今年はどんな「映画体験」をした年だった?:『WIRED』日本版が振り返る2022年(映画編)

スクリーンサイズ(IMAXからスマートフォンまで)や視聴方法(倍速視聴やネタバレ上等視聴などなど)の“多様化”に晒されながらも、いまだ娯楽メディアとしての存在感を示している映画について、『WIRED』日本版は2022年にどのように伝えてきたのか。オンラインでよく読まれた映画関連の記事をピックアップし、『WIRED』日本版が振り返る2022年(映画編)としてお届けしよう。
今年はどんな「映画体験」をした年だった?:『WIRED』日本版が振り返る2022年(映画編)
Photograph: Paramount Pictures/Avalon/Aflo

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13年ぶりの続編『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』を観るにあたって、最近、「前作」を観直した人も少なくないはずだ(筆者もそのひとり)。そしてあらためて、映像のリッチさに驚いたのではないだろうか(個人的には今年観たどのMCU作品──『ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス』『ソー:ラブ&サンダー』『ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバー』──よりもそのVFX技術に感銘を受けたこと自体に驚いた)。

僭越ながらさらに個人の話を続けると、2022年という年は、『シン・ウルトラマン』や『トップガン マーヴェリック』、『NOPE/ノープ』、『THE FIRST SLAM DUNK』以上に、「町山智浩と菊地成孔によるDOMMUNEでの生解説つきで『気狂いピエロ』を観た年」として記憶に残るのでは……と思っている。

みなさんは今年、どのような映画体験をされただろうか?

以下の10本の記事で、ぜひ2022年を振り返っていただければ幸いだ(参考までに日本国内の興行収入ランキング──興行通信社調べ。対象は2021年12月〜2022年11月までの公開作品で、22年12月12日時点での推計概算──もお届けする)。

第1位『ONE PIECE FILM RED』 ※上映中
第2位『劇場版 呪術廻戦 0』
第3位『トップガン マーヴェリック』※上映中
第4位『名探偵コナン ハロウィンの花嫁』
第5位『すずめの戸締まり』※上映中
第6位『ジュラシック・ワールド/新たなる支配者』
第7位『キングダム2 遥かなる大地へ』
第8位『ファンタスティック・ビーストとダンブルドアの秘密』
第9位『ミニオンズ フィーバー』
第10位『シン・ウルトラマン』


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『WIRED』日本版が振り返る2022年の記事はこちら


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