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人食いヒグマを「生体認証ドローン」で追跡して駆除することに成功


現地時間の2024年3月17日、スロバキアでヒグマが5人を襲うという事件が起きました。スロバキア当局は生体認証ドローンを用いてこの人食いヒグマを追跡し、地元の狩猟者と協力して駆除することに成功したと発表しています。

Watch: Brown Bear 'Successfully Shot Down' After Terrorizing Slovak
Village | Outdoor Life

https://www.outdoorlife.com/survival/video-brown-bear-attacks-slovakia/


Rampaging bear shot dead after injuring five people | The Independent
https://www.independent.co.uk/news/world/europe/bear-slovakia-shot-dead-liptovskom-mikulasi-b2519516.html

2024年3月17日、スロバキア北部ジリナ県の都市であるリプトフスキー・ミクラーシュで、ヒグマが人間を襲うという事故が起きました。クマは通りを歩いていた人々を襲い、5人が負傷しました。スロバキア人のドッグブリーダーであるマリカ・トルンコヴァ・ビズボヴァ氏が、リプトフスキー・ミクラーシュの街中を走り回る人食いヒグマの様子を収めた動画をFacebook上に投稿しています。


ビズボヴァ氏が投稿した動画の、ヒグマが歩道を走るシーン。


静止画になるとかなりわかりづらいですが、ヒグマが人間に襲い掛かる瞬間も収められています。


3月18日にはヒグマの襲撃で1人が死亡し、少なくとも2人が入院することになったことが明らかになっています。なお、3月15日にはベラルーシ人女性がリプトフスキー・ミクラーシュの近くのタトラ山脈でヒグマに襲われて死亡するという事故が起きたばかりでした。この事故は2021年以来初めてのヒグマによる死亡事故であったため、リプトフスキー・ミクラーシュの事件は注目を集めることとなっています。

リプトフスキー・ミクラーシュの広報担当者であるヴィクトリア・カプシコワ氏は、Barron'sに対してヒグマに襲われたのは10歳の少女、32歳の男性、49歳の女性、58歳の女性、72歳の男性であることを認めました。また、カプシコワ氏は「クマは町の中心部で約20分間過ごし、5人を襲い、森の中に逃げ込んだ」と語っています。

その後、スロバキアのとマーシュ・タラバ環境大臣が2024年3月28日にFacebookを更新し、人食いヒグマの駆除に成功したことを報告しました。地元の狩猟者と警察官で構成されたパトロール隊がリプトフスキー・ミクラーシュの近くの森でヒグマを発見し、これが3月17日にリプトフスキー・ミクラーシュで5人を襲ったヒグマであるかどうかを確認するために、生体認証ドローンを利用したと説明しています。報道によると、駆除された人食いヒグマは体重150ポンド(約68kg)の3歳のメスだったそうです。


スロバキアで起きた人食いヒグマによる事件は、ヨーロッパにおけるヒグマの管理方法をめぐる論争を引き起こしています。ヨーロッパのほとんどの国では依然としてヒグマが保護種として扱われていますが、カルパティア山脈全域でヒグマの個体数が増え続けていることから、スロバキアでは大統領を含む複数の政治家がヒグマの保護解除を求めています。また、スロバキアの環境省はルーマニアと共にヒグマの扱いを再分類することを提案する文書をEUに提出することを発表しました。

なお、スロバキアには1000~1300頭のヒグマが生息していると推定されており、2018年にノルウェーで発表された別の研究では、2000~2016年にかけてノルウェーで54件のクマによる襲撃事件があったと報告されています。ノルウェーでは2021年に1世紀以上ぶりにヒグマによる死亡事故も報告されており、この事故が起きたノルウェーのリプトフスカ・ルズナはスロバキアのリプトフスキー・ミクラーシュからわずか48kmの距離にある村です。

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in 生き物,   動画, Posted by logu_ii

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