東大生作家、西岡壱誠氏が語る「大学受験」のコツ 科目横断的視点がなければ受験に対応できない

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にしおか・いっせい/1996年生まれ。東京大学受験3年目に独自の勉強法を開発、成績を急上昇させ合格。2020年に教育系ベンチャーのカルペ・ディエムを設立。高校生に思考法・勉強法を教え、教師に指導法のコンサルティングを行う。著書に『東大読書』など多数(撮影:尾形文繁)
偏差値35から東京大学に合格した読書術を紹介してベストセラーになった『東大読書』。その筆者である西岡壱誠氏は、自身のノウハウを全国の生徒や教師にも惜しむことなく教えている。
受験勉強や大学での学びを通して得られることや、志望校を選ぶコツは何か。西岡氏に聞いた。

「第1志望校」を掲げ続けよ

──西岡さんはテレビ番組の企画でタレントの小倉優子さんの受験指導をしています。彼女は早稲田大学教育学部という高い目標を掲げています。

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第1志望校を掲げ続けることが大事。私が教える生徒でも、早い時期に第1志望のランクを下げたいという子がいる。志望校を一度下げると、相対的に自分の偏差値が上がったように錯覚し、志望校をさらに下げていくこともある。

昔、「囚人の穴掘り」という刑罰があった。「穴を掘れ」と命じられて土を掘ると、今度は「その穴を埋めろ」と指示される。これを繰り返されるのは何よりの拷問。

勉強も同じで、目的がわからないことを続けるのはすごくつらい。高校1・2年生の中には志望大学や学部を決めずにとりあえず勉強しようという子も多いが、それでは成績が伸びにくい。

──では、志望校はどのように選んだらよいですか。

キャンパスが格好いいなど、自分が少しでも興味を引かれる大学・学部をまず決めてみる。その際の情報として有用なのはアドミッション・ポリシー(入学者の受け入れ方針)など大学が発信する情報だ。

これを読めば、大学・学部がどのような人を求めているか、その学部でいったい何ができるのかがわかる。オンラインでのオープンキャンパスなどもあり、情報自体はたくさんある。ただ、自分から情報を取りに行くという姿勢があまりない高校生が多い。

私がよくお勧めするのは、中高生向けに書かれているようなやさしい新書を読むこと。面白いと思うものがあったら、著者を確認する。著者が大学教員である場合もあるし、どのような学問を学んだ人なのか、出身学部が参考になる。

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