憂鬱な人は「やる気が出る仕組み」をわかってない 臨床心理士が説く「モチベーションを育てる」方法

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憂鬱
モチベーションとエネルギーを育てる方法を5つご紹介します(写真:Kazpon/PIXTA)
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気分の落ち込み、不安、ストレス、自信喪失……普段の生活の中で、心の浮き沈みは誰もが経験することでしょう。
心理学者にして臨床心理士のジュリー・スミス博士は、2019年からメンタルヘルスについてのアドバイス動画を投稿し始め、現在SNS総フォロワー数は300万、寄せられた「いいね」の数は2000万超え、イギリス公共放送BBCで特集されるほどの人気を集めています。
科学的根拠に基づきながら、自身やクライアントが実践して役立つことがわかった知識を網羅的に紹介する初の著作『一番大切なのに誰も教えてくれない メンタルマネジメント大全』より、一部抜粋、再構成してお届けします。

やる気について、まず知っておきたいこと

人生をうまく生きるためのスキルを集めて道具箱(ツールボックス)を作るとき、わたしたちはモチベーションをスキルの1つと見なしがちだ。しかしモチベーションはスキルではない。また、モチベーションは、生まれつき備わっているものではない。

多くの人は、何をすべきかがわかっていても、すぐやる気にはなれない。しばらくたっても、やる気になれない。時には目標に向かって意欲的になり、物事が正しい方向に進み始めるが、数日後にはその気持ちは薄れ、振り出しに戻ってしまう。

モチベーションが上がったり下がったりするのはシステムの欠陥ではない。それは人間であることの一部だ。感情と同じくモチベーションは現れては消えるものであり、つねに心の中にあるとは限らない。このことは、わたしたちの夢や目標にとってどういう意味を持つのだろうか。

脳はつねに体で起きていることに注意を払っている。心拍数や呼吸や筋肉に何が起きているかを察知し、そうした情報に反応して、目の前のタスクにどれだけのエネルギーを費やせばいいかを判断しているのだ。そうであれば、わたしたちは自分が思う以上に、感情に対して影響力を持っていることになる。行動の変化は脳の活動に影響し、ひいては感情に影響する。この連鎖を利用すればよいのだ。

「めんどくさい」という感情に対処する方法は主に2つある。

● モチベーションとエネルギーを育てる方法を学び、それらがより頻繁に現れるようにする。

● モチベーションが湧かないときでも、努めて自分のためになる行動をする。少々気が進まなくても、するべきことをする能力を身につける。

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