【次期iPhone最新情報】USB-Cへの全面移行からカメラの進化まで、“iPhone 15”について知っておくべき4つのポイント

アップルが日本時間の9月13日午前2時から発表会を開催し、毎年9月の発表が恒例となるiPhoneの新モデルが登場する可能性が高い。次期モデルになるであろう“iPhone 15”シリーズは、どのような進化を遂げるのか。発表直前の最新情報をまとめた。
iPhone 15 最新予測:USBC移行からカメラの進化まで、知っておくべき4つのポイント
Photograph: Apple

毎年恒例となっているアップルのイベントといえば、6月の開発者カンファレンス「WWDC」と9月の新型iPhoneの発表だろう。こうしたなか、アップルが9月13日午前2時(日本時間)から発表会を開催する。

今回のイベントでは“iPhone 15”シリーズのほか、「Apple Watch」の新モデルが発表される見通しだ。それ以外のソフトウェアやハードウェアなどが発表される可能性もある。発表の様子はいつものようにライブ配信され、このページから視聴できる。もちろん、アップルの公式サイトやYouTubeチャンネル、「Apple TV」などからも観ることが可能だ。

アップルが9月に開催する恒例のイベントは、2012年の「iPhone 5」の発表から始まった。それから10年にわたって欠かさず続いてきたが、いまでは会場のステージにアップルの幹部が次々に立つスタイルではなく、事前録画されたスタイリッシュな動画が配信される方法へと変化している。

WWDCではMR(複合現実)ヘッドセット「Vision Pro」が大々的に発表されて話題となったが、今回は“iPhone 15”ではどんなサプライズを見せてくれるのか。すでに多くの噂や分析、部品やアクセサリーのデータといった情報が流れているなか、アップルの新製品に関する予測は立てやすくなっている。「One more thing」に期待しながら、そうした最新の情報をまとめた。

1. iPhone 15シリーズのラインナップは?

これまでの通例に従えば、次期モデルの製品名は「iPhone 15」シリーズになる。そのラインナップは「iPhone 14」シリーズと同じで4モデルの可能性が高い。ディスプレイサイズが6.1インチの通常モデル「iPhone 15」と上位モデルの「iPhone 15 Pro」、それぞれの大画面バージョン(6.7インチ)となる「iPhone 15 Plus」と「iPhone 15 Pro Max」だ。

最近のアップルは最上位モデルに「Ultra」の名称を冠する傾向があり、iPhone 15では最上位モデルが「Pro Max」ではなく「iPhone 15 Ultra」になる可能性も浮上していた。しかし最終的に、名称は「Pro Max」に落ち着いたようだ。今回も小型モデル「mini」は用意されない。

ちなみに価格はどうなるのだろうか。円安傾向にあることを考えると、全面的な値上げもありうるかもしれない。特に最上位モデルの「iPhone 15 Pro Max」は、“20万円級”になる。

2. USB-Cポートに全面移行へ

なかでも最も大きな変更が見込まれるのが、USB-Cポートの全面採用だろう。欧州連合(EU)がスマートフォンやノートPCなどの充電ポートの規格をUSB-Cに統一する方針を打ち出しており、22年10月に法案が採択されたからだ。

これにより、EUではスマートフォンの充電ポートが24年末を期限にUSB-Cに統一されることになる。アップル製品の予想確度の高さで知られるブルームバーグのマーク・ガーマンによると、アップルはそれよりも1年早く対応する見通しで、「iPhone 15は23年秋にUSB-Cを搭載することがほぼ確実」という。ノートPCや周辺機器とポートが統一されることで、iPhoneユーザーは充電アダプターやケーブルを減らせることになりそうだ。

一方で、将来的にはiPhoneが完全ワイヤレスになる“ポートレス”への移行も予想されている。ブルームバーグのガーマンは、「(アップルは)まだワイヤレス・ファーストの未来の実現を計画している」と指摘しており、将来的にiPhoneの充電ポートが廃止される可能性もありそうだ。

3. デザイン変更とノッチの廃止

iPhone 14シリーズでは、「iPhone 14 Pro」でディスプレイのノッチ(画面上部の出っ張り)が消え、「Dynamic Island」と呼ばれるカプセル型の横長の丸い切り欠きが採用された。この第2のディスプレイのような表示領域が、次期iPhoneでは全面採用されることになりそうだ。

アップル情報サイト「9to5Mac」によると、iPhone 15シリーズでDynamic Islandが全面採用される可能性が、ケース生産用のCADデータから明らかになったという。また同じデータによると、ガラスの縁はカーブした形状になり、フレームとの継ぎ目がよりシームレスになる。このデータからも、USB-Cへの全面移行が見てとれるようだ。本体は丸みを帯びたデザインで、新たな本体カラーも採用される可能性が高い。

なかでもiPhone 15 ProとiPhone 15 Pro Maxのフレームには、チタンが採用されるかもしれない。香港の投資会社である海通国際証券集団のアナリストのジェフ・プー(蒲得宇)の調査報告によると、Proシリーズに限ってチタンフレームが採用される可能性があるという。Proシリーズでは音量ボタンとミュートスイッチがハプティック(触覚)方式になる可能性もあるとされていたが、来年以降に延期される見通しだと、アップル製品の予測で有名なアナリストのミンチー・クオ(郭明錤)は指摘している

4. カメラの性能はさらに向上

9to5Macによると、カメラモジュールの構成は基本的に従来と同じで、通常モデルがデュアルカメラ、Proシリーズはトリプルカメラになる。カメラの性能は向上する見通しで、バンプ(出っ張り)の厚みがそれを裏付けているという。また、カメラの解像度は4,800万画素になりそうだ。

アナリストのクオの予測によると、最上位モデルに相当する「iPhone 15 Pro Max」のカメラには、ペリスコープ型レンズが搭載される可能性があるようだ。ペリスコープとは、潜水艦の乗組員が海上の様子を確認する際に用いる潜望鏡のことを指す。これと同じように、レンズから取り入れた光を90度屈折させてレンズとセンサーを直角に配置し、スマートフォンのような薄いデバイスでも高倍率の光学ズームを実現する仕組みだ。アップル製品の情報リーク提供者(リーカー)のUnknownz21は、アップルの特許情報との関連性も指摘している。これにより5〜6倍の光学ズームが搭載される可能性もありそうだ。

これらの情報は、あくまで事前リークやアナリストの分析に基づく予測である。はたして見事に的中するのか、盛大に外れるのか──。“答え合わせ”は、まもなく始まる発表イベントでのお楽しみとなる。

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