ウェルビーイングの話題から最新スマートフォン、PS5の独占記事まで:2019年に最も読まれた10本のストーリー

2010年代の最後の年となった2019年、「WIRED.jp」ではどんな記事が読まれたのか? 健康にまつわる話題、あのスマートフォン、次世代ゲーム機、映画の問題作まで──。最も読まれた10本のストーリーを紹介する。
ウェルビーイングの話題から最新スマートフォン、PS5の独占記事まで:2019年に最も読まれた10本のストーリー
JACOBS STOCK PHOTOGRAPHY LTD/GETTY IMAGES

『WIRED』日本版にとって「ウェルビーイング」というキーワードは、極めて重要な意味をもっている。3月発売の雑誌『WIRED』日本版VOL.32では「DIGITAL WELL-BEING(デジタル・ウェルビーイング)」を特集テーマに掲げ、以降も独自イヴェントや記事においてもウェルビーイングという切り口を重視してきた。

こうした取り組みが奏功してか、「身体的、精神的、社会的に良好な状態」を意味するウェルビーイングという言葉は、徐々に日本でも浸透しつつある。だが、この言葉を知らずとも、わたしたちは自然に心身の健康を強く意識するようになっている。そんな事実が、2019年に最も読まれた10本の記事から浮き彫りになってくる。

2019年に最も読まれた記事は、「夜型」の人が努力しても、決して「朝型」にはなれないという研究結果に関する記事だった。夜更かしが健康によくないのは理解しているが、なかなか朝型の生活には切り替えられない──そんな心理が透けて見える。

2番目に読まれた加熱式たばこ「アイコス」に関する記事や、「幼少期にポケモンにはまった人は、脳に『特化した領域』が出来ている」という記事、日焼け止めの影響に関する記事も、こうした傾向を反映していると言っていい。健康への影響が気になっているが、その“根拠”を知りたい、納得したいという人が、それだけ多いということなのだろう。

世界を驚かせた「プレイステーション 5」の独占記事

2019年は新しいデジタル技術やガジェットの話題にも、こと欠かない年だった。

アップル、グーグル、サムスンといった人気ブランドが、スマートフォンの新モデルを相次いで発売。なかでもカメラ部分のデザインが賛否両論となった「iPhone 11 Pro」や、人工知能(AI)によって驚きの画質を実現した「Google Pixel 4」のカメラ機能、そしてサムスンが世界を驚かせた折りたたみ式のスマートフォン「Galaxy Fold」などが話題となった。

こうしたなか3番目に読まれたのはアップルの「iPhone」に関する記事ではなく、サムスン「Galaxy S10」シリーズのレヴュー記事。これに「iPhone 11」のレヴューが続いた。日本での市場シェアはiPhoneが圧倒しているが、記事の人気度においてはサムスンに軍配が上がる結果となった。

また、次世代ゲーム機「プレイステーション 5」(PS5)に関する記事も話題になった。『WIRED』US版によるソニー・インタラクティブエンタテインメントの幹部への独占インタヴューで、この記事を通じてPS5が世に問う新しいゲーム体験のすべてが世界に発信された。世界中のメディアがこぞって『WIRED』の記事を後追いしたところからも、その注目度の高さがうかがえる。

このほか、いったいどんな話題に『WIRED』の読者は関心をもっていたのか? 2019年に「WIRED.jp」で公開された編集記事を中心に、最も読まれた10本を紹介しよう。


01

「夜型」の人が努力しても、決して「朝型」になれない:研究結果

早起きが得意な「朝型」と、日が沈んでからのほうが活動の能率が高くなる「夜型」の人。その差は遺伝子によって決まるため、どんなに努力しても自分のタイプを変えることはできない──。英国の研究チームが、そんな研究結果を発表した。遺伝子によってタイプが決まるのであれば、わたしたちが「健康的な生活」を送るためには何ができるのか?
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02

米国で発売された加熱式たばこ「アイコス」、その安全性に異議が続々

日本でも販売されている加熱式たばこ「IQOS(アイコス)」が、米国に上陸した。すでに米国では電子たばこが社会問題になっており、この新しい製品の安全性についても異議を唱える声が次々に上がっている。>>記事全文を読む


