世界各地で祝われる旧正月(太陰暦の正月)には、例年、人の移動が地球最大規模で発生する。欧米ではChinese New Year(中国節)と呼ばれることもあるが、これは中国だけの祝日ではない。2024年は2月10日にあたる旧正月は、家族が再会し、おなかいっぱい食べ、にぎやかにお祝いをする伝統の行事だ。
春節の起源
現代の中国では、実際には、世界の大半の国々と同じくグレゴリオ暦が使われている。しかし祝日に関しては、およそ4000年前から使用されていたとされる、伝統的な太陰暦に従っている。1912年、建国されたばかりの中華民国がグレゴリオ暦を正式に採用したとき、指導者たちは太陰暦の正月を「春節」として、今日の中国で知られているような祝賀を行うようになった。
太陰暦は月の満ち欠けの状態によって決まるため、正月の日付は年によって異なる。旧正月を祝う国は、中国のほか、韓国やベトナム、シンガポール、インドネシア、マレーシア、その他中国人の多い地域でも旧正月を祝う。お祝いのやり方は国によってさまざまではあるものの、共通しているのは、これが再会と希望の祝祭であることだ。(参考記事:「ベトナム、旧正月を祝う花」)
旧正月のお祝い
中国では春節前後の期間に、いくつもの小さなお祭りや儀式がある。旧正月の前後7日間の国の祝日となっており、大晦日には、家族や親戚が集まって大勢で夕食をとりながらお祝いする。これは一年で最も大切な食事と考えられており、親戚の中でいちばんの高齢者の家で行われる。