スペインの街が、洗剤の泡みたいなのでいっぱいになっちゃった

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  • author Dharna Noor - Earther Gizmodo US
  • [原文]
  • Kenji P. Miyajima
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スペインの街が、洗剤の泡みたいなのでいっぱいになっちゃった
Photo: The Telegraph/YouTube

あわわわわ。バケーションでこんなことになったら、楽しみも泡と消えそう。

スペインのカタルーニャ地方にある街、Tossa de Marは、とても美しくて、バケーションを過ごすには最高な場所。澄んだ青い海を眺め、いろんなヨーロッパ料理に舌鼓をうち、そしてごく稀にとんでもない量の「世にも奇妙な海の泡」に遭遇することができます。

街にあふれる海の泡

強いストームによって静かな海が大荒れになって海水が泡状の層をつくり、Tassa de Marの建物や道を覆い尽くす事態に。その光景はまるで洗濯洗剤があふれてそこら中が泡だらけになるアニメのワンシーンさながら。強風によって舞い上がった泡は、アパートがあるブロック全体に広がったのだとか。

泡に乗っとられた街は現実離れもいいところ。休暇をとって訪れたリゾート地で、目が覚めたらこんなことになっていたシーンを想像してみてください。

この海の泡は、海水の有機物質が激しく揺さぶられたときに発生します。自然現象ではあるものの、そこに化石燃料や下水や洗剤が加わると、ねっとりベトベトして気持ち悪いことこのうえなくなります。NOAA(米国海洋大気庁)によると、基本的に危険性はなくて、むしろエコシステムが健康な状態であるサインではあるのですが、大量発生した藻が海岸付近で腐って毒素を放出する場合は例外とのこと。

Video: The Telegraph/YouTube

当局者は、たぶん海の泡に危険性はないと述べています。ただあまりにも非現実的ですよね。

泡よりも深刻なストームの被害

それはさておき、この泡騒動を引き起こす原因になったストームは、カタルーニャ沿岸にとって深刻な問題になりました。BBCによると、猛烈な嵐「グロリア」によって5人が死亡し、海岸の施設は破壊され、道路も使えなくなって、停電も起こっているのだそうです。バルセロナにおける海岸サービスのトップは、「グロリア」について「今世紀最悪の嵐です」と語っています。

「グロリア」はそのあとも内陸地域に進行して爪痕を残しています。マドリードの北西にあるAvilaとバレンシアの少し南にあるAlicanteには大雪を降らせました。Avilaでは強風で飛ばされた屋根のタイルによって63歳の男性が死亡し、Valencia近郊では54歳のホームレス女性が凍死したそうです。その後も猛威を振るった「グロリア」によって、スペインでは結局13人が亡くなって4人が行方不明になり、フランスでは洪水によって1,500人が避難を強いられました。

それに比べると、町が泡だらけになるのはそんなに悪くないかもしれないですね。