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イスラエル当局が「Googleフォト」等を利用してパレスチナ人の大規模監視を行っていたことが明らかに


イスラエルの軍事諜報部門がガザ地区で実験的な顔認識プログラムを展開し、人工知能プログラムを用いて指名手配犯を捜索していることが明らかになりました。軍は民間企業の技術のほか、Googleフォトも利用していると報じられています。

Israel Deploys Expansive Facial Recognition Program in Gaza - The New York Times
https://www.nytimes.com/2024/03/27/technology/israel-facial-recognition-gaza.html


2024年3月27日、ガザ地区から出ようとして突然拘束されてしまったパレスチナ人のエピソードをニューヨーク・タイムズが報じました。報道によると、イスラエル軍は顔認識技術を導入した監視システムを導入しており、人工知能プログラムによって誤って無関係な人を指名手配犯だと見なしてしまったとのこと。この報道によりイスラエル軍が大規模な顔認識プログラムを実施していることが初めて明らかになり、プライバシー上の懸念があるとして非難の声が上がっています。

情報筋によると、顔認識プログラムは当初、2023年10月に国境を越えたハマスの襲撃があった際、ハマスの人質となったイスラエル人を捜索するために使用が開始されたものだそうです。イスラエルがガザ地区に対する攻撃を始めてからはハマスや他の過激派グループとつながりのある人物を根絶するために利用されているとのことで、記事作成時点までに数百人が摘発されていると報じられています。


顔認識プログラムはイスラエルの民間企業であるCorsightの技術に依存しているほか、Googleフォトを利用してシステムを補完しているとのこと。イスラエルのある将校は「Googleの顔認識は顔の一部しか見えなくても人物を特定できるもので、他の技術より優れている」と語ったといいます。

しかし、パレスチナ人の顔を同意なしに収集してカタログ化する行為に対し、人権団体からは「人間を人間と見なさなくなる行為につながる可能性がある」と非難されています。また、顔認識プログラムの誤検知により無関係な人が拘束される事態も発生していることからも、プライバシーや安全上の懸念があると見なされています。

イスラエル軍の広報担当者はガザ地区での活動についてコメントを避け、「軍は無関係の住民への被害を最小限に抑えるために多大な努力を払いつつ、必要な安全確保と諜報活動を行っている」とだけ述べました。


顔を含む生体情報は、一般的に外国へ出入りするテロリストを監視するために(PDFファイル)用いられることがあります。2002年~2003年には、アフガニスタンとイラクにおいてISILの関係者を拘束するためにアメリカによって生体情報が収集されましたが、アメリカを含む西側諸国が構築した生体情報監視システムがタリバンに乗っ取られ、数千人のアフガニスタン人が危険にさらされているとも指摘されています。

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in Posted by log1p_kr

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