勇者と魔法使い、ニューヨークで「コモングラウンド・シンポジウム」に登壇!:豊田啓介×三宅陽一郎

「ゲームAIが都市(≒環境)に及ぼす影響」について『WIRED』日本版VOL.46で議論を交わした魔法使い(三宅陽一郎/ゲームAI研究者)と勇者(豊田啓介/建築家・研究者)が、その研究成果を携え、ニューヨークで2022年10月13日夜(日本時間14日朝)にシンポジウムに登壇する。彼等を迎える米国のアカデミアや産業界はいかなる反応を示すのだろうか? オンライン、あるいは現地にて待機せよ!
勇者と魔法使い、ニューヨークで「コモングラウンド・シンポジウム」に登壇!:豊田啓介×三宅陽一郎
ILLUSTRATION: NAOKI SHOJI

来る2022年10月13日夜(日本時間14日朝)、東京大学生産技術研究所が、コモングラウンドをテーマにしたシンポジウムを東大ニューヨークオフィスと共同で開催する。

基調講演を行なうのは、生産技術研究所に籍を置く豊田啓介と三宅陽一郎。9月に発売された(雑誌『WIRED』では10年ぶりとなる)ゲーム特集号にて、「ゲームAIと都市の関係性」について深く言及してくれたふたりだ。

豊田と三宅はこれまで、物理領域と情報領域を「汎用のデジタル3D記述の仕様」で接続する概念であるコモングラウンドを基盤に、さまざまな領域で開発・発展しつつある空間記述・空間認識、及び反応・制御を変換し、相互連携していくための仕組みの開発を行なってきた。

「2022 COMMON GROUND Symposium in New York City」と名付けられた同シンポジウムでは、そのコモングラウンドの研究活動が多角的に議論される。

豊田や三宅とディスカッションを行なうのは、マサチューセッツ工科大学(MIT)、アマゾン、オートデスク、SHoP Architectsといった、米国のアカデミアやテック産業で活躍する面々。

ゲームAI/ゲームエンジンをベースとし、実空間の建築・都市・地域をサイバー空間上に精緻に再現し、さらには仮想エージェント/物理エージェントと空間記述体系を実装し、物理領域と情報領域の高度な連携を行なう「コモングラウンド」の研究が、より一層の深みをみせる場になりそうだ。

そんな貴重な瞬間に多くの人が立ち会えるよう、オンラインで参加する機会が用意されている。あるいは当日ニューヨークに居合わせる人は、マンハッタンとクイーンズを挟んで流れるイーストリバーに浮かぶルーズベルト島に、万難を排して駆けつけるべきだろう。

来たるべきスマートシティ/スーパーシティの方向性が、きっと垣間見えるはずだからだ。それはつまり、都市OSの発展において、傍観者ではなく当事者になれる権利を得ることにほかならない。

「2022 COMMON GROUND Symposium in New York City」

○日時:2022年10月13日(木) 18:00〜20:00 (米国東部標準時)
  (2022年10月14日(金) 7:00〜9:00 〈日本標準時〉)
○会場:Verizon Executive Education Center, Cornell Tech
   +オンライン(Zoom ウェビナー)
○言語:英語
〇参加登録:下記のウェブサイトからお申込みください。
 https://bit.ly/3RIYbWF


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