Samsungが2023年第4四半期の決算を発表、売上高は前年同期比3.8％減で営業利益は34％減も第3四半期からは改善したとの見方

Samsungが2023年第4四半期(10月1日～12月31日)決算を発表しました。売上高は前年同期比で3.8％減少し、営業利益も前年同期比で34.57％減少したものの、課題となっていた半導体分野の需要は低迷から脱出したという見方を示しています。

Samsung Electronics Announces Fourth Quarter and FY 2023 Results – Samsung Global Newsroom
https://news.samsung.com/global/samsung-electronics-announces-fourth-quarter-and-fy-2023-results

Samsung Electronics Q4 2023 earnings report
https://www.cnbc.com/2024/01/31/samsung-electronics-q4-2023-earnings-report.html

Samsung's chip unit narrows loss in Q4 in sign of improvement - Nikkei Asia
https://asia.nikkei.com/Business/Tech/Semiconductors/Samsung-s-chip-unit-narrows-loss-in-Q4-in-sign-of-improvement

Samsungの2023年第4四半期の売上高は前年同期比3.8％減の67兆7800億ウォン(約7.5兆円)で、営業利益は前年同期比34.57％減の2兆8200億ウォン(約3000億円)でした。これにより、2023年の通年の売上高は前年比で14.3％減の258兆9400億ウォン(約28兆6500億円)、営業利益は前年比84.9％減の6兆5700億ウォン(約7300億円)となりました。

また、2023年の設備投資額はデバイスソリューション部門(旧半導体部門)の48兆4000億ウォン(約5兆3500億円)、サムスンディスプレイの2兆4000億ウォン(約2700億円)を含む、総額53兆1000億ウォン(約5兆8700億円)に達したと報告しています。

2023年はインフレの影響で消費者がスマートフォンやPCを買い控える傾向が強まったことに加え、パンデミック中に企業が備蓄したチップ在庫が過剰になったことで、メモリチップ価格が大幅に急落しました。これによりSamsungの半導体事業も大きな打撃を受け、半導体部門の2023年第4四半期の売上高は21兆6900億ウォン(約2兆4000億円)となり、営業損失は2兆1800億ウォン(約2400億円)に達しました。

しかし、半導体市場は第4四半期全体で改善傾向にあり、世界のPC市場は第4四半期で前年同期比3％増の緩やかな成長を記録したほか、IT業界全体における生成AIへの投資によってサーバー需要も回復の兆しを見せているとのこと。Samsungは、金利政策や地政学的な問題はありつつも、2024年も半導体市場は回復を続けると予想しています。

また、モバイル事業とネットワーク事業の2023年第4四半期売上高は25兆400億ウォン(約2兆7700億円)、営業利益は2兆7300億ウォン(約3000億円)でした。第4四半期のスマートフォン売上高と営業利益は第3四半期から減少しましたが、これは第3四半期にフラッグシップモデルが発売された影響だとのこと。

市場調査会社のIDCによると、2023年度のスマートフォン市場シェアはAppleが20.1％を獲得して首位に躍り出た一方、19.4％のシェアにとどまったSamsungは2010年以来の首位転落となりました。しかしIDCのデバイスリサーチ担当ヴァイスプレジデントであるブライアン・マー氏は、「その一因はスマートフォン市場が高価格帯にシフトしたためです。Appleが好調だったのは、Samsungが高価格帯に力を入れているからです」と述べ、Samsungのスマートフォンの平均販売価格は2020年から2023年にかけて約100ドル(約1万5000円)上昇したと指摘しました。

AppleがSamsungを抑えついにスマホ市場シェア1位に躍り出る - GIGAZINE

2023年はSamsungにとって苦しい1年となりましたが、メモリチップ価格が底値から回復したほか、高価格帯スマートフォンの販売が好調だったため、第4四半期の売上高と営業利益は第3四半期から改善されたとのこと。2024年も世界的なマクロ経済の不確実性が続くとみられますが、Samsungは半導体市場やIT需要は今後も回復を続けると考えており、「2024年上半期の利益は緩やかな改善を示し、下半期にはさらに大幅な改善がみられると予想しています」と述べました。