見知らぬ他人とリモートワーク!? ビデオ会議で誰かとつながって、在宅勤務の生産性を高める3つの方法

自宅などでのリモートワークの際に集中力が続かなかったり、モチベーションを保てなかったりする人は少なくないだろう。そんなときの解決策として、ビデオ会議などで誰かと一緒に“リモートワーク”する方法が注目されている。
Person working on laptop in comfortable living room
Photograph: 10'000 Hours/Getty Images

言うまでもないことだが、いまや自宅でのリモートワークは以前と比べてはるかに一般的になった。もたらされたメリットは多いが、課題もいくつかある。

例えば、周囲に同僚がひとりもいない環境でモチベーションを保ち、仕事を続ける必要があること。そして、気を散らす余計なコンテンツがクリックひとつで表示され、それらがあまりにも多く存在することなどだ。

こうした問題に対処するために、一部ではインターネット上の見知らぬ他人を頼る動きがある。知らない人同士が一緒に机に向かい、ビデオ通話を通じてつながり、その間にそれぞれが勉強や仕事などの必要なことを済ませるというものだ。

奇妙な解決策のように感じるかもしれないが、これが想像以上にうまく機能する。それほど努力しなくても、低いレベルの責任感のようなものが生まれるのだ。

集中したい時間を誰かと一緒に共有すると、たとえそれが黙ったままでほかに何もしなかったとしても、昼寝をしたり、ドラマの一気見に時間を費やしたりするような誘惑にかられる可能性がかなり低くなるという。

Focusmateはユーザー同士のペアをつくり、集中して作業できるようにしてくれる。

Courtesy of Focusmate

1. Focusmate:ユーザー同士でペアを組める

ユーザー同士をつないで各自が仕事を終えられるようにするサービスの市場において、先行しているサービスのひとつが「Focusmate」だ。アカウントを登録すれば、25分または50分のセッションを1週間に3回まで無料で利用できる。1カ月あたり5ドル(約680円)を支払うと、セッション数は無制限になる。

自分のスケジュールにおける空き時間をFocusmateに告げるだけで、ランダムに選択されたパートナーが紹介される。雑談は許されず、協力する必要は一切ない。相手とつながったあとは、自分が取り組む作業を相手に説明してから、作業を開始するだけでいい。

Focusmateが実施した利用者に対する社内調査によると、サービスを利用したうちの93%が「生産性の向上に役立った」と回答したという。回答した利用者に多少の偏りがあったとしても、これは高い数字だ。まずは無料で試してみて、自分の働き方に役立つかどうか見てみる価値はあるだろう。

カメラとマイクを備えたデバイスがあれば、Focusmateを利用できる。Focusmateは、PCとAndroidデバイスでは「Google Chrome」上で、iPhoneとiPadでは「Safari」で動作する。

LifeAt Spacesでは、ほかの人たちを自分の作業空間に招待できる。

Courtesy of Life at Spaces

2. LifeAt Spaces:集中力を維持する仕組みも用意

「LifeAt Spaces」のアプローチはFocusmateとは少し異なる。Focusmateと同じように「コワーキングのためのビデオセッション」は用意されているが、それはLifeAt Spacesのサービスの一部にすぎない。ほかにも生産性向上に役立つサービスがいくつか提供されるのだ。例えば、自分の気分を管理するためのデスクトップ上のスペースや、集中力を維持するための環境音楽、やることリストのツールもある。

リモートワークに限って言えば、ほかの利用者を自分のデジタル作業空間に招待することで、自分の集中力をさらに高めることができる。Focusmateのような高度なスケジュール調整ツールやパートナーを自動で選択するような機能はないので、知り合いの誰かを自分で招待する必要がある。だが、かえってそのほうが効果的かもしれない。

この機能を使うには、マイクとカメラが必要になる。また必要に応じて、一緒に仕事をする1人または複数の人に渡せる電子メールのリンクが提供される。

セッションをどのくらいの長さにして、どのように使うのかといった使い方は、完全に利用者次第だ。このプラットフォームには、多くの柔軟性が組み込まれている。

ほかにも探してみると数多くの機能がある。仕事中のPCの画面の背景を落ち着いたものにしたり、決まったパターンで作業と休憩を繰り返す「ポモドーロ・タイマー」を使って作業と休憩のスケジュールをつくったりするといったものだ。

1日に15分の「コワーキングのためのビデオチャット」など、一部の機能は無料で利用できる。プレミアムアカウントは、1カ月あたり9ドル(約1,200円)だ。

Zoomなどのビデオ会議ソフトを使えば、リモートワーク用に独自のセッションを設定できる。

Courtesy of Zoom

3. Zoomなどを利用して自分で設定する

ほかの人たちと一緒にリモートで仕事をしたい場合、まったく新しいサービスに必ずサインアップしなければならないわけではない。「Microsoft Teams」「Zoom」「Google Meet」などのビデオ通話ソフトを用意して一緒に仕事をする相手を決めさえすれば、接続と作業セッションを自分で設定することができる。

もちろん、Focusmateのような自動スケジュール機能は利用できないが、自分ですべてを設定できる。相手やセッションの長さなど、あらゆる進行を完全にコントロールできるようになるのだ。

一緒に仕事をする時間と互いのやり取りをどの程度するかについては、事前に合意を得ておくことをおすすめする。自分たちにとってやりやすい方法を探そう。

Focusmateでは雑談を最小限に抑えるようアドバイスしているが、これは見知らぬ他人同士を引き合わせる場合だ。違う規則のほうが望ましいこともあるだろう。

すべて自分で設定する利点のひとつに、余計なコストが発生しないことが挙げられる。ほとんどの動画プラットフォームでは、1対1のビデオ通話もグループでのビデオ通話も、多くは時間無制限で無料(Zoomは40分の時間制限あり)だ。

WIRED US/Translation by Mayumi Hirai, Galileo/Edit by Daisuke Takimoto)

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