2023年8月30日から31日にかけて見える満月は、今年で最も大きく見える「スーパームーン」だった。月は楕円の軌道を描いて地球の周囲を公転しており、地球と月との距離は太陽や地球などの重力にも影響されながら変化する。月が地球に最も近いタイミングで満月になると「スーパームーン」と呼ばれるが、あくまで天文学の正式な用語ではなく、定義も明確ではないという。
日本の国立天文台によると、月は8月31日(日本時間)の0時54分に近地点(地球に最も近付く地点)を通過し、約10時間後の10時36分に満月になる。このため、8月30日夜から31日朝にかけて見える満月を「スーパームーン」と呼んで差し支えないだろう。なお、満月のときの地球と月との距離(地心距離)は約35万7,300kmだ。
スーパームーンのとき、月は地球から最も遠いときと比べて14%ほど大きく見える。米航空宇宙局(NASA)によると、この違いは「25セント硬貨と5セント硬貨の大きさの違い」に近い。距離が近いぶんだけ通常より明るく見えるほか、月が地球に最接近するので通常より潮位が高くなることがある。また、今回は土星が月の近くに明るく見えるので注目してほしい。
さらに、同じ月で2回目に見られる満月を「ブルームーン」とも呼ぶ(月が青く見えるわけではない)。月の満ち欠けの周期は約29.5日と1カ月より少し短いので、月初に満月を迎えた場合には月末に再び満月を見られるときがある。これがブルームーンで、おおむね2~3年周期で発生する。
今回はスーパームーンのタイミングとも重なったので、“スーパーブルームーン”とも呼ばれる。なお、満月の約25%がスーパームーンになるが、ブルームーンは満月の3%にすぎない。これらが重なる“スーパーブルームーン”の周期は不規則で、一般的には10〜20年ごとに起きるとされる。NASAによると、次回は2037年だ。
※『WIRED』による月の関連記事はこちら。
次の10年を見通す洞察力を手に入れる!
『WIRED』日本版のメンバーシップ会員 募集中!
次の10年を見通すためのインサイト(洞察)が詰まった選りすぐりのロングリード(長編記事)を、週替わりのテーマに合わせてお届けする会員サービス「WIRED SZ メンバーシップ」。無料で参加できるイベントも用意される刺激に満ちたサービスは、無料トライアルを実施中!詳細はこちら。