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フォートナイトをフルHD・120fps超えで動かせるGPU内蔵CPU「Ryzen 8000G」シリーズの海外レビューまとめ


AMDのGPU内蔵CPU「Ryzen 8000G」シリーズが2024年2月2日に発売されます。Ryzen 8000GシリーズはZen 4アーキテクチャのCPUとRDNA3アーキテクチャのGPUを組み合わせたAPUで、AMDは重量級ゲームを1080pで快適に動作させられるとアピールしています。そんなRyzen 8000Gシリーズを一足先に入手した海外メディアがレビュー記事を公開していたので、各種性能をまとめてみました。

AMD Ryzen 7 8700G and Ryzen 5 8600G Review: Zen 4 APUs with RDNA3 Graphics
https://www.anandtech.com/show/21242/amd-ryzen-7-8700g-and-ryzen-5-8600g-review/

AMD Ryzen 5 8600G review: The ultimate budget-friendly CPU is here | Windows Central
https://www.windowscentral.com/hardware/cpu-gpu-components/amd-ryzen-5-8600g-review

AMD Ryzen 7 8700G Review: Most Powerful Integrated Graphics | TechSpot
https://www.techspot.com/review/2796-amd-ryzen-8700g/

◆ラインナップ
Ryzen 8000Gシリーズは「Ryzen 7 8700G」「Ryzen 5 8600G」「Ryzen 5 8500G」「Ryzen 3 8300G」の4種類が存在。各モデルのスペックは以下の通りです。海外メディアは上位モデルのRyzen 7 8700GとRyzen 5 8600Gを中心にレビューしています。

モデルRyzen 7 8700GRyzen 5 8600GRyzen 5 8500GRyzen 3 8300G
コア数8664
スレッド数1612128
ベース周波数4.2GHz4.3GHz3.5GHz3.4GHz
ブースト周波数最大5.1GHz最大5.0GHz最大5.0GHz最大4.9GHz
合計キャッシュ容量24MB22MB22MB12MB
グラフィックRadeon 780MRadeon 760MRadeon 740MRadeon 740M
TDP65W65W65W65W
NPUありありなしなし
希望小売価格329ドル(約4万8000円)229ドル(約3万4000円)179ドル(約2万6000円)不明


◆各種ベンチマーク結果
AnandTechがRyzen 7 8700GとRyzen 5 8600Gを搭載したマシンでベンチマークソフト「Cinebench R23」を実行した結果が以下。シングルスレッドテストではRyzen 7 8700Gが1698点でRyzen 5 8600Gが1760点でした。シングルスレッド性能では下位モデルのRyzen 5 8600Gが上位モデルのRyzen 7 8700Gをわずかに上回っています。


マルチスレッドテストではRyzen 7 8700Gが1万7539点、Ryzen 5 8600Gが1万3424点でした。どちらのモデルも前世代モデルを上回るスコアを記録しています。


AVIエンコードを実行した際の秒間処理フレーム数を比較したグラフが以下。Ryzen 7 8700Gは秒間417.02枚、Ryzen 5 8600Gは秒間349.31枚の処理が可能でした。Ryzen 5 8600Gは前世代上位モデルのRyzen 7 5700Gを上回る性能を記録しています。


Windows Centralが「Geekbench 6」を実行した結果はこんな感じ。Ryzen 7 8700Gのシングルコアスコアは2765点でマルチコアスコアは1万4383点。Ryzen 5 8600Gのシングルコアスコアは2589点でマルチコアスコアは1万504点です。


◆ゲーミング性能
1080pで「サイバーパンク2077」を中品質設定でプレイした際の平均フレームレートが以下。Ryzen 7 8700Gは27.4fpsで、Ryzen 5 8600Gは22.7fpsです。30fpsを切るため、快適とは言えなさそう。ただし、Ryzen 7 8700Gは超解像機能「AMD FidelityFX Super Resolution(FSR)」を有効化すれば37.2fpsで遊べるようです。


TechSpotはRyzen 7 8700Gで複数のゲームをプレイして平均fpsと最低fpsを報告しています。「バルダーズ・ゲート3」は1080p・低品質設定で平均49fpsでプレイできたとのこと。前世代のRyzen 7 5700Gは平均20fpsだったため、大きな進歩と言えます。


「Counter-Strike 2」を1080p・中品質設定でプレイした場合、Ryzen 7 8700Gの平均フレームレートは119fpsでした。60Hzモニターならかなり快適に遊べそうです。


「フォートナイト」は1080p・低品質設定で平均132fps。画質は低くなるものの、120Hzモニターの性能を十分に引き出しながらプレイ可能です。


◆AI性能
Ryzen 7 8700GとRyzen 5 8600GにはCPUやGPUに加えてNPUも内蔵されています。しかし、AnandTechによると記事作成時点ではAMDのNPUを有効に活用できるベンチマークツールは存在しないとのこと。そこで、AnandTechはNPUに依存しない性能検証を実施しています。

機械学習ライブラリ「TensorFlow」で画像を処理する速度を測定した結果が以下。Ryzen 7 8700Gは秒間9.06枚、Ryzen 5 8600Gは秒間7.31枚の画像を処理しており、前世代モデルの2倍以上の性能を発揮しています。


ベンチマークソフト「UL Procyon」の推論性能測定モードを実行した結果が以下。Ryzen 7 8700Gは推論回数が8万9650回、Ryzen 5 8600Gでは9万5541回でした。


◆消費電力
APUが「Ryzen 7 8700G」、マザーボードが「Asus ROG Strix B650-A Gaming WiFi」、メモリが「32GB DDR5-6400」という構成のマシンで消費電力を測定した結果が以下。アイドル時は41W、Cinebenchのシングルスレッドテスト中は79W、マルチスレッドテスト中は131W、「Marvel's Spider-Man Remastered」のプレイ中は148Wでした。


なお、Ryzen 8000Gシリーズは日本では2024年2月2日11時に発売予定です。

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in ハードウェア, Posted by log1o_hf

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