03

サムスンのGalaxy S10シリーズ、使ってわかった6つの「優れたポイント」:製品レヴュー

サムスンの新型スマートフォン「Galaxy S10」と「S10+」が、日本でも順次発売となった。フロントカメラを配置するために“穴あき”となったディスプレイなど新しさも打ち出している新モデルは、従来のGalaxyシリーズの“欠点”を克服して優れた使い勝手を実現している。高価格帯のスマートフォンに「2019年の新基準」をつくりだした「Galaxy S10」シリーズを使って見えてきた「6つのポイント」を紹介しよう。>>記事全文を読む


04

iPhone 11は“過去最高”ではないが、成熟の域に達した。コスパは非常に高い:製品レヴュー

アップルが「iPhone 11」シリーズ3モデルを発売した。このうち最も低価格で標準モデルという位置づけになるのが「iPhone 11」だが、その実力はいかなるものだったのか。実際に使ってみたところ、過去最高のiPhoneとまではいかないが、コストパフォーマンスは非常に高いモデルに仕上がっていた──。『WIRED』US版によるレヴュー。>>記事全文を読む


05

幼少期にポケモンにはまった人は、脳に「特化した領域」が出来ている:研究結果

脳は特定の対象物に特化した脳領域を発達させていることがあるが、これはポケモンプレイヤーたちにも言えるらしい。ある研究によると、子どものころ熱心に任天堂の「ポケットモンスター」シリーズをプレイしていた人たちは、数百種のポケモンを区別するのに特化した独自の脳領域を発達させているというのだ。>>記事全文を読む


06

特報:ソニーの次世代ゲーム機「PS5」は、革命的なマシンになる

ソニーの次世代ゲーム機「PlayStation 5」は全面的な進化を遂げ、まったく新しいゲーム体験をもたらすことになる──。その知られざる姿が、『WIRED』US版の独占取材から見えてきた。ゲームの世界に「革命」を起こそうとしているという新しいマシン。その名称やスペック、ゲームタイトルなどについて、現時点でわかっていることすべてをお伝えしよう。>>記事全文を読む


07

特報:見えてきた「プレイステーション 5」の姿──ソニーが世に問う新しいゲーム体験のすべて

ソニーの次世代ゲーム機の名称が「プレイステーション 5」(PS5)に決まり、2020年の年末商戦に発売されることが明らかになった。記録媒体としてSSDを搭載し、新しいコントローラーがハプティック(触覚)によるフィードバックに対応するなど、次世代機にふさわしい進化を遂げるPS5。そのゲーム体験は、どれだけ変わるのか──。ソニー・インタラクティブエンタテインメントの幹部が自ら、その重い口を開いた。>>記事全文を読む


08

日焼け止めの化学物質は体内に吸収され、血液中に流れ込んでいた:米当局の臨床試験から明らかに

市販の日焼け止めに配合される紫外線防御剤が、皮膚から体内に吸収されている──。そんな臨床試験の結果を米食品医薬品局(FDA)が論文として発表した。試験は小規模なもので、紫外線防御剤が人体に悪影響を及ぼす証拠が見つかったわけではない。専門家からは「影響がわからない点が問題」との声も上がっており、FDAは審査の厳格化に向けて動き始めた。>>記事全文を読む


09

Androidスマートフォンの一部に「最初から」潜む脆弱性、新たに146件も見つかる

Androidスマートフォンの多くには、さまざまなアプリがプリインストールされたり、システムに組み込まれたりしている。これらのアプリに個人情報の流出につながる脆弱性が計146件も見つかった。29社が発売しているスマートフォンの一部は、買ったときから“危険”な状態にあるというのだ。この問題には、Android端末ならではの課題も潜んでいる。>>記事全文を読む


10

【ネタバレあり】『ジョーカー』を鑑賞する行為は、感覚が麻痺するような“空虚さ”の体験でもある:映画レヴュー

世界的な大ヒットとなった映画『ジョーカー』。劇中には1970年代と80年代のニューヨークを思わせる細かな描写だけでなく、実際に起きた事件や過去の映画のオマージュもそこかしこに隠されている。さまざまなディテールの上に構築されている作品だが、最も本質的な歴史的要素についてはあからさまに歪曲し、見て見ぬ振りをしている──。映画批評家のリチャード・ブロディによるレヴュー。
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TEXT BY DAISUKE TAKIMOTO