「手を動かし、いざ実装!」をテーマに掲げるハンズオン型カンファレンスとして4年ぶりのリアル開催となるWIRED CONFERENCE 2022。その注目は、トークセッション連動型ワークショップの数々だ。

リジェネラティヴな未来をいかに実装するかがテーマとなるDAY1「FUTURES」では、次代のファッションをつくりだすスペキュラティブデザイン集団Synfluxによる「循環型ファッションのためのプロトタイピングワークショップ」が開催予定。今回のTHURSDAY EDITOR’S LOUNGEは、その準備に忙しいSynflux代表の川崎和也に、ワークショップの内容や見どころについて解説してもらった。

川崎はファッション業界におけるバイオマテリアルやコンピュテーショナルデザインの可能性をいち早く提示し、『WIRED』日本版が主催する「CREATIVE HACK AWARD」では2年連続で特別賞を受賞している。いわばスペキュラティブデザインの最前線を走り続ける川崎は、今回のワークショップに込めた想いを次のように語る。

「ファッション産業は、その莫大な環境負荷を背景に『悪名高い産業』として語られてしまうことも多々あります。差し迫った状況では目先のことで頭がいっぱいになってしまう。しかし、このワークショップでは『もしもこうだったら』と望ましい未来を参加者のみなさんと一緒に考えたいと思っています。その過程から、持続可能性や循環について学んでいけるような取り組みを考えています」

具体的には、午前中に行なわれる川崎とエシカルファッションプランナーの鎌田安里紗、建築家の津川恵理を交えたトークセッションでリジェネラティブファッションの可能性と事例を知るところから始まり、ワークショップではそうしたリジェネラティブファッションを事業とするスタートアップのCEOになりきり、Synfluxと『WIRED』日本版が独自に共同開発したカードゲームを使いながら、最終的に出てきたアイデアのピッチを行なってもらう予定。3時間で駆け抜ける今回のワークショップについて川崎は、「『循環』を生活に関わるアイデアや事業として考えてみることで、参加者のみなさんにとって生きた知識として持って帰って欲しい」と期待を込めた。

ワークショップの見どころだけでなく、スペキュラティブデザインの本質についても大いに語られた今回のトークセッション。カンファレンスの副教材としてもぜひチェックしてみていただきたい。[最下段に音声データへのリンクがあります]

■聴きどころはこちら 

・川崎和也の取り組み(00:01:06)  

・カンファレンスDay1 ワークショップの内容(00:04:50) 

・“what if~?” の思考法(00:10:37)  

・カンファレンスDay1 トークセッションの内容(00:19:09) 

・共著『サステナブル・ファッション』発売(00:28:08) 

・コンピュテーショナルデザインとは(00:35:48)

・スペキュラティブの本質(00:39:08)

・うねりの中から次のスタンダードが生まれる(00:44:13) 

・プロンプトエンジニアリング:AIとの新たな関係性(00:49:29)

■登壇者プロフィール

川崎和也|KAZUYA KAWASAKI[下段]
Synflux CEO。スペキュラティブ・ファッションデザイナー。1991年生まれ。慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科エクスデザインプログラム修士課程修了(デザイン)。主な受賞にH&M財団グローバルチェンジアワード特別賞、Wired Creative Hack Awardなど多数。編著書に『サステナブル・ファッション ありうるかもしれない未来 (学芸出版社, 2022)』、『SPECULATIONS 人間中心主義のデザインをこえて (BNN, 2019)』がある。

微生物やアルゴリズムと「服をつくる」:スペキュラティヴデザイナー・川崎和也による“ポスト人間中心“の実装

2055年には人類は100億人を越えると予測され、わたしたちが地球に与える影響はとてつもない規模になる。だからこそ、あらゆる人が身にまとう衣服の生産や消費のあり方もアップデートされなければならない。『WIRED』日本版が主催する「CREATIVE HACK AWARD」で特別賞を受賞したスペキュラティブ・ファッションデザイナーの川崎和也は新たにサービスを立ち上げ、ファッション業界に横たわる「ファッション・パラドックス」の問題を解こうとしている。>>本文を読む

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循環型ファッションの未来をプロトタイプせよ!
ゲスト:川崎和也(Synflux CEO)