もうプラスチックのフォークは不要? その場で洗浄&収納できる金属製の携帯カトラリーセット

テイクアウトした食事にはプラスチックのフォークが付いてくることが多いが、プラスチックの使用量を削減したい人にぴったりの製品がある。その場で洗ってしまえる米国発の携帯カトラリーセットだ。
Cliffset Starter Pack utensils on purple backdrop.
Photograph: Cliffset

都会で暮らしていれば、誰もが直面する難問がある。「フォークをどうすればいいのか?」という問題だ。

例を挙げよう。食事をできる場所が極端に少ない金融街で会議を終えたあと、オアシスともいうべきファラフェル(ひよこ豆やそら豆でつくる中東のコロッケ)の屋台がようやく見つかった。神々が微笑んでくれて、8ドル(約1,000円)のプレートを手に入れることができたとする。

これこそ都会に住む理由と言えるのではないだろうか。素晴らしい食事をはじめ、できることがたくさんある。

一方で、このおいしそうなファラフェルをどうやって食べればいいのだろうか? 確かにピタパンはあるが、フムス(ひよこ豆のペースト)やババ・ガヌーシュ(つぶした焼きナスにゴマベーストなどを混ぜた前菜)など、ほかのおかずもたくさんある。

そこで手渡されるのが、プラスチックのフォークだ。しかし、これは環境問題を引き起こす要因のひとつである。この記事を読むために使う電子機器ほど大きな環境破壊にはつながらないが、やはり望ましいものではない。

プラスチックという石油に「ノー」

プラスチックについて、その由来はご存じだろう。プラスチックは石油からつくられている。

石油──。この愛すべき黒い液体が、食事を前にしてプラスチックのフォークについて考えるあなたを取り巻く都市全体を動かしている。

石油は本質的に、かつて生きていたものたちの“死骸”である。それが中生代から地中に堆積し、圧力によって絞り出されたものが石油なのだ。

そうした死骸が精製されてプラスチックになり、冷やされてフォークの形に固められる。つまり、まさに食べようとしていたひと口のファラフェルを支えているのは、実際には冷たく固められた死骸でつくられた棒なのだ。さあ、召し上がれ。ただし、冷たく固められた“死の棒”は拒否しよう。

そこで登場するのが、Cliffsetのカトラリーセットだ。高級ステンレス鋼でつくられているが、わたしたちのように都会で使う場合にさらに重要なこととして、携帯ケースと洗浄液が付属している。ポケットに入るカトラリーセットで、しかもポーチに“食洗機”も付いているわけだ。

PHOTOGRAPH: CLIFFSET

ここがポイントだ。確かにステンレス製のフォークを買うなら、安売りの店で1ドル(約130円)未満で見つかる。ただし、そのフォークは結局のところ、そのままカバンの底に沈んでいってしまう。コンサートチケットの古い半券やマフィンくずなど、よくわからないものと一緒になってしまうのがオチだ。プラスチックより環境には優しいとはいえ、気持ちいいものではない。

使ったら、その場で“洗浄”

Cliffsetのポーチは携帯ケースの形に真空成型され、フォークとスプーン、ナイフをきちんと収納できる。リップストップ(引き裂き防止)加工のナイロンで縁取りされ、ファスナーで密封できるようになっている。このため、ほこりにまみれたチケットの半券やマフィンくずと接触することはない。

最も優れている点は、その洗浄方法だ。カトラリーの洗浄には、ケースに収まるようにデザインされた詰め替え可能な小さなスプレーボトルを使う。

付属している洗浄液(食品に使っても安全なアルコールと水、レモンオイルの混合液)をカトラリーにスプレーし、ボトルの端でフォークの刃の間やスプーンの表面をこすってから、付属している布ですべてぬぐい取る。これで完了だ。あとはCliffsetをカバンに戻し、次に必要になるときまで清潔にしまっておけばいい。

Photograph: Cliffset

さらに付け加えるなら、Cliffsetのカトラリーは非常に頑丈にできている。ナイフはステーキを楽に切ることができるし、洗浄用スプレーボトルは油汚れを落とす際にとても優れた能力を発揮する。おかげで、家でフォークなどを洗うときにも使い始めたくらいだ。

Cliffsetは全体でも重さがわずか7オンス(約200g)で、長さは約6.5インチ(170mm)、幅は2インチ(50mm)、厚さは1インチをわずかに超える程度(30mm)。カバンに入れてもほとんど気にならないだろう。

ステンレスの銀色のほか、オレンジ色と黄色、モスグリーンと黒の4種類のカラーバリエーションから選べる。プレゼントにもぴったりだ。

WIRED US/Translation by Mayumi Hirai, Galileo/Edit by Daisuke Takimoto)

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