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基本プレイ無料のゲームで有料スキンを購入していない子どもがいじめられていることが最新の調査で明らかに


基本プレイは無料で、ゲーム中に操作するキャラクターの見た目を変えるスキンなどのゲーム内アイテムを有料で販売して収益を上げるゲームが増えています。この種の基本プレイ無料のゲームでは、有料のアイテムやスキンを購入していない子どもがいじめの対象になっていることが、最新の研究により明らかになりました。

Fear being bullied: Children pay to become popular in video games
https://partner.sciencenorway.no/bullying-children-and-adolescents-computer-games/fear-being-bullied-children-pay-to-become-popular-in-video-games/2307469


New Study Suggests Kids Are Now Experiencing Social Pressures to Buy In-Game Items
https://patrickklepek.substack.com/p/new-study-suggests-kids-are-now-experiencing

Kids Bullied For Not Buying Skins In Fortnite, Roblox, Warzone
https://kotaku.com/study-fortnite-free-to-play-games-kids-bullied-f2p-1851291618

ノルウェーにあるオスロメトロポリタン大学の研究者であるカミラ・クヌッセン・スタインズ氏とクララ・クリア・ライヒ氏は、ノルウェーの児童家族省から「ゲームにおける金銭の影響」を調査するという任務を請け負いました。


スタインズ氏らはこの調査の重要性について、「子どもの仮想世界内の社会力学についてはまだまだ学ぶべきことが多くあります。実際、世界中の政府や政策立案者が規制の観点からこの話題に関心を示しています。ゲームは子どもたちの日常生活の重要な部分を占めていますが、ノルウェーにおける若者のデジタル消費に関する研究はほとんどありません」と語っています。

スタインズ氏らの調査によると、子どもにとってはオンラインの世界とオフラインの世界の間に明確な区別は存在しないそうです。そのため、調査報告には「ゲームは子どもがナビゲートする社会世界の異なる部分に過ぎず、外見、つまりはスキンは重要なアイデンティティマーカーとなります」と記されています。


調査対象となった13歳のフランクさんは、「ゲームで誰とも遊ばないと、学校で話すことが何もなくなってしまいます」とゲームの重要性について語りました。

調査報告では、「同調圧力は他の状況ですでに起こっていることと似ていますが、ゲームの世界では新しい形をとっています」「一部の子どもたちは友達と遊ぶためのリソース(Wi-Fi、ゲーム機、ゲーム内通貨など)が不足すると疎外されていると感じたり、使用しているスキンに基づいていじめられたりする可能性があります」とも記されています。

子どもたちにとってのゲームを他のレジャー活動と比較すると、重要な違いがあります。例えば、サッカーでは子どもたちは通常、特定の物理的状況内(例:サッカーコート)で限られた時間(例:トレーニングセッション中)だけ、サッカーシューズの広告などの商業コンテンツにさらされることがあります。しかし、ゲームでは帰属意識や個性を感じたいという子どもたちのニーズをターゲットに、さまざまなカスタマイズされたマーケティング戦略が展開されているとスタインズ氏らは主張。さらに、ゲームはさまざまな欺まん的なデザイン戦略(ダークパターンなど)を採用しており、これらに対する規制が欠如しているとも指摘しました。

実際、基本プレイ無料のフォートナイトがダークパターンを駆使して「親の関与なしで子どもたちに意図しないゲーム内アイテム購入をさせた」として、連邦取引委員会から2億4500万ドル(約370億円)の罰金の支払いを命じられています。

フォートナイトが約330億円の罰金支払いを「ダークパターンを利用して子どもに意図しないアイテム購入をさせた」との理由で命じられる - GIGAZINE


また、スタインズ氏らの調査では、一部の子どもたちがスキンなどのゲーム内アイテムを入手するためにリアルマネーを使用していることに気付いていないことを発見しています。これは基本プレイ無料のゲームであるフォートナイトやRobloxがお金を使ってゲーム内アイテムを購入していることを意図的にわかりづらくしている証拠であるとも指摘しました。

ただし、子どもたちが有料アイテムへの対策を一切講じていないというわけではありません。一部の子どもたちは「ゲーム内のアイテムショップを開かない」「ゲームを遊ぶ代わりに家事をする」など、有料アイテムから身を守るためにさまざまな戦略をとっていることも明らかになっています。

スタインズ氏は「ノルウェーでは実際のカジノでのギャンブルに年齢制限があり、厳しく規制されています。しかし、同じようなリアルマネーが絡むギャンブル要素を有しているにもかかわらず、ゲームにはほとんど規則や制限がありません。このような状況は今後数年で変わる可能性が高いため、ゲーム開発者は特に子ども向けゲームのギャンブル要素について、より多くの規制に従う必要性が出てくることとなるでしょう」と語りました。


この他、ゲームおよび有料アイテムに対する親の知識が非常に多様であることも明らかになっています。一部の親は自分の子どもにゲームを紹介したり、一緒に遊んだりしていますが、中にはゲームが作り出す社会的価値に懐疑的であったり、子どもがゲーム内アイテムを購入することを制限していたりする親もいる模様。また、調査ではゲーム内でいじめやハッキングを受けた子どもが、親に助けや指導を求めるケースも確認できたそうです。

なお、過去にはゲームメディアのPolygonが「フォートナイトを初期スキンのままプレイしている子どもがいじめられている」と報じていました。

基本プレイ無料のフォートナイトで初期スキンのままプレイする子どもがいじめられている - GIGAZINE


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in ゲーム, Posted by logu_ii

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