何度も傾けたくなる背面のグラデーション

個人的な嗜好の話からになってしまうのだけれど、わたしは綺麗なグラデーションの色彩によく心惹かれる。波打つ水面や太陽の光がまばらに当たる新緑、朝夕の空といった自然の景色。そういったものからインスパイアされた抽象絵画やプロダクトデザインなどなど……。

と思い返しながらノートパソコンのキーボードを叩き出したのだが、そのノートパソコンを始め、自分を魅了してくれるようなものが、仕事場の身の回りにあまりないことに気づく(ノートパソコンをグラデーションに染めたいとは思わないけれども……)。大体がモノクロかシルバーで、ときめいて購入したというよりも便利さを優先して選んだ気がする。次も同じメーカー、モデルを買うかと聞かれたら正直分からない。

19世紀の初頭に『色彩論』を書いたことでも知られる詩人のヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテは、自然の光による色の変化に関する多様なデータを数多く集めて色彩の移ろいを検証し、「世界は美しい無限のグラデーションに包まれている」といったことを述べた。自然が織り成す現象が由来だからこそ、潜在的にグラデーションを好むのかなとも思う。

この度、新たにOPPOの人気シリーズであるReno Aのラインナップに加わった「OPPO Reno7 A」を使ってみて、まず好意的に感じたのは背面の色の綺麗さ。「OPPO Reno7 A」のボディには、「OPPO Glow」と呼ばれる独特なCMF(カラー・マテリアル・フィニッシュ)技術が施されている。CMFとは、形だけでなく表面のテクスチャーもプロダクトデザインにおいて大切であるという欧州で確立された概念で、利便性ではなく感性に価値をもたらすもの。

プロダクトによってCMFの表現の仕方はさまざまだが、「OPPO Reno7 A」はほんの少しのざらつきがあり、触り心地のよいマットな仕様になっている。マットな表面仕上げのおかげで指紋が目立たないのも嬉しい。さらに角度に応じてグラデーション、色の濃淡が変わり、光の当たるポイントがキラキラと星のように煌めくところが気に入った。

これまでのOPPOのスマートフォンも斬新な色使いのモデルが多かったように記憶しているが、「OPPO Reno7 A」は特に何度も背面を傾けたくなるほどに艶やかな表情を見せてくれ、手に持っていること、そばに置いておくこと自体が楽しかった。スマートフォンに限らず、身の回りのモノのデザインに「ときめき」を感じ、ずっと一緒にいたいと思うような経験はあまりない。「OPPO Reno7 A」のデザインは、まさに長く一緒にいたいと思わせてくれる。

「OPPO Reno7 A」のカラーバリエーションは、「ドリームブルー」と「スターリーブラック」の2色。「ブラック」といっても、冒頭の話のような無機質な黒ではなく、どことなく晴れた日の夜空を思わせる深い青み、「ドリームブルー」と同様の品のいい艶やかさがある。

美しく、薄く、軽くなった特長に対する機能

ボディサイズは幅74×高さ160mmと最初、女性にとっては少しだけ大きいかもなと思った。でも、考えてみれば片手で持つのは取り出す時くらいで、操作する際はほとんど両手で使用するため、大画面ながらサイズ感は使っていくうちに手馴染みとともに消えていった。それよりも大事なのは大きさと薄さの両立なのだと思う。

「OPPO Reno7 A」の厚さは7.6mm。これは従来機種の「OPPO Reno5 A」よりも、約0.6mm薄い。感覚的な印象ではあるが、薄く質感の高いエレガントなボディに、軽さ約175g(同じく「OPPO Reno5 A」との比較でおよそ7g減)を両立させていて、非常にホールドしやすいと感じた。

美しく、薄く、軽くなった特長に対して、やはり気になるのは日常のツールとして欠かせない基本性能だろう。そばに置いておくこと自体が楽しくても、しっかり使えなければ、さすがに選択肢にはならない。

