「Fitbit Charge 4」は、機能豊富で価格が手ごろな優れたウェアラブル端末に進化した:製品レヴュー

フィットビットの最新ウェアラブル端末「Fitbit Charge 4」は、旧モデルよりずっと実用的で、さらに高額なウェアラブル端末でしか見られないような新機能がいくつも搭載された。優れた睡眠分析機能や長いバッテリーの持続時間などを考えれば、素晴らしい選択肢になる──。『WIRED』US版によるレヴュー。
「Fitbit Charge 4」は、機能豊富で価格が手ごろな優れたウェアラブル端末に進化した:製品レヴュー
4月に発売された「Fitbit Charge 4」は、日本では19,982円。PHOTOGRAPH BY FITBIT

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フィットビットのスマートウォッチ「Charge」シリーズには、これまで運がなかった。以前「Fitbit Charge 3」をレヴューしたタイミングは、革新的で手ごろな価格の「Fitbit Versa」が投入された直後だった。わずかな差額でさらに高性能なスマートウォッチが手に入るというのに、どうしてわざわざCharge 3を購入するというのだろう。

このほど発売された新モデル「Fitbit Charge 4」は、Charge 3よりずっと実用的で、Fitbitより高額なフィットネストラッカーでしか見られないような新機能もいくつか搭載されている。こうしたデヴァイスが、個人のウェルビーイングより生き残ることのほうが重視される時期に発売されたのは、残念なことだ。

スマートフォンのスクリーンタイムをオフにしていれば、1日に約3,000件もの恐ろしいニュース記事に目を通すことさえできる。だが、Charge 4の睡眠トラッカーで最近の睡眠時間がどれだけ短いのか気付くことは、それと同じくらい憂鬱だ。

外出自粛が求められているなか、ついゴロゴロし続けたり、悪いニュースを読むのをやめられなかったりすることもあるだろう。こうしたなか、価値を重視したウェアラブル端末が役に立つと考えているなら、Charge 4はあなたにとって素晴らしい選択肢になるだろう。一方で、Charge 4を窓から投げ捨てるのも自由である。この困難な時代を切り抜けるために、必要なことは何でもやってみてほしい。

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バッテリーのもちが大きな利点

Fitbitを手に入れるいちばんの理由は、個人的にはバッテリーの持続時間だ。「Apple Watch」とは違って、毎晩充電しなくていいのは非常に素晴らしい。毎日ひとつかふたつのアクティヴィティをトラッキングし、通知をオンにして画面を通常の明るさで使う場合、Charge 4のバッテリーは5~7日はもつ。スマートフォンやノートPC、子どものiPodを夜間に充電するような習慣が、Charge 4には必要ないのだ。

バッテリーの持続時間が長くなるということは、睡眠中も着けていられるということだ。これもまた、Charge 4がほかの製品より優れている領域である。Charge 4の睡眠分析機能は市場で最も優れており、有料のサブスクリプションサーヴィス「Fitbit Premium」[編註:日本では未提供]に登録すべき理由のひとつになるだろう。費用は毎月9.99ドル(約1,060円)または年間79.99ドル(約8,530円)となっている。

ただし、「Fitbit Premium」に登録しないと、高度な睡眠分析やガイド付きのプログラム、パーソナライズされたインサイトといったFitbitならではの最高の機能を利用できないのは残念なところだ。それでも、もし個別のコーチングやトレーニングのプログラムに参加するつもりだったなら、Premiumはお得だろう。

秀逸な睡眠計測機能

Charge 4は3軸の加速度計と光学式心拍センサーを利用して、睡眠全体と各睡眠ステージの時間を計測する。また、新しいSpO2センサーで血中の酸素濃度も計測してくれる。Fitbitは独自のアルゴリズムによってこれらを計算し、包括的な睡眠スコアを算出するのだ。

スコアは0~100点で示される。睡眠の質は60点未満だと非常に悪く、80点を超えると良好だ。ここ1週間半ほどCharge 4は、わたしの睡眠がいかに短いか、そして“ごまかし”が効かなかったことを正確に記録していた。午前4時に目が覚めてしまい、Charge 4をチェックしながら横になってこの世の運命について考えていた夜でさえもだ。

