ひと目で紙質や文字のフォントを判別できたり、うろこから魚の種類を当てられたり──。趣味や職業の影響で、ある特定の分野について極端に目が肥えることがある。そんな隠れた特技や知識を誰かに披露したくなることも、きっとあるだろう。
世の中には、そんなニッチな需要に応えるカードゲームも存在する。つくり手たちのこだわりも光る、「わかる人にはわかる」カードゲーム6つを紹介しよう。
Table of Contents
- 「#」の後の6文字の違いがわかる人に:カラーコードかるた
- ざらざらの違いがわかる人に:やすり神経衰弱
- 線の違いがわかる人に:フォントかるた
- 白の違いがわかる人に:紙神経衰弱
- うろこの違いがわかる人に:さかなかるた
- コードの違いがわかる人に:プログラム言語神経衰弱
1. 「#」のあとの6文字の違いがわかる人に
読み上げられるカラーコードに対応する取り札を探すカルタ。取り札の右下に小さくコードが書いてあるので、カラーコードを覚えていない人でも遊べるのがうれしい。HTML基本16色(RGB基本16色)が用意されているが、「16色では物足りない!」という人には、異なる青を8色揃えた「拡張版 ブルーマニア」や、日本の伝統的な色を10色集めた「拡張版 日本の伝統色」にも挑戦してみよう。
2. ざらざらの違いがわかる人に
紙やすりの目の粗さによって生まれる手触りと色味の違いを利用した神経衰弱。「#80」から「#2000」まで、15組30枚の異なる粗さのやすりがカード状になっている。プレイヤーはカードに触れずに色だけで当てる「色覚側」と、目隠しをして手ざわりだけで当てる「触覚側」に分かれて遊ぶ。神経も指先の皮もすり減らして戦う真剣勝負だ。
3. 線の違いがわかる人に
48枚の取り札に書かれた文はすべて同じ。違うのはフォントのみというマニアックなカルタ。読み上げられるフォントの名前に対応する札をいかに速くとれるかによって、注意力とフォントへの愛が試される。読み札にはそれぞれのフォントをめぐるエピソードや使われている場所を紹介する解説文もついており、遊べばフォントへの愛がさらに深まること間違いなし。
4. 白の違いがわかる人に
52枚のカードのなかから、同じ種類の紙が使われている2枚を選んでいく神経衰弱。めぼしい2枚を見つけたら、紙をめくって答え合わせをしよう。「紙の違いなんてひと目でわかる」という人には、すべてのカードを裏側にひっくり返した状態で遊ぶ「裏」ルールも。紙の違いだけでなく、その位置も記憶しなければならないので、難易度高だ。
5. うろこの違いがわかる人に
魚好きや釣り好きにはたまらない、うろこがテーマのカルタ。24種類の魚の表皮(模様や色)だけを頼りに、読み上げられた魚のカードをとっていく。取り札には、魚が光を反射するときのきらめきや、うろこがもつ独特の凹凸感も特殊な印刷技術で再現されていて、眺めているだけでも楽しい。同じシリーズに「さかなかるた 淡水魚版」も。
6. コードの違いがわかる人に
エンジニアの腕と記録力が試される(?)神経衰弱。20の異なるプログラミング言語で書かれたカードから、同じ言語で書かれたカード同士をペアにしていこう。カードの上下に描かれたバーコード模様は答え合わせのためのもの。模様がぴたっとつながれば正解だ。ひとつの言語あたりのカードは、「if文」「for文(ループ)」「関数宣言」「その言語特有の記述」の4種類。自分だけが知っている言語があれば、大いに優越感を味わえる。
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