友人とスマートフォンについて話すことはあまりなくなったのだが、話題に挙がる時は大抵、バッテリーの話だったりする(同時に充電器やケーブルの貸し借りが起きることも)。わたしは休日たまに午前中から夕刻くらいまで、長い時間をかけて料理をすることがある。その際のお供として、「OPPO Reno7 A」で長時間のDJミックスと観慣れている好みの映画を充電せずに連続再生してみたが、余裕のバッテリーの持ちを実感した。

これまではそういったことをすると、いつの間にかバッテリー残量がギリギリになっていたのだが、「OPPO Reno7 A」はフル充電で約20時間の動画視聴、あるいは約39時間の音楽再生と謳われている通り、気になることはなかった。さらには「OPPO Reno Aシリーズ」からボディの防水・防塵が受け継がれているので、料理の時なんかに水回りに置いていても安心だ。

つけ加えておきたいのが、高精細な6.4インチの有機ELディスプレイとリフレッシュレート(画面に表示されているものを更新する回数)。前者は2020年登場の「OPPO Reno3 A」以来の復活となる。その採用がおそらく功を奏し、液晶では実現できない先ほどの薄さが生まれたのだと考えられ、90Hzというリフレッシュレートの高さ(120Hzの数値を誇る「OPPO Find X3 Pro」のようなモデルもあるが、一般的なのは60Hz)が組み合わさり、ひとつひとつのモーションが驚くほど滑らかで、臨場感のある映像視聴も楽しむことができた。もちろん、有機ELディスプレイはさまざまなコンテンツを精細に再現する。

今回、OPPOのメッセージに「長持ち」という目新しい言葉があった。

「OPPO Reno A シリーズ」は「OPPO Reno7 A」で4世代目となる。シリーズの初登場以来、ユーザーの声が積極的に開発に取り入れられ、新しいモデルが誕生している。これまで触れた美しく、薄く、軽くなったデザイン、日常生活に不足のない充分な機能の絶妙なバランスは、多用なユーザーのニーズを吟味した結果であり、すべてはあらゆる人に適した「長持ち」のためなのだ。

そして、もうひとつのポイントがある。

「OPPO Reno7 A」にはシステム劣化防止機能が新搭載されていて、買った時のサクサク感が長く続くという。

スマートフォンは長時間使えば使うほどにシステム領域が肥大し、知らず知らずのうち動作が重くなり、操作性が悪くなっていく。システム劣化防止機能は、それを文字通り防ぐもので、効率のいいファイルシステム(使用するメモリ領域を圧縮し効率的に格納し、利用可能なメモリ領域を増やす仕組み)方式によって、より多くのシステム領域が確保される。さらに、よく使用するファイルや、たまにしか使用しないファイルをAIがうまく認識し、システム領域を効率的に割り当てることで、ブラウザやカメラなどのアプリの起動が早くなり、結果としてスマートフォンを使い始めた頃のサクサク操作感が長く続く。

最初のタッチポイントから「ときめき」を感じさせるデザイン、しっかりと毎日をサポートしてくれる基本性能に充実の機能、その劣化が抑えられるというのだから、愛着と一緒に長く使えそうだ。

普段の生活では、利便性、必要性だけを考えてモノを選んでしまい、次から次へと買い替え、継続的にひとつのモノを持つという意識は薄れていく。でも「OPPO Reno7 A」のようなコンセプトのスマートフォンであれば、愛着をもって長く使い続けることが出来ると思う。

言わずもがな、スマートフォンの24時間の携帯は当たり前になっている。だからこそ、自分の使用用途にあったスマートフォン、愛着をもてるスマートフォンを所有したい。初めのタッチポイントの「ときめき」が続くデザイン、機能面をただ重要視することよりも、使いたい時に思ったように使える安定性、この2点がこれからのスマートフォン選びのカギなのだと思う。

そして何より、愛着をもって長く使い続けることは、シンプルではあるけれど結果的にサステナビリティへと結びつくのだと気づかされた。

[ OPPO Reno7 A ]