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Figma買収を狙うAdobeが「Creative CloudパッケージにFigmaを入れない」「競合のAdobe XDを売却」などを規制当局に提案との報道


Figmaの買収は独占禁止法に違反する恐れがあるとEUイギリスの規制当局から非難されているAdobeが、買収を実現させるための妥協案を模索していることが判明しました。

Adobe Races to Prepare Plan to Save Figma Deal From EU Veto - Bloomberg
https://www.bloomberg.com/news/articles/2023-11-29/adobe-races-to-prepare-plan-to-save-figma-deal-from-eu-veto


海外メディア・Bloombergは2023年11月30日に、AdobeによるFigma買収に詳しい関係者の話として、「AdobeがEUの規制当局の懸念に対処するための提案書の作成を急いでいる」と報じました。

極秘事項のため匿名を希望した関係者によると、最初の提案には「FigmaをAdobeのCreative Cloudパッケージに組み入れない」という約束や、「Figmaと競合する製品であるAdobe XDを売却する可能性」などが含まれているとのこと。


AdobeとFigma両社の幹部と弁護士は、2023年12月8日にブリュッセルで開催される非公開の公聴会に出席し、この提案についてEU当局と協議する準備を進めています。

Figmaを買収することで、Adobeはクリエイティブソフトウェア市場における首位の座を盤石なものにすると見られていますが、EUとイギリスの規制当局からの厳しい対応に直面しています。また、買収阻止に動くかはまだ決定されていませんが、アメリカの規制当局もこの取引を1年以上にわたって調査しています。


Bloombergの独占禁止法訴訟担当アナリストであるジェニファー・リエ氏によると、欧米の規制当局は過去にAlphabetやMetaが行った同様の取引を審査する際に多くの譲歩を引き出せなかったことを痛恨しており、これまで以上に将来へのイノベーションへの悪影響に敏感になっているとのこと。そのため、Adobeが規制当局を味方につけるのは容易ではないとリエ氏は指摘しています。

リエ氏は、イギリスの競争・市場庁(CMA)がMicrosoftによるActivision Blizzard買収を構造的な修正案が出るまで認めなかったことを引き合いに出して、「彼らは真剣に注視しています」と話しました。


Adobeはコメントの要請に応じませんでした。また、Figmaは「私たちは引き続き買収にコミットするつもりで、事実に自信を持っており、Adobeと統合する提案は消費者にとって勝利であり承認されるべきであると確信しています」と述べました。

EUと水面下で交渉した後、Adobeは2023年12月下旬までに反トラスト部門に正式な提案を提出する予定で、EUは2024年2月5日までに最終決定を下すことになっています。

また、両社は12月中旬にCMAと直接面談し、買収を審査する独立調査委員会に提案を行う、いわゆる「救済ヒアリング」を行うとのこと。CMAの最終決定は2024年2月25までに行われます。

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in ソフトウェア,   デザイン, Posted by log1l_ks

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