Watch Series 9はいったい何が進化したのか?実際に1週間つけてみた


Appleのスマートウォッチ「Apple Watch Series 9」が2023年9月22日に発売しました。同日発売のApple Watch Ultra 2と同じく、A15 Bionicがベースで処理速度と電力効率が向上したS9チップを採用しており、さらに2023年9月18日にリリースされたwatchOS 10をデフォルトで搭載しているとのことで、さっそく装着して1週間過ごしてました。

Apple Watch Series 9 - Apple(日本)
https://www.apple.com/jp/apple-watch-series-9/

今回装着したApple Watch Series 9はミッドナイトアルミニウムケースの41mm・GPS+セルラーモデルで、バンドはスポーツループ・サイプレスです。外観については以下の記事でレビュー済み。

ついに出たS9チップ内蔵&watchOS 10搭載のApple Watch Series 9フォトレビュー&セットアップまとめ - GIGAZINE


watchOS 10は前バージョンのwatchOS 9からUIを大きく刷新しました。Apple Watchのデジタルクラウンを1回クリックして表示されるアプリ一覧はこんな感じ。


そしてデジタルクラウンを回すとウィジェットが表示されます。アプリを開かなくてもウィジェットで情報にアクセスできるようになるというわけ。


デジタルクラウンをダブルクリックすると、立ち上げているアプリをさくっと切り替えることが可能。さまざまな情報へのアクセスが前バージョンよりも圧倒的に楽になったのがwatchOS 10の大きな特徴です。


watchOS 10で追加された新しい盤面は4種類。ダイナミックカラーを使用して文字盤のいろいろな要素が強調表示される「パレット」は、グラデーションが貼りの動きに追随し、秒針が文字盤を通過するにつれて変化します。


アナログ型のスタイルで、太陽の位置に応じて光と影が入れ替わる「ソーラーアナログ」


「スヌーピー」は文字通り盤面上にスヌーピーが表示されるデザイン。待機時は小屋の上にスヌーピーが寝ていて、アクティブになると何種類ものアニメーションでスヌーピーが動く様子を楽しめます。


「Nike グローブ」はデジタルベースの盤面で、Nikeモデルにマッチしたデザイン。球体が秒針の代わりをつとめます。


watchOS 10ではデフォルトアプリにも改良が加えられています。その中でも、「マインドフルネス」アプリでは、従来のヘルスケアに加えて「心の状態」を記録できるようになったとのこと。肉体的な健康だけではなく、精神的な健康も管理できるようになったというわけです。


「マインドフルネス」アプリを開くと、「心の状態」というボタンが追加されていたので、タップしてみました。


すると、今の瞬間、あるいは1日を通しての精神状態を記録できるようになっています。今回は「今現在どのように感じているかを記録してください」をタップ。


すると、心の状態を評価する画面が表示されました。デジタルクラウンを回して心の状態を「非常に快適」「快適」「やや快適」「普通」「やや不快」「不快」「非常に不快」から選びます。今回は「普通」に設定して、右上のチェックマークをタップ。


今度は今の心の状態にふさわしい単語を選択します。


選べる単語は「充足」「冷静」「疲弊」「穏やか」「無関心」「いら立ち」「ストレス」「幸せ」など。自分の気分に合った単語を選び、チェックマークをタップ。


今度は「一番大きく影響するもの」に当たる単語を選択。


選択肢は「ヘルスケア」「フィットネス」「趣味」「アイデンティティ」「交際」「タスク」「仕事」など。選んだらチェックマークをタップします。これで心の状態が記録されます。


iPhoneの「ヘルスケア」アプリを見ると、入力した心の状態をログとして見返すことができます。


watchOS 10によるソフトウェア的な進化だけではなく、Apple Watch Series 9はA15 BionicをベースとしたS9チップを内蔵することで処理能力が大きく向上しています。特にその処理能力向上によって恩恵を受けているのがSiriです。


従来のSiriはApple Watchがオンラインの状態でなければかなり処理が遅かったのですが、S9チップによってタイマーの起動やアプリの起動など、オンラインである必要がない機能であればSiriの処理がかなり高速化しているとのこと。以下のムービーでは、インターネットとiPhoneとの接続をオフにした状態のApple Watch Series 9でSiriに命令しているところで、オフラインの状態でもタイマーやボイスメモの起動がすぐに処理されます。これまで料理する時や休憩する時、Apple Watchでタイマーやアラームを音声で設定するという使い方をしていた人にとっては、Siriの処理が早くなったというのは地味ながらうれしいポイント。

S9チップを搭載したApple Watch Series 9ではSiriの処理が高速化 - YouTube


S9チップによって電力効率が上がってバッテリーの持ちが向上したとのことで、実際どれくらいバッテリーが持つのかを確かめてみました。バッテリーを100%まで充電した状態で、朝8時に装着。


そのままずっと装着し続けたところ、バッテリーが残り10%になったのは、次の日の12時16分頃。


さらに14時5分頃でバッテリーは残り5%に。だいたい30時間で95%のバッテリーを使ったことになります。


そこで腕から外して充電を開始。


充電開始から約30分で48%まで充電されました。


そして15時19分で100%に。だいたい1時間15分ほどで5%から100%まで充電できたことになります。


実際に使ってみると、Apple Watch Series 9は既存モデルよりも処理能力が高くなってバッテリーの持ちが向上しているものの、既存のモデルと比較してはるかに大きく進化した点はあまり見受けられませんでした。一番わかりやすかったのがSiriの応答速度の向上ですが、そもそもApple WatchでSiriを活用するケースがかなり限られるため、人によっては日常生活で使用する上でその恩恵を実感することがほとんどないかも。少なくともSeries 7やSeries 8を使っていて不満がなければ、新たに買い替える必要はないと感じました。

なお、iPhone 15を探す場合、より詳しく正確に調べられるという機能がAppleの新製品発表会で発表されましたが、記事作成時点だと日本ではApple Watch Series 9には用意されていないとのことで、ここは残念に感じました。


また、Apple Watch Series 9は指を動かすだけで操作できる「ダブルタップ」機能に対応したのが今回のアップデートで最も大きなポイントなのですが、記事作成時点ではまだ公開されておらず、2023年10月に予定されているwatchOS 10のアップデートで実装されるとのこと。実装されたらダブルタップ機能を試してみる予定なので、乞うご期待。


Apple Watch Series 9はAmazon.co.jpでも取り扱われています。今回レビューしたミッドナイトアルミニウムケースのGPS+セルラーモデルとスポーツループのセットは、41mmだと税込7万4269円で、45mmだと税込7万9168円で注文できます。

Amazon.co.jp: Apple Watch Series 9(GPSモデル)- 41mmミッドナイトアルミニウムケースとミッドナイトスポーツループ : ファッション


Amazon.co.jp: Apple Watch Series 9(GPSモデル)- 41mmミッドナイトアルミニウムケースとミッドナイトスポーツループ : ファッション

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in レビュー,   モバイル,   ソフトウェア,   ハードウェア,   動画, Posted by log1i_yk

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