Charge 4は、横になってじっとしていた事実にだまされず、起床時刻を正確に記録していた。ほかのフィットネストラッカーとは異なり、Charge 4は横たわっている人が実際に眠っているかどうか判別できるのだ。心拍数と呼吸数が増加し続けている人は、まず間違いなく眠っていない。

PHOTOGRAPH BY FITBIT

強度の高いトレーニングを可視化できる

Charge 4と同じくらいシンプルで手ごろな価格のデヴァイスのほとんどには、GPS機能が搭載されていない。これがアウトドアランナーにとってCharge 4を選ぶ決め手になっている。ランナーたちは、重くてバッテリー消費の激しいカラー画面がない、GPSの精度が高いデヴァイスを必要としているのだ。

ただし、必ずしもスマートフォンなしで出かけられるという意味ではない。例えば、Spotifyで音楽を聴くには、いまだにスマートフォンを持ち歩かなければならない。ワークアウトを記録している際には、Spotifyのアプリを利用できないのだ。

しかし、友達とゴルフやハイキングに行くような、長時間ぶらぶらと過ごすアウトドア活動にはぴったりだ。Charge 4には、こうしたアクティヴィティーを追跡する屋外のワークアウトのカテゴリーが新たに追加されている。実際に子どもと愛犬を自宅の裏にある公園へ(ソーシャルディスタンスを維持して)散歩に連れて行く際にCharge 4を毎回使用したが、GPSへの接続に目立った遅延はなかった。散歩のあとCharge 4は、歩いた正確な距離と地図をいつもアプリ上に示してくれる。

早歩きの散歩や上り坂の自転車など、心拍数が増えるアクティヴィティーの時間を計測する新しい指標「アクティブな心拍ゾーン(分)」も素晴らしい追加機能だ。運動の強度を上げていくと、Charge 4はワークアウトで脂肪燃焼や有酸素運動のパート、あるいはピークゾーンに入ったときに通知してくれる。

こうした強度の高いパートはアプリ内の強度マップで可視化されるので、自分がどの部分で頑張ったのか正確に把握することができる。これは強度の高いトレーニングを取り入れた新しいエクササイズを習慣づけるスマートな方法であり、ワークアウトの効果をさらに高めていける。

外出できるならお薦め

これらの機能を除けばCharge 3とよく似ているが、Charge 4の価値はかなり高まっている。これまでに紹介した機能のほかにも、タイマーやアラームの設定、天気の確認、日々の計画についてのリマインダー送信も可能だ。

計測される心拍数は、アップルやガーミンのデヴァイスで計測した数値とも一貫性がとれている。サイズは小さめで、手首での着け心地もいい。しかもCharge 3のバンドを流用できる。グレースケールの画面は、どこで見るにも十分な明るさだ(午前4時の寝室でもである)。

だが、新型コロナウイルスが蔓延しているいま、Charge 4は“別の惑星の遺物”のように感じざるを得ない。誰もがハイキングに行けなくなったというのに、自分だけ子どもを連れて出かけることなどできないだろう。

エクササイズのクラスに参加することも、泳ぎに行くことも、コーヒーショプで非接触決済を試すこともできない。実際にランニングで脂肪燃焼ゾーンに入ったことをCharge 4がほめてくれたとき、「いったい誰がいまそんなことを気にするっていうんだ!?」と叫びたいのをこらえるのが大変だった。

フィットネストラッカーがアクティヴな行動と健康維持を動機づけてくれるというなら、Charge 4はお薦めできる。とはいえ、屋外での運動にはマスクを忘れずに。しばらく自宅で待機する必要があるなら、素晴らしいウェアラブル端末にイラっとさせられないようにすることだ。


◎「WIRED」な点

値段以上の価値。GPS搭載。アップグレードされた睡眠トラッキング機能。いつどこで最もエネルギーを消費したのかを示す新しい強度マップ。エクササイズの初心者にとって素晴らしい指標である「アクティブな心拍ゾーン(分)」。屋外のワークアウトのカテゴリーが新たに追加。Charge 3のバンドを流用できる。

△「TIRED」な点

優れた機能の多くは、追加で有料サブスクリプションサーヴィス「Fitbit Premium」に登録しないと利用できない[編註:日本では未提供]。ワークアウト中はSpotifyをコントロールできない。グレースケールのタッチスクリーンには魅力的な文字盤が揃っていない。


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TEXT BY ADRIENNE SO

TRANSLATION BY YUMI MURAMATSU