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ウェブページだけでなく本・レコード・ビデオテープなどあらゆるメディアの保存に取り組む「Internet Archive」の物理アーカイブ倉庫を訪問した記録


ウェブページの過去の姿を確認するためにアーカイブサービス「Wayback Machine」を使った経験がある人は多いはず。Wayback Machineを提供する非営利団体「Internet Archive」はウェブページ以外に本やレコードなどの物理的な物品も保存しています。そんなInternet Archiveの物品保管倉庫に訪問した記録をジャーナリストのリチャード・マツマヌス氏が公開しています。

A Visit to the Physical Internet Archive - The New Stack
https://thenewstack.io/a-visit-to-the-physical-internet-archive/

Internet Archiveが公開しているコレクションの一部が以下。Internet ArchiveはウェブページやAndroidアプリなどの電子的な情報のほかに、書籍やレコードなどの物理的なメディアをスキャンしたデータもオンラインで公開しています。


Internet Archiveは「物理的に保有している物品」のスキャンデータのみを公開しているので、Internet Archiveが収集した物品はカリフォルニア州リッチモンドに位置する倉庫に保管されています。

マツマヌス氏はInternet Archiveの倉庫見学ツアーに参加しました。倉庫の外壁にはInternet Archiveのロゴが描かれています。


倉庫の内部には物品を詰め込んだコンテナが所狭しと並んでいます。写真に写る赤いシャツを着た男性はInternet Archiveの設立者であるブリュースター・ケール氏です。


Internet Archiveは寄付などによって物品を収集しており、書籍や映画フィルムなどが次々に倉庫へ送り込まれてきます。倉庫についた物品はすでにアーカイブ済みの物品と重複していないか確認された後、スキャンされてデジタルコピーがオンラインで公開されます。カール氏によると、Internet Archiveでは年間100万冊の書籍をデジタル化しているとのこと。膨大な書籍をデジタル化するためにInternet Archiveでは独自の書籍スキャンシステムが構築されています。

Internet Archiveは書籍以外のメディアでも独自のスキャンシステムを用いています。以下の写真は古いフィルムをデジタル化するために用いられているスキャンシステムです。


また、レコードのデジタル化にも高度なスキャン技術が用いられています。Internet Archiveによるレコードのデジタル化作業の様子は以下の記事に詳しくまとめています。

100年以上前のレコードをデジタル化するためにインターネット・アーカイブが用いる方法とは? - GIGAZINE


ケール氏はツアーの中で「1人当たり5ドル(約750円)の寄付を11万人から受け取り、Internet Archiveを支援する財団からも資金を受け取っている」と語り、Internet Archiveの財政事情を明らかにしたとのこと。また、Internet Archiveは財政難の状態が続いており、「サーバー室を冷やすためのエアコン設備がない」というギリギリの状態で活動しているそうです。

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in メモ, Posted by log1o_hf

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