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この12月は、史上最大の児童性的虐待動画サイトを閉鎖に追い込んだビットコイン追跡劇の裏側に迫った連載記事が脚光を浴びた。米内国歳入庁の犯罪捜査官と暗号通貨の専門家の協力によって実現した国際捜査は、やがてビットコインがもつ匿名性という従来の神話を打ち砕くこととなる。
「CLIMATE CRISIS」の週は、新著『The Value of a Whale(クジラの価値)』の著者エイドリアン・ブラーへのインタビュー記事が話題だった。ブラーは、グリーン資本主義と呼ばれる気候危機に対する市場ベースの解決策を真っ向から否定する。
「ART」のテーマでは、小説家・村田沙耶香の作風と価値観をひも解いた取材記事が注目された。村田は、結婚や出産といった社会システムの一部として定着している一般的な女性像に対する自らの違和感を、登場人物の生き様を通して描き続けてきた。
このほか、昨今話題が尽きない画像生成AIに関するOPINION記事や、連載「ポスト・レーガンのアメリカを探して」で語られた2024年の米大統領選の行方が反響を呼んだ。ここからは、12月に「SZ MEMBERSHIP」向けに公開された記事を中心に、最も読まれた5本を紹介する。
01 史上最大の児童性的虐待動画サイトを閉鎖に追い込んだビットコイン追跡劇|01: ダウジングロッド
ビットコインがもつ匿名性という神話を打ち砕き、ブロックチェーンをたどることでネット史上最大の児童虐待動画サイト「Welcome to Video」摘発へといたった世紀の事件の知られざる裏側に迫る連載。>>記事全文を読む
02 これがジェネレーティブAIが解き放つ真のスーパーパワーだ:ケヴィン・ケリー、画像生成AIを語る
AI画像生成による人間と人工知能の共創は、創造性の定義をいかに変えるのか? ケヴィン・ケリーによれば、2次元のジェネレーティブAIは、その後に続く大革新のほんの手始めに過ぎない。>>記事全文を読む
03 「グリーン資本主義」ではなぜ気候危機を解決できないのか
新著『The Value of a Whale(クジラの価値)』のなかで著者エイドリアン・ブラーは、気候危機に対する市場ベースの「解決策」をキッパリと否定する。既存の経済体制を温存しようとするグリーン資本主義よりもいい解決方法とは何か。>>記事全文を読む
04 小説家・村田沙耶香のスペキュラティブフェミニズムと彼女自身の惑星
村田沙耶香はSF手法を用いずに未来的な世界を創造する。登場人物たちは、結婚、出産、家庭生活という平坦なイメージをビックリハウスの鏡が歪めて映し出したかのような家庭環境で生きていくのだ。>>記事全文を読む
05 かくして2024年大統領選の幕は切って降ろされた!/ポスト・レーガンのアメリカを探して:#13
予測されていた通り、中間選挙からほどなくしてトランプが2024年の大統領選への出馬を表明したが、その反応は冷ややかだ。早くも動きはじめた次なる大統領選。うごめく各陣営の思惑を浮き彫りにする。>>記事全文を読む
Edit by Erina Anscomb
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