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AI生成顔写真で人間になりすましたAIライターの記事を老舗スポーツメディアが掲載


AIの性能は日々進歩しており、大手メディアが記事作成に文章生成AIを導入した事例もあります。新たに、大手スポーツ関連メディアの「Sports Illustrated」が人間が作成したように見せかけたAI生成記事を公開していたことが明らかになりました。Sports IllustratedはAI生成記事の存在が報じられた後に当該記事を削除しています。

Sports Illustrated Published Articles by Fake, AI-Generated Writers
https://futurism.com/sports-illustrated-ai-generated-writers

Sports Illustratedに掲載されていたAI生成記事の例が以下。記事は「バレーボール初心者向けにオススメのボールを紹介する」という内容なのですが、「バレーボールを始めるには練習のための実際のボールがないと難しいかもしれない」「バレーボールを始めるには練習専用スペースとフルサイズのボールが必要だ」といった違和感のある文章が含まれています。


上記の記事の筆者紹介ページが以下。筆者はドリュー・オルティスという名前で、アウトドア活動に詳しい人物だと紹介されています。


しかし、海外メディアのFuturismは紹介ページで使われている顔写真がAI生成画像の販売サイト「Generated Photos」で販売されていることを発見しました。顔写真がAI生成画像であったことや掲載された記事の文章が支離滅裂だったことから、Futurismは「ドリュー・オルティスという名前のアウトドア好きの人物は実際には存在せず、Sports IllustratedがAIによる記事を人間による記事と偽って掲載していた」と指摘しています。


さらに、Futurismが問題の記事を発見した後に記事を再確認したところ、いつの間にか筆者がドリュー・オルティスからソラ・タナカに入れ替わっていたとのこと。ソラ・タナカの紹介ページにはドリュー・オルティスと同様に本物の人間のような紹介文が掲載されています。


しかし、ソラ・タナカの顔写真もGenerated Photosで販売されているものでした。


記事作成時点では、Sports Illustratedは問題の記事および筆者紹介ページを削除しています。また、Futurismが上記の問題を報じた後、Sports Illustratedは「当該記事は提携企業のAdVon Commerceが作成したものである」「AdVon Commerceは記事が人間によって作成されたものであることを保証していたが、問題が確認されたため関連コンテンツを削除した」という声明を発表しています。

Futurismは「Sports Illustratedが記事がAIによるもと認識していたか否かは分からないが、これらのAIコンテンツは数多くの賞を受賞してきたSports Illustratedの失墜を示している」と述べています。

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in ネットサービス, Posted by log1o_hf

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